IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

46 / 270
訓練が終わって寮に帰るところだった火影は、その途中で一人の女性に出会う。気になって話を聞くと女性はある少女を探しているらしく、その少女は本当の自分を出せず苦しんでいるらしい。女性からその少女を探してほしいとお願いされた火影はやむを得ず引き受ける事に。
一方、海之は激しく口論する千冬とラウラに出会っていた。ラウラは千冬に自らの祖国であるドイツに戻って来てほしいと懇願するが千冬は相手にしなかった。出て行ったラウラの事が本当は心配だった千冬は海之に彼女の事を頼むのであった。


Mission38 海之の提案

火影が名も知らない女性、海之が千冬からそれぞれ依頼されて数日が経った。

来月のトーナメントに向けて今日も専用機持ち達は訓練に精を出している。

 

火影

「射撃で重要なのは相手の動きを読むことだ。立ってる的を狙ってるんじゃねぇんだからな。相手が動き続けている中で例え銃口が相手に向いてても当たる可能性はほぼ無いと思え。当たるまいとしている相手の動いている方向、目線、スピード等から次に相手がどこにいるかを予測しろ。幾らか無駄玉になっても気にすんな。寧ろけん制になって動きを制限できる。あと撃っている間は自分も動き続ける事を忘れんなよ。自分が的になるからな」

「なるほどね」

セシリア

「確かに私はブルーティアーズを操作している間は動けませんものね。早く改善しませんと…」

シャルル

「一夏は剣しか武装がないから銃の特性を良く知っておく必要があるね。実弾かレーザーかで特性に大きな違いがあるから」

一夏

「う~ん、確かにそっちが勉強不足だったかもな。俺の白式は剣しかないから如何に剣を当てるかばかり考えてた気がする…」

シャルル

「それも重要だけどね。でも瞬時加速は速い分直線しか進めないから読まれたら一瞬で不利になるんだよ。後…」

 

一方、海之は箒に説いていた。

 

海之

「箒。戦術において先手必勝という言葉があるがそれは忘れろ」

「何故だ?相手の先手を打つのは兵法の鉄則ではないのか?」

海之

「それは何が起こっても覆せるだけの力量と自信があればの話だ。それが無ければ時に思いもよらない結果を招く事になる。特にお前はその傾向が強い。クラス対抗戦の時の管制塔の件だったり、先日の俺との試合で一夏を助けようとして闇雲に斬りかかったりな。これは俺の予想だが、あの時一夏の事しか頭になかったのではないか?」

「!…」

海之

「やはりな。箒、一夏の力になりたいと思うのは良い。だが我慢も覚えろ。己を見失うな。何れ取り返しがつかない事になるぞ」

「…うん」

 

その時、

 

火影

「伏せろ一夏!」

一夏

「えっ!?」

 

ズダダダダッ!

ボガアァァァァァァン!

突然銃声と一発の爆発が起こった。

 

「な、何!?」

セシリア

「皆さんあれを!」

 

全員がその方向を見るとISを纏ったラウラがこちらに向けてレール砲を構えていた。

 

ラウラ

「……」

火影

「随分過激な挨拶だな」

「火影!何があったの今?」

火影

「あいつが一夏に向かってレール砲を撃ってきたんだよ。だから弾を撃ち落とした」

 

見ると火影の手にはアイボリーがあった。

 

シャルル

「レール砲の弾を撃ち落とすなんて…」

「貴様!なんのつもりだ!」

ラウラ

「…戦え」

「なに?」

ラウラ

「織斑一夏…私と戦え」

一夏

「…嫌だね。どうせトーナメントで戦うだろ」

ラウラ

「…ならば戦う様にするまでだ!」

 

ズドンッ!

ラウラが再びレール砲を撃って来た。だが、

ズダダダッ

ボガアァァン!

