IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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初めて番外編を書いてみます。
これは火影がシャルルの真実を知ってから襲撃があった日迄の間にあったお話です。


Extramission01 少年少女の休日

シャルルの真実を火影、鈴、本音が知った翌日。

この日は祝日で学園は休み。火影がどう過ごそうか考えていると一夏がメールで連絡してきた。

 

「新しい大型のゲームセンターができたらしいからたまにはみんなで集まって遊ぼうぜ!」

 

昨日腹を壊していた頃からしたら嘘の様な回復力である。しかし確かにこれまで休日を全員で過ごした事がない気がした火影は鈴、本音、そしてシャルルと共に約束の場所へ向かっていた。

 

「シャルル。一応女であることがばれない様気をつけなさいよ。あんたはまだ男の子ってゆう設定なんだから」

シャルル

「大丈夫だよ。ありがとう鈴」

 

因みに盗聴器付きのリボンは外してきている。

 

本音

「あ、もうみんなきてるよ~」

 

見ると一夏、箒、セシリア、そして海之がいた。

 

一夏

「おう来たか!」

火影

「一夏。腹の方は大丈夫なのか?」

一夏

「ああもうすっかり大丈夫だ!箒とセシリアが付きっきりで看病してくれたお陰でな」

「お、おう。礼には及ばん」

セシリア

「そうですわ。今後もこの様な事がありましたら遠慮なく言ってくださいね一夏さん!」

(…ハァ、誰のせいだと思ってる…)

一夏

「どうした箒?}

「い、いや何でもない。それより行くぞ!」

海之

「…行くか」

 

みんなでゲームセンターに入って行った。

 

 

…………

 

火影達が入った新しいゲームセンターは規模としてはかなり大きく、おまけに開業間もないということでかなり盛り上がっていた。

 

本音

「すごい人だね~」

シャルル

「離れない様気を付けないとね」

「ねー火影、手つないで貰える?離れちゃうと大変だし♪」

火影

「? ああ」

本音

「ひかりん~わたしも~!」

一夏

「じゃあシャルル、俺の手に…」

箒・セシリア

「!!」ガシッ!ガシッ!

 

気がつくと一夏の手は両側に箒とセシリアにつながれていた。

 

海之

「シャルル、掴まれ。逸れるぞ」

シャルル

「ありがとう海之」

火影

「ゲームセンターか。…こんなとこ来るの初めてだな」

海之

「そうだな」

一夏

「マジか!?お前ら人生の半分は損してるぜ」

「大袈裟すぎよ…。あ、あれ。本物のバイクを使ってやるレースゲームですって」

 

見ると本物のバイクに跨って行う最新レースシミュレーターゲームがあった。

 

火影

「バイクか…、暫く乗ってないな」

セシリア

「そう言えば火影さんはバイクが御趣味でしたわね」

「え?あんたバイクの免許持ってんの?」

火影

「ああ、バイクも持ってるぜ。僕のカスタムだ。キャバリエーレってゆう名前も付けてる」

「すごいな。自分で改造するとは」

一夏

「なあ折角だからやってみようぜ!」

 

という訳で火影、一夏、鈴がチャレンジしてみた。…結果は火影の圧勝だった。

 

一夏

「…どんだけ無茶な運転すんだよ…」

「本当よ…。壁を登って行くなんて…」

火影

「地面だけがコースとは限らねぇからな」

 

 

…………

 

次にみんなが目にしたのは射撃ゲーム。ただし拳銃で狙うタイプではなくスナイパーライフルである。

 

火影

「スナイパーライフルのシューティングゲームとは珍しいな」

セシリア

「これなら私も少し自信がございますわ!」

シャルル

「僕も少しは自信あるかな」

海之

「より正確な狙撃でできるだけ多くのターゲットを狙うというものか。火影、お前が出てしまうと圧勝で終わってしまう可能性があるから止めておけ」

火影

「う~ん、確かにな」

一夏

「火影が出ないなら俺も出るぜ!」

「私もやってみるか」

本音

「わたしも~」

「私は止めとくわ。さっきのレースで疲れたから」

 

という事で火影・海之・鈴以外のみんなでやってみる事にした。

…結果、セシリア、シャルル、本音、箒、大きく離れて一夏 という順だった。

 

「私もだがお前は特に情けないぞ一夏!」

シャルル

「う~ん、ちょっと余りにも当たらなさすぎだね…」

本音

「おりむ~、へたっぴ~」

セシリア

「次回から避け方だけでなく使い方もお教え致しますわ」

一夏

「お願いします…」

 

 

…………

 

次にみんなが見たのはパンチングマシーン。ただし一発ではなく連打力、更にどれだけ正確に打ちこむかが鍵となる物である。

 

火影

「これは格闘か。ちょうどいい海之、ひとつ勝負しようぜ」

海之

「…いいだろう」

一夏

「二人の対決か~」

本音

「すごい対決の予感~」

「とくと拝見させてもらおう」

シャルル

「な、なんかみんな凝視してるね…」

セシリア

「それはそうですわ。あの御二人ですから」

「二人共頑張って~」

 

そして火影と海之の対決が始まった。

…その結果、

 

火影・海之以外の全員

「……」

 

全員開いた口が塞がらなかった。。…あまりの衝撃の連鎖で壊してしまったからだ。

 

