IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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火影・シャルロットペアと海之・簪ペアによる決勝戦。
しかし試合開始直後に謎の襲撃を受ける。それは巨大で機械造りの蜘蛛の様なあまりにも異形な存在であった。
火影と海之は自分達で撃退すると千冬達に進言。シャルロットや簪も協力を志願する。ラウラの協力もあって撃退に成功し、とりあえず一安心する一同。しかし火影(ダンテ)と海之(バージル)には気になる事があった。

「あれは似ている…。奴の配下に…」


Mission51 自分にできる事

タッグトーナメント決勝戦は謎の襲撃者の乱入という思わぬ形で中止となった。襲撃者を撃退した火影達は今食堂で休憩を取っている。ついでに本音も加わって。

 

火影

「やれやれ。まさかあんな事になるなんてな」

シャルロット

「でも被害も大したこと無くて良かったよね。なんとか倒す事もできたし」

本音

「そーそー。ひかりんもみうみうもシャルルンもかんちゃんもみんなカッコよかったよ~!」

「ほ、本音!」

一夏

「だけど結局優勝とかは無くなったみてぇだな。まぁ無理もねーけど」

「うむ…」

「それにしてもどこから来たのかしらあいつ。まるで突然降って来たように見えたけど…」

セシリア

「そうですわね。先生方も接近に気付かなかったと仰っていましたし…」

海之

「……」

「海之くん?」

海之

「ああすまん。なんでもない」

「?」

 

彼らが会話しているその一方で女子達が集まって何やら話している。

 

「優勝…無くなった…」

「ということは…あの約束も無効…」

「そんな~…」

 

なにやら酷く落ち込んでいる。

 

火影

「…なんだあいつら。それに約束って…優勝したら何かあったのか?」

セシリア

「え、えっとですね…」

「う~んと~…」

シャルロット

「簪は知ってる?僕ちょうどその時色々あったから知らないんだ」

「ううん、私もトーナメント用の機体の調整で忙しかったから…」

本音

「わたしも~」

 

その時一夏が箒に話しかける。

 

一夏

「ああそういえば約束で思いだした。箒。お前のあの約束、守っても良いぜ。付き合う事」

「…へっ!?」

セシリア

「!!!」

シャルロット

「そ、それってまさか!?」

本音

「ほえ?」

火影・海之・鈴

「「「……」」」

一夏

「いやだから付き合っても良いって…ぐあ!」

 

一夏のその言葉を聞くや否や箒は一夏の胸倉を掴んで近づけた。

 

「本当か!本当だな!?」

一夏

「あ、ああ。優勝はできなかったけど幼馴染の頼みだからな。それ位聞いてやるさ」

「そ、そうか!やっと、やっと分かってくれたか!!」

一夏

「ああ付き合うさ、買い物位」

 

…………沈黙。

 

ドゴッ!

 

一夏

「ぐほっ!!…な、なんで…」

バタンッ

 

見事に箒のアッパーが顎に決まり、一夏は気絶してしまった。

 

「…期待した私が馬鹿だったわ!フンッ!先に部屋に戻る!」

 

そう言うと箒はさっさと行ってしまった。

 

「…えっ?えっ?」

シャルロット

(…鈴。一夏ってさ。わざとじゃないよね?)

(であればみんな今頃苦労してないわよ。箒もセシリアも、前の私も)

セシリア

「ほっ…」

火影・海之・本音

「「「ハァ…」」」

 

その時真耶が入って来た。

 

真耶

「織斑くん火影くん海之くん!朗報…ってどうしたんですか織斑くん!?」

火影

「ちょっと天罰が当たっただけです。それより朗報って?」

真耶

「そ、そうですか。で、では。喜んでください。とうとう男性陣もお風呂が解禁されました!」

火影

「そうなんですか。良かったな海之。お前は風呂派だもんな」

海之

「余計な事は言わんで良い」

真耶

「今日は本当は違うんですが、二人共闘いの疲れを取ってほしいという事で特別に使えますから是非入ってくださいね。お湯も新しくしますので」

火影・海之

「「ありがとうございます」」

 

 

…………

 

その日の夜、大浴場にて。

あの後気絶からさめた一夏にも事情を説明し、三人は風呂に入っていた。

 

