IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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シャルル・ラウラという転校生を迎えたこの日の一限目は一、二組合同によるISを使った実戦演習。
千冬が指示したのは一夏、箒、セシリア、鈴、真耶の五人を相手に火影と海之の二人という一見無茶な内容だった。だが千冬はそれでも勝負にならず、しかももし二人に勝てば自分にも余裕で勝てると断言。千冬のそんな言葉に衝撃を受けたラウラは自分も参加を懇願。考えながらも千冬はそれを受け入れる。
波乱を予感させる試合が始まろうとしていた。


Mission35 火影・海之 VS 一夏・箒・セシリア・鈴・ラウラ

千冬の試合開始の号令で空に飛び上がった七人。

火影はリべリオン、海之は閻魔刀を抜く。対峙する一夏達もそれぞれの近接武器を展開する。箒は刀。ラウラの機体はビームの爪の様なものである。

 

少しの沈黙が続いた後、海之がゆっくりと呟いた。

 

海之

「行くぞ」

 

シュンッ!シュンッ!

 

一夏達

「「「「「!?」」」」」

 

目の前にいた火影と海之が消えた。

 

「ど、どこだ!」ズシャッ!「ぐあっ!」

一夏

「箒!?」ザンッ!「うわあああ!」

 

突然二人がよろめいて吹き飛んだ!

 

「な、後ろ!?」

 

振り向くと先ほどまで正面にいた火影と海之がいた。

 

セシリア

「まさかあの一瞬で正面からすれ違って後ろから切りつけたというんですの!?」

「嘘でしょ!?」

ラウラ

「…」

(私にも全く見えなかった…)

一夏

「くっ!うおぉぉぉ!」

 

態勢を立て直した一夏がアラストルの機能を使って斬りかかって来た。

 

海之

「…」

 

ガキィンッ!

 

一夏

「受け止めた!?」

 

一夏もあれから訓練を続け、アラストルの機能を更に引き上げることができていた。しかし海之はそれを難なく見切って受け止めた。

 

海之

「アラストルをそこまで使いこなせる様になったか。上出来だ」

一夏

「そう言うなら当たれっつーの!」

「一夏!はあぁぁ!」

 

箒が一夏とは反対側から海之に切りかかる。しかし、

 

ガキィィン!

 

「!鞘だと!?」

 

右手で一夏の剣を受け止めていた海之は左手で閻魔刀の鞘を抜き、箒の剣を受け止めていた。

 

海之

「箒。お前とちゃんと戦うのは初めてだが筋は良いな」

「感心するのはまだ早い!」

 

一夏と箒は立て続けに剣を繰り出すが海之には届かない。そして海之が再び受け止めた時呟いた。

 

海之

「…円陣」

 

ビュビュビュビュビュン!ギュイーーーーン!

 

突然海之を中心とする様に幻影剣が円形に出現し、それが回転鋸の様に高速回転しだした。

 

「ぐわあぁぁぁ!」

一夏

「うわあぁぁぁ!」

 

その攻撃をまともに受けた二人のSEは大きく削られ、たまらず一旦距離を取る。

 

「ハア、ハア。くっ、一夏大丈夫か?」

一夏

「あ、ああ、何とかな。…くっそ、ここまでレベルが違うのかよ」

海之

「…」

 

海之は全く息を切らしていなかった。

 

 

同じ頃…

 

ガキィィィン!キンッ!ガキンッ!

 

火影のリべリオンと鈴の双天牙月が激突していた。

 

火影

「やるじゃねえか鈴」

「当たり前でしょ!でもあんた全然本気じゃないわね!こっちはとっくに全力なんだから!」

セシリア

「鈴さん!どいてくださいまし!」

 

ビュビュビュビュン!

 

鈴はその言葉で距離を取り、セシリアはビットを展開し火影に向かわせる。だが火影はそれを全てかわし、持ちかえたコヨーテでビットを狙い破壊した。

 

バンッ!バンッ!

ドオォォン!ドォン!ドォォン!!