火影

「脆いマシンだな」

海之

「全くだ」

火影・海之以外の全員

「いや違う(います)から!!」

 

全員の声が響いた。

 

 

…………

 

「あれはクレーンゲームか?」

シャルル

「大きいクレーンゲームだね」

 

それは一回り大きいクレーンゲームであった。中に入っている商品はヒーロー物やロボットアニメのフィギュアや超合金だ。

 

本音

「ここはわたしにまかせて~」

セシリア

「のほほんさんお得意ですの?」

本音

「うん、まあね~。かんちゃんの付き添いでいつもやってるし~」

一夏

「かんちゃん?」

 

そういうと本音は見事な操作であっという間に数体のフィギュアを獲ってしまった。

 

海之

「ほう、すごいな本音」

本音

「えっへん!」

 

 

…………

 

その後もゲームで思い切り遊んだ一向は何時の間にか昼になっていたので昼食を取る事にした。

 

一夏

「そういえば近くに馴染みの店があるんだ。行こうぜ!」

 

一夏についていくとそこは「五反田食堂」という看板が掲げられた正に大衆食堂と言って良いものだった。一夏が先導して中に入る。

 

一夏

「こんにちは~」

女性

「いらっしゃい…ってあら一夏くん。久しぶりねぇ。それに鈴ちゃんも!」

「お久しぶりです。おばさん!」

女性

「ほんとねぇ。あらあらお友達みんなで来てくれて嬉しいわ~。えっと八人ね。こちらにどうぞ。あっ弾と蘭を呼ぶわね。弾~、蘭~、一夏くんよ~」

 

女性はそう言うと奥の厨房に入って行った。その入れ替わりで同い年位の男子が入って来た。

 

同い年位の男子

「お~、久しぶりだな一夏!それに鈴も随分久々じゃねーか!おまけにこんな綺麗どこまで一緒とは。くぅ~羨ましいぜ!俺もIS動かせたら今頃はって…あんたら双子の男子か!?おまけにもう一人!?」

火影

「火影・藤原・エヴァンスだ。宜しくな」

海之

「海之だ。一応俺が兄になる。宜しく」

シャルル

「シャルル・デュノアです。宜しくね」

「宜しくな。一夏と鈴の幼馴染で五反田弾だ。弾って呼んでくれ」

 

そういうともう一人同い年位の女子が入って来た。

 

同い年位の女子

「!い、いらっしゃい一夏くん。あと…鈴さんもお久しぶりです」

一夏

「おう。久々だな蘭」

「お久しぶりー。元気だった蘭?」

「は、はい。元気です。あっ他の方々も初めまして。五反田蘭です」

 

それぞれ自己紹介していると先ほどの女性が人数分の水を持って現れた。

 

女性

「さて、何にしましょう?」

一夏

「ここの名物は業火野菜炒めだぜ」

セシリア

「豪華?…なんだか凄く立派そうなお名前ですね」

本音

「じゃあわたしそれ~」

 

他のみんなも折角だからと名物を注文する事にした。

 

女性

「はいはい業火野菜炒めを八つね。一緒だと助かるわね~。業火野菜八つ~!」

 

女性がそう言うと奥から男性と思われる返事が来た。多分その人が作っているのだろう。

 

女性

「繰り返しだけどみんなで来てくれて嬉しいわ~。おまけにみんな美男美女ばかりじゃないの。ねぇ弾?蘭?」

「なんで俺達に言うんだよ」

セシリア

「美女だなんて。奥様はお上手ですわね♪」

シャルル

「び、美女…」

本音

(シャルルン~)

シャルル

(はっ!ご、ごめん)

火影

「美男か…。前はクールで決めてたがこっちではそっちを重視してみるか」

海之

「止めておけ」

「い、一夏さん。学校生活はどうですか?」

一夏

「色々難しいけど楽しいぜ。最初は男子は俺一人だけかって焦ったけど火影も海之もシャルルもいるからな!」

「そうですか。良かったですね」

一夏

「おう!」

「…」

 

一方弾が鈴にこっそり話かけてきた。

 

(なぁ鈴。お前一夏へのあの告白の返事はどうなったんだ?)

(へっ?何であんた知ってんの?)

(大衆食堂の情報網をなめんなよ。それで?)

(ああそれはね)

(詳しくはMission25をお読みください)

(……ああ、その…色々不運だな)

(もう良いのよ。ああいう事もあるんだと良い経験になったわ。それに今は…)

 

鈴の目線は火影に向いていた。

 

(どうした?)

(なんでも♪)

 

一方箒も蘭に話しかけていた。

(あの、すまん。蘭と言ったか?違っていたら悪いんだが…その、お前…一夏を?)

(!!…あの、言わないでくださいよ。…はい。…箒さんもですか?)

(!…ああ)

(そうですか…箒さん、私負けるつもりはありませんから♪)

(なっ!?…ふふっそうだな。私も負けん!)

(じゃあライバルですね♪)

(そうだな♪)

一夏

(?なんだ二人共向かい合って笑って。もう仲良しになったのか?)

 

やがて人数分の業火野菜炒めが運ばれ、みんなで食事を取る事になった。折角だからと弾と蘭も一緒に。数日後にあのような事が起こるとも知らず、今はただ休日を満喫する八人であった。




たまにはこんな平和なものもあって良いかと思いました。

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