 

ラウラ

「!」

火影

「…」

 

砲弾は再び火影に破壊されていた。

 

セシリア

「なんて正確な精度ですの…」

火影

「まだやんのか?」

ラウラ

「当たり前だ!」

 

互いに銃を構えたその時、

 

海之

「火影」

火影

「ん?」

海之

「任せろ」

火影

「…わかったよ」

 

火影は下がり、海之が前に出た。すると海之がラウラに話しかけた。

 

海之

「ボーデヴィッヒ。一つ賭けをするか」

ラウラ

「何?」

海之

「俺にレール砲を撃ってこい。もし俺の身体にかすり傷一つでもつける事ができたら…、俺と火影は学園を出て行ってやる」

火影以外の全員

「なっ!?」

 

思いもよらない提案に皆が驚く。

 

一夏

「海之!お前何言ってんだよ!」

セシリア

「そうですわ!御二人がそんな事する必要はありませんわ!」

「そうよ!悪いのはあいつでしょ!」

「バカな事考えるな!」

シャルル

「海之!」

 

みんなが反対していたその時、

 

火影

「…心配ねーよ、みんな。あいつは大丈夫だ」

「でももし失敗したらあんたまで!」

シャルル

「火影…」

火影

「あいつを信じろ」

海之

「…だがもし失敗すれば、二度と先ほどの様な事はするな」

ラウラ

「…良いだろう!後悔するなよ!」

 

そういうとラウラは海之にレール砲の照準を合わせる。そして海之は閻魔刀だけを展開し、ラウラに向ける。

 

ラウラ

「?…刀だけだと?何故ISを出さん?」

海之

「使う必要もない」

ラウラ

「! 貴様あぁぁぁぁ!」

 

ズドンッ!

ラウラがレール砲を海之に向かって撃った。砲弾は真っすぐ向かっていく。

 

火影以外の全員

「海之(さん)!」

 

そして当たる瞬間、

キン!!

 

火影以外の全員

「!?」

 

全員が驚いていた。

砲弾は間違いなく当たった筈だ。だが当たった筈の砲弾が明後日の方向に飛んで行き、やがて爆発した。因みに海之は刀を向けたまま無傷だった。

 

ラウラ

「なっ!?」

一夏

「何があった!?」

シャルル

「今当たったよね!?」

火影

「ああ狙いは正確だった。だから外したんだよ。飛んでくる砲弾にギリギリ斬らない角度でそっと剣先を当て、弾道を変えたんだ」

「な、なんですって!?」

セシリア

「そんな事が…」

「あんなに柔らかく動く剣、見たことが無い…」

 

その後もラウラは海之を何度も狙うが全て結果は同じだった。

 

海之

「…」

ラウラ

「そんな、そんなばかな…」

 

やがてその騒動を聞いて教職員がやって来た。

 

職員

「君達、何をしている!」

海之

「時間切れだな。賭けは俺の勝ちだ。約束は守ってもらうぞボーデヴィッヒ」

ラウラ

「……」

 

ラウラは言葉を発する気力も無くなったのか、何も言わず去って行った。

 

一夏

「海之!大丈夫か!」

海之

「問題ない」

「もうハラハラしたわよ」

セシリア

「でも良かったですわ」

「ああ……」

シャルル

「火影も凄いけど海之も凄いね」

 

そんなやりとりをしているとアリーナの終了時間が迫って来ていた。

 

火影

「っと、そろそろ時間だな。今日はお開きにするか」

海之

「そうだな…。火影、少し話がある。みんなは先に帰っていろ」

一夏

「ああわかった」

シャルル

「火影、先に帰ってるね」

 

みんなはアリーナを出て行った。

 

火影

「んで、話って?」

海之

「…ボーデヴィッヒの事だ」

火影

「だと思ったぜ。お前があんな提案するなんて珍しいからな。んで、あいつがどうした?」

海之

「…お前は手出しするな。…それだけだ」

火影

「……あいよ」

 

火影は海之の態度に思う事があったようだが敢えて言わず、海之の提案を受け入れた。多くは語らずとも彼等は理解していた。それは正に兄弟の姿であった。

 

 

こちらは一夏達。

 

一夏

「しかしあいつらには度々驚かされるなぁ~。砲弾を撃ち落としたり刀で反らしたり」

シャルル

「うん…、そうだね」

「さすが火影と海之ね」

(……私にもあんな力があれば……)

セシリア

「箒さん、どうしました?」

「い、いや。なんでもない」

 

 

一方、海之との賭けで負けたラウラは、

 

ラウラ

「…」

(エヴァンス兄弟。…よくも、よくも恥をかかせてくれたな!必ず報いを受けさせてやる!覚悟しておけ!!)

 

想いそれぞれであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。