IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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一夏と鈴によるクラス対抗戦。

鈴の怒涛の攻撃になかなか手が出ない一夏は火影達との約束を破り、白式のスピードを上げて反撃を決意。一方の鈴もそんな一夏の覚悟に応えようと正面から迎え撃とうとしていた。

……しかしその時、アリーナのバリアを破って謎のISが出現。何も語らないそれはいきなり二人に襲いかかってきた!

※UAが15000に到達しました。多くの方に見て頂いて嬉しいです。と共に誤字が多くて申し訳ありません。


Mission29 謎のIS

ドンッ!ドンッ!

 

一夏・鈴

「「!?」」

 

それは突然二人に向けて左手のライフルを発射した。突然の攻撃に二人は急速で回避する。

 

一夏

「くっ!」

「い、いきなり何すんのよ!」

謎のIS

「……」

 

やはり謎のISは何も言わず攻撃を続けてくる。

 

一夏

「くっ!うぉぉぉぉ!」

 

攻撃を避けた一夏は謎のIS(以降、敵ISと記載)に零落白夜で切りつけようとした。しかし、

 

一夏

「な!避けた!?」

 

敵ISは無駄のない動きで一夏の攻撃をかわし、隙ができた一夏を右手の剣で斬りつけようとする。

 

「一夏!」

 

それを鈴が龍咆を打ってなんとか阻止する。敵ISは一旦距離をとった。

 

一夏

「鈴!悪い!」

「いいから!来るわよ!」

 

 

…………

 

その頃、火影達は千冬や真耶と合流していた。

 

「千冬さん!山田先生!」

真耶

「みんな!早く退避してください!」

セシリア

「先生、あれはなんですの!?」

真耶

「わ、わかりません!侵入者の様ですが…、とにかく2人を退避させないと!」

 

そういうと真耶は一夏と鈴に通信を入れた。

 

真耶

「織斑くん、鳳さん聞こえますか!なんとかそこから退避してください!教師陣が制圧に向かいます!」

一夏

「でもまだ観客席には生徒が残ってます!今退いたらみんなが狙われるかもしれません!」

「そうです!先生達が来るまで誰かが戦わないと!」

真耶

「しかし危険です!」

一夏

「大丈夫です!もう通信を切ります!」プツッ

 

そういうと一夏は通信を切った。

 

真耶

「織斑くん!鳳さん!」

千冬

「落ち着け山田先生。君の言う事もわかるがあいつらの言う事もわかる。少し冷静になれ」

 

一見冷静な千冬はそう言いながら手に持つコーヒーに砂糖を入れた。だが…

 

真耶

「先輩、それ塩…」

千冬

「………」

 

千冬も落ち着いていないのは誰の目にも明らかだった。とその時、別の教師が走ってきた。

 

教師

「お、織斑先生大変です!アリーナ内の扉が全てロックされています!これでは生徒を退避させられません!」

真耶

「!そ、そんな!じゃあ織斑くん達の救援に向かうことも…!」

千冬

「……」

 

千冬のカップを持つ手が僅かに揺れていた。

そこに火影が、

 

火影

「先生。僕達が行きます。良いですか?」

千冬

「……………すまない。海之、火影、一夏達を頼む」

海之

「はい」

真耶

「危険です!それに二人のISは!」

火影

「大丈夫ですよ先生。海之、お前は先に生徒達を逃がせ。その間僕が引き受ける」

海之

「わかった」

セシリア

「私も行きますわ!」

火影

「んじゃ行くぜ」

セシリア

(……?そういえば箒さんはどちらに?)

 

 

…………

 

その頃、一夏と鈴は敵ISと戦いを続けていた。

一夏と鈴は二人がかりだが先の対抗戦で既に消耗していたため、エネルギーもほとんど残っておらず、まともに動けない状態だった。

対して敵ISはノーダメージではない筈だがその勢いを衰えていなかった。その異常さに一夏は思った。

 

一夏

「…あいつ、本当に人が乗ってるのかな?」

「何言ってんの?無人機なんてどこもまだ成功していないでしょ…」

一夏

「う~ん、それはそうとお前のIS、SEは?」

「…もうほとんど残ってないわよ…、あんたとの戦いで消費しすぎたわ」

一夏

「マジか…俺の方も精々零落白夜1回分って感じだな…。どうする………!!」

 

その時敵ISが瞬時加速で接近して切りつけてきた。一夏は迎え撃つが受け止めきれず、後方には弾き飛ばされる。

 

一夏

「うわぁぁぁ!」

「一夏!」

 

一夏を倒したそれは次に鈴にライフルを向ける。だが鈴にはそれを避けるだけの力が残っていなかった。

 

敵IS

「………」

「くっ…」

 

敵ISはゆっくり引き金を引こうとしていた。

 

一夏

「鈴!!」

(…もう…駄目なのかな…。こんな事ならあの時…ちゃんと伝えとけば…よかったな。あの時、話を聞いてくれた時に……、あいつに…………!?)

 

鈴は目を瞑った。

 

(……そっか。あの時も今も……私、やっぱりあいつが……。火影の事が……)

 

 

ドンッ!

ドシュッ!!

ズダダダダダダダダダダダダッ!!