 

セシリア

「!!」

火影

「セシリア。前に比べてビットの技術は上がったが、まだ教科書が抜けてねぇな」

 

その時、

 

ラウラ

「どけぇぇぇ!」

 

ラウラがビーム手刀を構えながら鈴を押しのけて迫ってきた。

 

「きゃあ!」

セシリア

「鈴さん!あなた何しますの!?」

ラウラ

「うるさい!こいつらは私が倒す!」

火影

「…」

 

火影は直ぐそこまで迫っていたラウラに向かい、リべリオンを振り上げて構える。

 

ラウラ

「そんな見え見えの攻げ」ドゴォッ!「グハァッ!…な、何!?」

 

見るとラウラの横腹に火影が蹴りを入れていた。

 

火影

「剣を振りかぶったからって必ず剣が来るなんて限らねぇぞ。覚えとけ。あと鈴にちゃんと謝れよ」

ラウラ

「くっ!」

 

ラウラも一旦距離を取る。接近戦が不利と思った三人は火影を囲む様に展開し、3方向からそれぞれの射撃兵装で攻撃を仕掛ける。鈴は龍咆、セシリアはスターライト、ラウラは肩の大型レール砲だ。

 

「食らいなさい!火影!」ズドンッ!

セシリア

「行きます!」ドギュンッ!ドギュンッ!

ラウラ

「くたばれぇぇ!」ズドンッ!!

 

それぞれの攻撃が火影にまっすぐ向かっていく。そして、

 

ズドオォォォォォン!!

 

やがて火影のいた所から激しい爆発が起こる。

 

ラウラ

「…ふんっ!口ほどにもないな」

「油断しちゃだめ!火影はこの程度で!」

セシリア

「……」

 

その時、

 

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!

ドガァンッ!ドォォォンッ!ドガァァンッ!

 

鈴・セシリア・ラウラ

「「「!?」」」

 

突然の激しい衝撃。

見ると三人の射撃兵装がそれぞれ破壊されていた。

 

ラウラ

「なっ!ばかな!?」

「一体どこから!?」

セシリア

「!上ですわ!!」

 

三人は上空を見た。そこには、

 

火影

「ヒット」

 

こちらに向けてエボニー&アイボリーを構える火影がいた。

 

「い、何時の間に!?」

セシリア

「しかもあの距離から拳銃で正確に私達の武器だけを破壊するなんて…」

ラウラ

「なんて連射だ…!」

 

ラウラは火影の正確な射撃と連射に信じられない様子だ。

 

「くっ、手加減するなって言ったけど少しは手抜きなさいよね」

セシリア

「鈴さん、それ支離滅裂してますわよ」

ラウラ

「…」

(くそっ!負けない!負けてたまるか!!)

 

 

同時刻、観客席

 

生徒達はほぼ全員がその試合を見て沈黙していた。圧倒的不利な状況である筈の試合が逆に兄弟のワンサイドゲームになっている現実に。

 

千冬

「…やはり思った通り、いやそれ以上の状況になっているな」

真耶

「まさかここまで一方的だなんて…」

本音

「ひかりんもみうみうも凄すぎるよ~」

シャルル

「…」

(あんな二人がいたなんて…、そして今まで知られてなかったなんて信じられない…。火影くん、海之くん…君達は何者なの…?)

 

 

アリーナ上空

 

一夏、箒と相対している海之。

 

海之

「…」

 

海之は突然手に持っている閻魔刀を鞘に収め、抜刀の構えに入った。

 

一夏

「刀を収めたぞ?」

「油断するな一夏」

 

キンッ!キンッ!キンッ!

 

海之は一見、刀をほんの少し抜くと直ぐ鞘に収めるという動作を繰り返した。

 

一夏

「なんだ?ほんの少し抜いただけ」ズガガガガッ!「うわああああああ!!」

「一夏!?」ズガガガガッ!「ぐああああ!!」

 

突然斬られた様な凄まじい衝撃を受けて二人は態勢を大きく崩し、再びSEが大きく削られた。

 

一夏

「うっ…くっ…」

「な、何だ今のは…?離れてるのにいきなり切られた様な感じがしたぞ…」

海之

「…次元斬」

「何?」

海之

「次元斬だ。超高速の抜刀で次元の狭間を切り、それによって生じた真空波で離れた相手を切るというものだ。射程距離は短いがな」

一夏

「な、なんだって!」

「そんな事が…」

 

そう。ほんの少し抜いただけに見えていた抜刀は目に見えない速度でしっかり抜かれていたのである。一夏と箒は海之の剣にただただ驚くしかなかった。

 

 

一方火影と戦う鈴達は自分達の射撃兵装が破壊されたため、やむを得ず接近戦を挑んでいたが全く好機を見いだせないでいた。

 

ガキィィィンッ!

