IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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来月行われるトーナメントに向けて火影達は鍛錬に励んでいた。
するとそこに一夏との戦いを望むラウラが現れ、レーゲンのレール砲で襲い掛かるが火影がそれを阻止する。
更に海之がラウラに「自分に攻撃を当てられれば自分達は出て行き、逆に当てられなければ今後一切向かってくるな」という賭けを提案。ラウラは賭けに乗って向かってくるが、海之はそれを簡単に撥ね退ける。
結果はラウラの敗北。しかしラウラは人知れず火影と海之への復讐を誓うのであった。

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Mission39 少年の真実

ラウラの襲撃があった翌日。

この日も訓練を行う予定だったので火影、海之、鈴、セシリアはアリーナに来ていた。シャルルは今日は疲れてるという理由から訓練には参加しなかった。箒は一夏と一緒にくると言っていたが…

 

~~~~~~~~~

 

その時火影の電話が鳴った。

 

火影

ピッ「はい。ああ箒か、どうした?……は?……ああそれは災難だな……。ああわかった。じゃあな」ピッ

「どしたの?」

火影

「ああ、箒からだったんだが…一夏が急に腹壊してダウンしたらしい」

セシリア

「一夏さんが!?大丈夫なんですの!?」

火影

「ああ。今日一日休めばよくなるとさ。今箒が世話してる」

(…しかし「あのサンドイッチの時間差攻撃か」とはどういうわけだ?)

セシリア

「! こうしてはいられませんわ!私も行きませんと!」

 

そう言ってセシリアは走って行ってしまった。残ったのは火影、海之、鈴の3人だけ。

 

海之

「…人数が少なくなってしまったな。今日は訓練は止めにしておこう」

火影

「そうだな。鈴もいいか?」

「しょうがないわね。あっ火影、もし良ければあんたの部屋行って良い?久しぶりにあんたのデザート食べさせてよ♪」

火影

「…なんかお前最近本音に似てきてねえか?」

「気にしない気にしない♪」

 

という訳で本日の訓練は急遽中止となった。

 

 

…………

 

火影と鈴は海之と別れ、火影の部屋に向かっていた。因みに鈴が久々だからと本音も呼び出し、今は3人で向かっていた。

 

本音

(ね~鈴~。ひかりんのデザート食べれるのは嬉しいけどなんで私も呼んでくれたの~?)

(う~ん勿論2人きりなら良かったんだけどね…。まあどうせシャルルもいるからそれは無理だし、折角なら大勢で食べた方が良いでしょ)

本音

(ありがと~)

火影

「シャルル~、入るぞ~」ガチャッ

 

そういって火影は扉を開けた。

 

シャルル

「……」

火影

「……」

 

そしてそこには先に帰っていたシャルルも確かにいた。いたのだが……。

 

「どうしたの火影?早く入って……えっ!?」

本音

「どうしたの~?……ほぇ?」

 

そこにいた全員が固まった。時が止まった気さえした。

部屋には確かにシャルルがいた。着替え中だった。だが身体付きが明らかに男子のものではなく……女性のものだった。

まず沈黙を破ったのはシャルルだった。

 

シャルル

「ひ、火影…、鈴…。き、今日訓練の筈じゃ…」

火影

「ああ、人数が少なくなって止めたんだ。…所でお前…」

「な、何あんた達向かい合って話してのよ!?ああそうじゃなくて火影!あんた一旦外に出てて!早く!」バタンッ!

 

そういうと鈴と本音だけが入り、火影は外に放りだされた。中でドタバタ騒いでいるのがドア越しに分かる。

 

火影

「ハァ…」

 

またまた一波乱ありそうな予感がする火影であった。

…数分後、部屋のドアが開いて本音が声をかける。

 

本音

「ひかりん~、もういいよ~」

 

そう言われて火影はようやく部屋に入れたのであった…。

 

 

…………

 

火影

「ほらお茶」

 

部屋には火影、鈴、本音、そしてシャルルの4人。火影は全員に茶を出した。火影は椅子に、鈴と本音は火影のベッドに、シャルルは自分のベッドにそれぞれ腰かけている。シャルルは暫く黙っていたが、やがて喋りだした。

 

シャルル

「…う~ん、まさかこんなに早くバレちゃうなんてね…」

「シャルル、あんた…」

シャルル

「そう、僕は…女の子。本当は男の子じゃないんだ…」

本音

「火影は知ってたの~?」

火影

「いや、知らなかった。……ただ、何か変だなとは思ってたよ」

シャルル

「え?」

火影

「転校してきたシャルルを見た時妙な感じがしてな。男子にしちゃやけに肩幅も狭いし顔つきも女っぽいし。でもこういう男もいるんだろうと気にしないでおいたんだが」

「う~ん、確かに言われてみれば男の子っぽい顔つきではないかも」