一夏

「いたた、まだいてぇよ。ったく箒の奴約束守るって言ったのになんであんなに怒るんだよぉ。おまけに今も不機嫌だし…」

火影・海之

「「ハァ…」」

 

今日はえらくため息が多い二人。

 

一夏

「まあ折角の風呂なんだからそれは置いといて堪能するか。…にしてもお前ら、髪下ろしたら本当に目の色しか違わねぇじゃん」

火影

「…このリアクション何回目だろうな?」

海之

「さあな」

一夏

「そういえば二人ってスメリア人と日本人の夫婦に育てられたんだよな。どんな人だ?」

海之

「…そうだな。良い人だったよ」

一夏

「だったって…?」

火影

「…死んだんだ。9年前の飛行機自爆テロに巻き込まれて」

一夏

「!…悪い…」

火影

「気にすんな、もう過ぎた事だ。因みに一夏の両親ってどんな人なんだ?」

一夏

「う~ん、実は知らないんだ」

火影

「…?」

一夏

「俺と千冬姉の両親は俺が赤ん坊の頃に突然いなくなったらしいんだ。だからどんな人なのかもわからない。千冬姉も話したがらないからな」

海之

「…」

火影

「こっちこそ嫌な事を思い出させちまった」

一夏

「気にすんなって。俺には千冬姉もいるし。他にも良くしてくれる人がいるからな」

火影

「そうか。良かったな」

一夏

「ああ。ところで今の話を聞いて思ったんだが…、二人が三ヶ月前の旅客機の事故を防いだのはもしかしてそういった理由で?」

火影

「ん?ああ、飛行訓練していたらたまたまあの旅客機が落ちそうなのに出くわしてな。気付いたらそうしてた。今思えば無茶したもんだなと思ってるよ」

一夏

「でもすげえよ。下手すりゃ自分達の命が危なかったかもしれねぇのにさ。俺ならとても無理だ」

海之

「…それで良いんだ」

一夏

「えっ?」

海之

「俺達にしかできない事がある。そして、お前にしかできない事もある。お前はお前ができる事を精一杯やれば良い」

一夏

「俺にしかできない事…?」

火影

「その通りだ。そしてそれはお前にしか見つけられない。とは言っても焦ろうとすんなよ?ゆっくり探せば良いさ。…さて、僕はそろそろ上がるぜ」

海之

「俺も出るか…。じゃあな一夏」

一夏

「……」

 

一夏はそれからも暫く考えていた。

 

 

…………

 

翌日、SHR。

 

一夏

「…………」

 

一夏はのびていた。

 

セシリア

「どうしましたの一夏さん?」

一夏

「…気にすんな…ただの湯疲れだ…」

火影

「どんだけ浸かってたんだよお前」

一夏

「約2時間…」

シャルロット

「そりゃふやけちゃうよ…」

海之

「ハァ…」

 

そこに千冬と真耶が入って来た。

 

千冬

「みんなおはよう。昨日は思わぬ事態が起こったため、みんなさぞ驚いた事と思う。先のクラス対抗戦に続いて今回の不祥事、学園の人間としてただただ申し訳ない。学園としては引き続き更にセキュリティを固めていくつもりだ。そして同時に如何なる事態が起こっても、全員が慌てずしっかりとした対処と行動ができる様更に励んでもらいたい。いいな!」

生徒達

「「「はい!」」」

真耶

「頑張ってくださいね。さて、では授業を始めて行きますがその前に皆さんに一つご報告があります。…では入って来てください」

 

ガラッ

扉を開けて一人の生徒が入って来た。

 

生徒達

「「「!」」」

一夏

「あっ…」

火影

「……」

海之

「…ボーデヴィッヒ」

ラウラ

「……」

 

入って来たのはラウラだった。

 

千冬

「ボーデヴィッヒが全員に伝えたい事があるそうだ。話して良いぞ、ボーデヴィッヒ」

ラウラ

「はい。…みんな本当にすまなかった。これまでの罵詈雑言そして暴力まがいの数々。どうか…許してほしい。これからは心を入れ替え、クラスメートとして一緒に頑張って行きたいと思う。私の事は今後名前で呼んでほしい。どうか宜しく、お、お願いします」