 

やがてお互いに一旦距離を置く。

 

「ハア、ハア…」

セシリア

「一撃も当てられる気がしませんわね…」

ラウラ

「…くそっ!」

火影

「…さて、そろそろこいつのお披露目と行くか」

 

そういうと火影はリべリオンを背中に戻し、一見無防備となった。それを見て自分がなめられていると感じたラウラは激高した。

 

ラウラ

「!…貴様なめるなぁぁぁ!」

「ま、待ちなさいラウラ!」

 

ラウラは無視して突っ込み、火影にビーム手刀を振りかざす。

 

ガキィィィィンッ!

 

ラウラ

「!?」

 

ラウラは目を疑った。

火影の両手に突然燃え上がる籠手が出現し、攻撃を受け止めていたのだ。それは正に異形の姿で一見ドラゴンを思わせる様である、

 

火影

「おらぁ!!」

 

ドゴォォ!ボガアァン!

 

火影は籠手を装着した拳でラウラの腹部に凄まじいパンチを繰り出した。そして同時にそこから小規模な爆発が起こった。

 

ラウラ

「ぐぁぁぁぁぁぁ!!」

 

その衝撃によってラウラは大きく吹っ飛ぶ。

 

「なっ、炎の籠手!?もしかしてあれが新しい武器!?」

 

「イフリート」

火影(ダンテ)が前世で使っていた炎の籠手型の魔具で、ダンテの父スパーダの盟友とされる悪魔が魔具として変化したものだ。攻撃範囲は剣よりも落ちるがその一撃の威力と衝撃はリべリオンを超える。因みに前世では魔力による炎を用いていたが、こちらではSEを炎に変換している。

 

「近距離では剣と籠手。遠距離では多種多様な銃器。全く隙が無いわね…」

セシリア

「その通りですわ…」

ラウラ

「…くそっ!!」

 

こちらも火影の実力に何も言えなくなっている三人であった

 

 

同時刻 観客席

 

相変わらず生徒達の大部分は沈黙していた。

 

シャルル

「…すごい…」

千冬

「…空間を超えて斬る真空の刃。そして炎の籠手…」

真耶

「…もう言葉が出ません」

本音

「二人共かっこいい~」

千冬

「さて、これ以上やると次の授業に支障をきたすな。それにあの五人が心配だ」

 

そう言うと千冬は七人に演習の終了を命じた。

 

 

…………

 

暫くすると七人は降りてきたのだが、火影と海之以外は緊張の糸が切れたためか疲れがピークで碌に立てない状態だった。真耶がそれそれにスポーツドリンクを差し出していた。

 

火影

「おい、大丈夫か?」

一夏

「こ、これが大丈夫に見えるか…?」

「一撃さえも当てられないとは…」

「ほんとにどんだけ強いのよ…あんたも海之も」

セシリア

「わかってはいましたが…これほど迄とは…」

ラウラ

「……」

海之

「落ち込む事はない。一夏はスピード、剣速共に以前に比べて大幅に向上している。箒も剣術だけなら一夏より上だ。」

火影

「その通りだ。鈴、お前も一夏との試合の時と比べて龍咆の命中精度も剣の腕も上がってるぜ。セシリアも近接戦闘の腕が随分上がってるしな。あとボーデヴィッヒ。初めて戦ったが全体的な技術は一番高いな。すげえよ」

ラウラ

「……」

海之

「だが少し感情的になり過ぎだな。精神面ではレベルが低い」

ラウラ

「何だと!?」

 

ラウラはその言葉に憤慨するが、

 

千冬

「止めろボーデヴィッヒ!感情的になるな。今まさに海之に言われただろうが」

ラウラ

「!…わかりました、き、織斑先生」

千冬

「ふぅ…、皆の疲労が大きい様だから次の授業は少し時間を短縮する。良いな」

生徒達

「「「はい」」」

 

こうして実践演習は火影・海之の圧勝で終わったのであった。




アラストルに続き、イフリートを具現化しました。
DMC5のバルログと悩みましたがこちらの方がカッコいいと思うのと一応彼の父スパーダの盟友なので。
ネタばれになりますがもう一つの籠手型の魔具はDMC3より「ベオウルフ」です。これは後ほど海之の装備とする予定です
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