シャルル

「あはは、参ったな…初日から怪しまれてたんだ」

本音

「でもさ~、なんでシャルルンは男の子の格好なんてしたの~?」

シャルル

「シャ、シャルルン?」

本音

「うん、シャルルだからシャルルン♪」

シャルル

「シャルルンか、な、なんか可愛いな…。あっ御免、そうじゃなかったね。実は…」

火影

「…会社を救うためか?」

シャルル

「……えっ」

「火影、それどういう事?」

火影

「実は…シャルルが転校してきた翌日知り合いに調べてもらったんだ。シャルルの実家のデュノア社は今運営状況が芳しくない。各国が第3世代のISの研究・開発に差し掛かっている中、デュノア社は一回り遅れている。このままでは政府からの援助も断ち切られてしまうだろう。そこでデュノア社がどうするかだが、シャルルが女とわかって確信したよ。お前会社から男装スパイを命じられたな?目的は…一夏の情報か?」

鈴・本音

「!!」

シャルル

「……うん、そうだよ。世界初の男性操縦者である一夏と一夏のISの情報を探る。それが僕に与えられた任務」

 

シャルルは火影の言葉を認めた。

 

「そ、そんな!あんたデュノア社の社長の息子、じゃない娘でしょ!?なんであんたがそんな事やらされるのよ!?」

シャルル

「…それは…僕が愛人の娘だからだよ…。僕はある町でお母さんと一緒に暮らしてたんだけど、2年前にお母さんが死んじゃったんだ。僕がデュノア社の社長の娘だとわかったのはお母さんが亡くなる時さ。身寄りが無くなった僕を父は自分の責任として引き取ってくれたんだけど…、正直会社に居場所なんてなかったな。義母さんとも上手くいってないし…。一時は財産を横取りする泥棒猫なんて言われた事もあるよ。父は一応認知してくれているから庇ってくれたけどね…」

「そんな…」

本音

「…」

シャルル

「そんな時に父から命じられたんだ。IS学園に男子生徒として入り、会社のためにスパイ活動を行えという命令をね。でも…もうそれも失敗しちゃったから、この学校にはいられない。国に強制送還されて…良くて牢獄かもね…」

鈴・本音

「!!」

火影

「…」

 

鈴と本音は驚いている。火影はずっと黙ったままだ。

 

「なんであんたがそんな目にあわなきゃいけないのよ!あんたは何もしてないでしょ!?なにか…そ、そうだ!確かIS学園の特記事項に「本学園における生徒は、在学中においてありとあらゆる国家、組織、団体に帰属しない」というのがあったわ!つまりここにいる間は大丈夫って事じゃないの!」

本音

「そ、そうだよ~。それにシャルルンが女の子である事知っているのは本音達だけだし、黙っていれば大丈夫だよ~」

シャルル

「……」

 

その時火影が口を開いた。

 

火影

「…いや、二人共それは違う。確かに特記事項にはそうあるが、それでも完全とはいえない。国同士の約束なんて賄賂や裏情報なんかで簡単に崩れ去る。それに今は僕達しか知らないとしても何れバレるのは時間の問題だ。もし会社から帰還命令がきたらどうする?ISの調整とかいう名目でな。デュノア社の所属であるシャルルは帰還せざるを得ないだろう。例え行き着く先が牢獄だとしても」

本音

「そんな~」

「じゃあどうすんのよ…」

シャルル

「…」

 

シャルルはずっと黙ったままだった。そんなシャルルに火影は尋ねた。

 

火影

「シャルル、お前はどうしたい?」

シャルル

「…えっ?」

火影

「お前の事情はわかった。それでお前はどうしたい?」

シャルル

「…どうするも何も…会社の」

火影

「会社は関係ない。お前は、シャルル・デュノアはどうしたいんだ?」

シャルル

「…僕は…」

火影

「このまま会社の言いなりになるか?それが自分の運命と思って流されるか?それがお前の本心か?」

シャルル

「…」

 

黙ったままのシャルルに火影が声を荒げた。

 

火影

「…シャルル!!」

シャルル

「!……ぼ、僕だって、僕だって言いなりになんてなりたくないよ!でもどうすれば良いのさ!僕だって男の子のふりなんてしたくないよ!普通の女の子として過ごしたいよ!買い物もしたいし好きな事もしたい。女の子として恋だってしたいよ!!…でも、でも…どうしたら…」

 

シャルルは大粒の涙を流して言った。

 

鈴・本音

「シャルル(ン)…」

火影

「…それで良い」

シャルル

「…えっ?」

火影

「それで良いと言ったんだ。お前の願いは聞いた。…俺(本気)が何とかしてやる」

本音

「ほ、ほんとひかりん~!?」

火影

「信じろ。……それでシャルル、もう一つ聞きたいんだが」

シャルル

「なに?」

 

すると火影はメモを取り、急に筆談をしだした。

 

火影

(良いか?良く聞け…)




火影が突然筆談しだした理由とは?

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