 

 

「………………あれ?…私?」

 

鈴は自分が撃たれていない事を不思議に思い、目を開けた。

 

「!!」

 

目を開けるとそこにはアリギエルを纏い、エボニー&アイボリーを構えた火影がいた。敵ISは火影の連射をまともに受けたために装甲に損傷を負い、距離を取っていた。

 

火影

「……やれやれ、大丈夫か鈴?」

「その声…火影?…な、なんで………えっ!?」

 

鈴は言葉を失った。火影のわき腹に先ほど敵ISが打った銃弾を受けた跡があったのだ。しかも出血までしている。

 

「あ、あんたそれ、まさか…私を庇って!?」

火影

「ああ避ける暇がなかったからな。心配すんな。慣れっこだ。それに」

 

その時アリギエルの再生機能が起動し、傷は直ぐに完治した。

 

「き、傷が治った!?」

一夏

「火影!大丈夫か!?」

 

後方から一夏が戻ってきた。

 

火影

「ああ心配すんな。後は僕達がやるから2人は…」

「一夏ぁぁぁぁ!」

火影・一夏・鈴

「「「!?」」」

 

その時アリーナの場内放送が鳴り響いた。管制塔を見るとそこにはいなくなっていた箒がいた。

 

「お、男なら立て!そんな奴に勝てなくてなんとする!!」

一夏

「箒!」

 

その時、こちらに向かって来ていた敵ISが管制塔に向きを変えて向かっていった。

 

「!!」

一夏

「箒!!」

火影

「ちっ!一夏!零落白夜を起動させろ!」

一夏

「えっ?あ、ああ!」

 

そう言われて一夏は零落白夜を起動させた。

 

火影

「舌噛むなよ。それとしっかり自分で止まれ」ガシッ!

一夏

「え?え?」

火影

「おおおぉぉぉぉぉりゃあぁぁぁぁぁ!!」

 

火影は一夏を思い切り敵ISに向かってぶん投げた。

 

一夏

「どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ズガガガガガガガガッ!

 

謎のIS

「グォォォォォォォォ!」

 

敵ISと交差する形となった一夏は起動していた零落白夜で切りつけた(偶然当たっただけともいえる)。敵ISはエネルギーの大半を奪われ、もはやまともに動けなかった。

 

火影

「セシリア!」

セシリア

「了解ですわ!」

 

空中で待機していたセシリアが敵ISに向けてライフル、ビットによる一斉射撃を浴びせる。

 

敵IS

「!!」

 

ドオォォォォォンッ!!

 

やがて耐えきれなくなったそれは爆発を起こし、活動を停止した。

 

火影

「お疲れさんセシリア。ナイスアシストだ」

セシリア

「お疲れ様です」

火影

「あああと悪いが一夏の回収を頼む。あいつも動けないだろうからな。そのまま医務室に連れてってやってくれ」

セシリア

「わかりましたわ」

 

セシリアは一夏を回収しに行った。

 

火影

「おい、お前は動けるか鈴?」

「……」

火影

「鈴?」

 

……ガシッ!

 

鈴は火影に抱きついていた。

 

火影

「鈴?」

「…ごめん、…本当にごめんね。私のせいで…」

火影

「気にすんなっつったろ?…よく頑張ったな」

「ぐすっ…うん…ありがと」

火影

「……あ~、ところで鈴、早くここを離れた方がいい」

「どうして?」

火影

「…どうやらパーティーはまだ終わりじゃねぇらしいからな」クイッ

「えッ?…!!」

 

火影が顔で差すとそこには先ほど倒した謎のISがまた空からやって来ていた。それも今度は複数。

 

「そ、そんな!」

火影

「こいつらは僕に任せて、早く下がれ」

「な、何言ってんのよ!あんた1人置いて…」

火影

「大丈夫だよ」

 

ドオォォォォンッ!

 

その時敵ISの一体が破壊された。破壊したのは、

 

海之

「……」

 

ウェルギエルを纏い、手に閻魔刀を持っている海之だった。

 

「あ、あの青いISってもしかして海之?あいつを一撃で!?」

火影

「そういう事だ。だからここは僕達に任せて下がってろ」

「…わかったわ。火影、負けたら承知しないわよ!」

 

そう言って鈴は出て行った。そして海之が火影の所に降りてきた。

 

火影

「やれやれ派手な登場だな。今さらノコノコ出てきて主役気取りかよ」

海之

「そういうお前も大丈夫なのか?傷を負ったみたいだが?なんなら下がっていて良いぞ。俺一人でも事は足りるからな」

火影

「そう言うなよ。俺(本気)にも付きあわせろって。それより……なぁ海之、やっぱあれって」

海之

「言うな。…分かっている」

 

火影と海之は何か考えていた。

 

海之

「…さてどうする?お前は下がっていて構わんが?」

火影

「へっ、悪いがそれは無理だな。このままじゃ気がすまねぇ。気晴らしだ。久々にパーっとド派手なライブといくか!!」

 

そして火影と海之は集団に向かっていった。

 

 

…………

 

その後は火影と海之による一方的な蹂躙だった。

ものの数分で集団は全滅した。その一方で二人は全くの無傷だった。戦っている途中でわかったが、やはり一夏の言う通り敵ISは無人機であり、人は乗っていなかった。

やがて虫の息となった最後の一体の頭部に火影はエボニーを向けて言った。

 

火影

「ビンゴ」

 

ドンッ!




※今回少し長くなりました。
ダンテと言えば「ジャックポット(大当たり)」ですが、今回の「ビンゴ」というのはアニメ版デビルメイクライのMission1のOPでのみ使った言葉です。こちらも結構好きです。
「ジャックポット(大当たり)」はまた何れ。そして二人の戦闘ももっと細かく書きたいです。

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