IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
かつて力を追い求め、その結果世界を危機に陥れた事もあるバージルはそんなISの世界に行く事を躊躇う。
そんなバージルに少女は「あなたは力に囚われなかった。あなたは変わった。そんな者も確かにいる。どうか守ってほしい。」と心からの願いを伝えるのだった。
((……))
少女のこれまでに無い表情と訴えにふたりは言葉を失っていた。
(こいつこんな気持ちを秘めていたのか…。さっき知り合ったばかりだが…ふざけていながらも時には思い切った事をする。ふっ、つくづくアイツに似てるな…)
「まぁやっぱりそうならないのが一番だけどね!♪(ニコ)だから……」
そう少女は言うとダンテに近づき、耳元でなにか呟いた。
「!?」
「……いいだろう、引き受けてやろうじゃないか」
「お前…」
「まぁいいじゃないかバージル。こいつの言う事を信じる限りISってのは普段スポーツなんだろ?命に関わる事なんて極めて少ないだろうし。そうなった時はその時だ。それにいざお前が言うの様なバカが現れた時は俺たちが止めてやれば良いさ。それに新しいルールでケンカするのも悪くないしな!」
「…全く何時までガキなんだお前は。……だがまぁそれも一興か……ふっ、そういえばケンカの勝敗カウントは同点のままだったな。新しい世界で決着をつけるとしようか」
「あぁ!」
「決定ね♪」
こうしてダンテとバージルはISの世界に行くことを決めたのであった。
…………
「さて。そういえばさっき言ってた俺達の専用の機体だっけか?どういった物になるんだ?」
「それについては向こうに行ってからのお楽しみ♪因みにこれがあなた達の機体の待機状態よ。普段はこういったアクセサリーみたいな状態なの。装着を願えば使えるようになるわ。多分あなた達なら簡単に使いこなせる筈♪というかあなた達以外使えそうもないからね」
((これが……))
ふたりが少女から渡されたのはふたつのアミュレット。
ダンテの物は銀の縁が掛かった物。バージルは金の縁が掛かった物であり、中央に赤い宝石が埋め込まれていた。
「何か他に希望する事はある?今ならあとひとつぐらいつけてあげるよ♪」
「つってもなぁ。ISとやらに関しては行ってから勉強するしかないだろうし…。あぁ、この際だから覚えを良くしてくれるか?久々の勉強だからな」
「自分で覚える気にならんのか全く」
「うるせーな」
「まぁそれ位なら簡単ね。でバージルは?」
「俺は……そうだな……、「魔具」の設計図が欲しい」
「魔具って…昔あなた達が戦いで使っていたアレ?」
「そうだ。あれは本来悪魔の力によって生み出していた物だが、これから行く世界には存在しないのだろう?だったら生み出すのではなく造れる様になっておきたい。念のためにな」
「OK!じゃあ時期を見てあなたの所に届くようにしておくわね!」
「感謝する」
「どういたしまして。さて、これで全て終りね!じゃあ二人とも…良い旅をね!」
パチンッ!
ゴゴゴッ!!
少女が指を鳴らすと門が大きい音をたてて開いた!
「んじゃあ~、行くか~」
「あぁ」
かくしてふたりの新たな旅は始まる。憎しみでも腐れ縁でも無く、兄弟の旅として。
(……にしても驚いたぜ。まさかあいつが合言葉を知っていたなんてな。デビル・メイ・クライの合言葉を…。なんでだろうな?……)
(……ダンテ、また会えて良かった…。昔の私のボディーガードさん♪)
次回はふたりの説明です。