 

そう言うとラウラは頭を下げた。それを見て生徒達は、

 

「宜しくねラウラちゃん♪」

「最初はちょっとこわかったけど、もう気にしなくて良いよ」

「仲良くしようね♪」

 

ラウラ

「あ、ありがとう…。あと、織斑一夏。お前には転校初日から悪い事をした。すまなかった」

一夏

「あ、ああ。もう良いって。宜しくなラウラ」

ラウラ

「ああ宜しく。そしてオルコット、お前にも酷い事をしてしまった。どうか許してほしい」

セシリア

「…もういいですわ。皆さんが許しているのに私だけ許さない訳にはいきませんもの。あと私も名前で構いませんわ」

ラウラ

「わかった、セシリア」

千冬

「…ボーデヴィッヒ。一番謝らないといけない者がいるだろう?」

ラウラ

「わかっています。教官」

 

そう言うとラウラは海之に近づき、

 

ラウラ

「海之。お前には本当にすまない事をした。そして今の私がこうしているのもお前のおかげだ。…ありがとう」

海之

「気にしなくて良い」

ラウラ

「だから…私は決めた」

海之

「? 決めたとはな…!」

千冬・真耶・生徒

「「「!!!」」」

 

ラウラは海之に口付けていた。そして、

 

ラウラ

「お前を私の嫁にする!これは決定事項だ!異議は認めん!」

海之

「……俺は男だが?」

生徒

「「「普通に返したー!」」」

 

するとラウラは今度は火影を指さして言った。

 

ラウラ

「それから我が弟よ!」

火影

「……もしかして僕の事か?」

ラウラ

「当然だろう。お前は私より年上らしいが海之は私の嫁だ。お前が海之の弟なら私にとっても弟だ!だが様々な点でお前は姉である私より優れている。宜しく頼む。あと私を姉上と呼べと言いたいところだが名前で良いぞ!」

火影

「…はは。ああ宜しくラウラ。あと…頑張れよ、海之」

海之

「ハァ…」

千冬

「ボーデヴィッヒ!バカな事言ってないで早く席に着け!」

 

今日も騒がしい一日が始まる。

 

 

…………

 

束の移動研究所

 

一方その頃、火影と海之から魔具の設計図を受け取り開発を依頼されていた束は開発を進めていたと同時に、ラウラのVTシステムやタッグトーナメントに出てきた謎の物体についても既に知っていた。

 

「…一体何なんだろうねあれは?あんなブッサイクな物もISというなら造った奴の美的感覚を著しく疑っちゃうね。と言ってもあれからもコア反応が感知できなかったし、もしかしたらちーちゃん達が言ってたバッテリーで動いていたってゆう奴と同じなのかもしれないね。全く腹立つ話!

あとあのVTシステム!この束さんが造ったISになんて事してくれてるんだろね。仕返しにドイツからコアぶん盗ってやろうか?…でもちょっと気になるのはあのすぐ後にVTシステムを造ってた研究所が木端微塵に吹っ飛んじゃったことだね~。ドイツの馬鹿どもが必死でもみ消して世界には知られてないけど…もしまた同じことしたら束さんが世界中をジャックしてリークしてやる!

さて、ムカつく話はそろそろ置いといてひーくんとみーくんの依頼を再開しますか♪

改めて見るとやっぱり凄いね~。特にあの「デビルブレイカ―」だっけ?拡張領域に入れておくのでも展開する訳でもなくグローブみたいに腕に付けるだけなんだものね~♪」

 

~~~~~~~~~

すると束の電話が鳴った。

 

「はっ!この呼び出し音を登録している相手はこの全宇宙でただ一人!」バビューンッ…ピッ「はいはいひねもす~!みんなのアイドル、束お姉さんだよ~!ずっと待ってたよ~!」

「…姉さん」

「何もいうでない妹よ!分かってるよ!箒ちゃんの考えている事は「1+1=2」という答え位分かってるよ!力が欲しいんだね!いっくんと一緒に戦うために!既に準備してあるよ~♪」

 

はたして箒の依頼とは?





原作では風呂イベントでしたがどうも苦手で書けませんでした。ごめんなさい。
魔具ではないですがデビルブレイカ―も出します。

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