IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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火影・海之・千冬の元に突然現れた束とクロエ。その目的は先日の謎のISについての事だった。
千冬の思った通りあれは束が関わったものではなく、更に束も1年前にハッキングにあい、データの一部を奪われたらしい。
2人の話と見覚えがある謎のIS。それにある危機感を抱いた火影と海之は束に魔具のデータを渡し、完成させてほしいと依頼。束は喜んで引き受けるのだった。


Mission32 それぞれの休日

束との思わぬ再会から数日が経ち、今日は日曜日で学校は休み。加えてこの日は業者によるアリーナの整備と校舎内の一斉清掃の日でもあり、部活動もISの自主訓練も教職員の作業も全て禁止となっていた。

そんな訳で生徒の大多数は寮に残るか街に繰り出している。とはいえ島の半分以上を有するIS学園は本来女子高のため、島全体を通して男性は少なめだった。

そんな中…

 

 

島の某レコードショップ

 

火影

「……」

 

そこに火影はいた。

全体的に黒っぽい服で黒のブーツ。その上からは赤いロングコート。ダンテの頃の記憶だけでなく容姿もほぼ若い頃の彼そのままな事もあり、どうしても同じ感じの服になってしまう。そんな火影はあるレコードを探していたのだが…、

 

火影

(…やっぱりこっちの世界には無いか…。あの少女に願いを聞かれた時に頼めばよかったかな。…しっかし、ただレコードを探しているだけだっつーのにそんなに珍しいか?男がいる事が)

 

そう。ここでも火影は周りの女性の注目を集めていた。最も火影と海之、加えて一夏もかなり美形なので女性からすれば無理もないのかもしれない。

その時、

 

「火影!」

「ひかりん~!」

火影

「ん?ああお前らか」

 

それは鈴と本音であった。

 

火影

「どうした?お前らもレコード探しか?」

「違うわよ。本音と歩いていたら中にあんたがいたのが見えたから声をかけようって」

本音

「そ~そ~」

火影

「そうか」

(三人でよく一緒に飯を食ったりしてんのが関係してんのか、最近この二人よく一緒に行動してんな)

火影

「そういえば本音。お前部屋変わるんだろ?もう片付けは終わったのか?」

本音

「うん、もう一通り終わったよ~。ね~ひかりん~、本当にまたデザート食べに来て良い~?」

火影

「ダメっつってもどうせ来るだろ?」

本音

「正解~!」

「何あんた?部屋変わるの?」

本音

「うん。なんかまた明日転校生が来るからその子のためだって~」

「へ~そうなんだ…」

(これでハンデは無くなった訳ね!)

火影

「あとそういえば鈴。今日は休みなんだから一夏の所行かなくて良いのか?」

「ああうん。もうそれは良いのよ。あいつには今頃二人位付いてるしね。それに私は…」

火影

「ん?」

「な、何でもない!それよりあんた随分熱心に探してたけど音楽が趣味なの?」

火影

「まあな。これでも家の自分の部屋にジュークボックスを置いている位だぜ」

「へー、大きな部屋なのね。どんなの好きなの?」

火影

「結構なんでも聞いてるぜ。一番好きなのは…エレナ・ヒューストンの『Mermaid ROCK』と『It's my Rock'n'Roll』か」

「ごめん知らないかも。本音は?」

本音

「わたしも知らない~」

火影

「だろうな…。さてと、そろそろ昼だな。どっかで飯でも食うか」

「あ、それなら最近話題の中華レストランなんてどう?」

本音

「賛成~!」

 

そういって三人は店を出た。

 

(ねえ本音?)

本音

(ふぇ?)

(負けないからね♪)

本音

(!!…うん)

火影

「なにしてんだ。置いてくぞ」

鈴・本音

「「は~い」」

 

三人の休日が過ぎて行く…。

 

…………

 

所変わってこちらはとある喫茶店。

 

海之

「……」

 

そこに海之はいた。

普段から火影以上に訓練や勉学に余念がない彼も時には休息が必要である。そんな彼は今喫茶店でお茶を飲みながら読書をするのが趣味となっている。因みに彼も火影と同じく私服であり、内容は前世のバージルと同じく黒い服に青いロングコートという感じである。因みに彼もまた周りの女性の目を惹いていたが一切気にしていない様子だ。

 

「毎晩眠りにつくたびに私は死ぬ。そして翌朝目をさますとき生まれ変わる。 ガンジー」

 

海之

(生まれ変わる…か…。俺ほどこの言葉が当てはまる奴もいないかもな…)

 

転生者である自分自身が何よりもの証拠である海之はそう思っていた。

 

「海之」

海之

「?」

 

海之が顔を上げるとそこには千冬がいた。

千冬も普段のスーツでなく私服。ジーンズにハイヒール。黒い半袖の服にノースリーブの白い上着という感じである。

 

海之

「あっ、こんにちは織斑先生。どうしました?」

千冬

「ああすまん。家にいたら篠ノ之とオルコットが一夏を訪ねて来てな。邪魔になるのもなんだから外に出てきたんだが、窓からお前がいるのが見えてな。ここ良いか?」

海之

「どうぞ」

 

そう言うと海之は本を閉じ、千冬は海之の向かいに座って注文を取った。

 

千冬

「すまないな。折角の休暇を邪魔した様で」

海之

「気にしなくて良いですよ。…私服の先生初めて見ましたね。最初見た時印象が違うので分からなかったです。すみません」

千冬

「謝らなくて良い。普段はスーツだからな。似合わないのは自分でも分かってる」

海之

「そんな事ないですよ。良くお似合いです」

千冬

「あ、ありがとう。お前も良く似合ってるぞ」

海之

「ありがとうございます」

 

そんなやりとりをしていると、

 

「海之くん、織斑先生」

海之・千冬

「「ん?」」

 

そこには簪がいた。

 

千冬

「お前は…4組の更識か」

海之

「簪」

(更識?それが簪の苗字か。変だな、なぜ最初の自己紹介で教えなかった…ん?更識?聞いたことがある様な…)

「すみません。散歩してたら窓から見えたものですから…。あの、一緒にいいですか?」

千冬

「ああ構わん」

海之

「ああ」

 

そう言うと簪は千冬の隣に座り注文を取った。そして簪が海之に話しかける。

 

「あの…海之くん」

海之

「なんだ?」

「私の話…聞いてくれる?」

海之

「ああ」

「海之くん…この前言ってくれたよね?頼りたい時は頼れ、それも強さだって。実は…あの数日後に…整備室の皆にお願いしたの。「今まで御免なさい。どうか私に力を貸してください」って。…そしたらみんな「やっと頼ってくれたね。一緒に頑張ろうね」って言ってくれたの。凄く嬉しかった。目の前が開けた気がした。ほんの小さな勇気を出せばこんなに良い景色が見れるんだって」

海之

「そうか」

千冬

「良かったな。更識」

「はい。…それで…お願いなんだけど…海之くんも…力を…貸してくれない…かな?…ダメ?」

海之

「言っただろう?俺で役立つ事があれば力になると」

「!…ありがとう…」

千冬

「私もできる事があれば協力しよう。遠慮なく言ってくれ」

「ありがとうございます。織斑先生」

千冬

「それで来月のトーナメントには間に合いそうなのか?」

「えっと、おそらく今からでは間に合いそうに無いですね。でも良いんです。焦らずゆっくりやって行きます。歩く様な速さでしっかり」

千冬

「そうか。それで良い。頑張れ」

 

こちらも3人だけの時間が過ぎて行った…。




※エレナ・ヒューストン『Mermaid ROCK』『It's my Rock'n'Roll』
アニメ版デビルメイクライ、エピソード6より紹介です。
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