IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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これはトーナメントが終わってから食堂で過ごすまでにあったお話です。

UAが30000到達しました!ありがとうございます。


Extramission02 双子 脅す

IS学園会議室にて。

 

「どうか君達の話を聞かせてほしい!」

「おい!あんた達だけずるいぞ!」

「私が先だ!飛行機を待たせてるんだからな!」

「ねぇ女の私が先でしょ!?」

 

火影・海之

「「……」」

千冬

「…すまん二人共…」

真耶

「ごめんなさい…」

 

一体何でこうなったのかというと時は数分前に遡る。

トーナメント決勝にて謎の機体を破壊した火影達は医務室で検査を受けていた。だが全員たいした怪我等もなかった事もあって必要以上の検査を受ける事も無く、僅かな検査で火影と海之は解放された。シャルロットと簪はもう少しかかるそうだ。その間火影と海之は千冬に報告に行こうとしていた所、今回の騒ぎに巻き込まれた。

質問しているのは海外から視察やスカウトに訪れた客人達。先ほどの騒ぎで一目散に逃げていたのだが、無事解決したとわかるとすぐに戻って来ていた。その狙いは火影と海之であるのは言うまでも無い。二人は心底迷惑そうであった。

 

火影・海之

「「……」」

 

「頼む!君たちのISを見せてくれ!」

「いや是非私の国に来てくれ!最高の待遇を約束しよう!」

 

彼らの勢いは収まる気配は無かった。

 

千冬

「…二人共、気にしなくて良いぞ。これは」

火影

「良いですよ」

千冬

「!?火影!」

真耶

「火影くん!?」

 

そう言うと火影は自身のアミュレットを外して見せた。

 

男性1

「おおこれが君のISか!」

火影

「ええ好きなだけ調べてください。ただひとつ条件があります」

男性1

「何かね!報酬なら幾らでも」

 

すると火影は言った。

 

火影

「今ここで調べてほしいんです。あなた方の端末で」

男1

「えっ?今ここでかね?」

火影

「ええ」

 

ある男性は火影の意外な言葉に少し驚いた様子だ。それを聞いた別の男が言った。

 

男性2

「では私がやろう!飛行機を待たせてるんだ!」

 

そういうと男はそのアミュレットを奪って隣の小部屋に移動した。

 

千冬

(火影…、どういうつもりだ?)

火影

(……)

 

 

…………

 

数分後。男が出てきたのだが、

 

男性

「………」

 

何故か酷く落ち込んで帰って行った。しかも自分の端末を放っておいて。

 

千冬

「…なんだ?」

真耶

「な、なんか酷く落ち込んでおられましたね…」

 

火影

「さて…。次は何方か御調べになりますか?」

女性

「では私が!」

 

そういうと次はある女がアミュレットを調べ出したのだ。

そして数分後、

 

女性

「…………」

 

女は先の男と同じ様にが顔色悪く帰って行った…。

その様子に流石に他の連中も少し動揺しているようだ。

 

真耶

「い、一体なんなんでしょうか…?」

海之

「山田先生。その端末を調べてみてください」

真耶

「えっ!で、でもよその方の端末を…」

海之

「大丈夫です。もういらないみたいですから」

真耶

「う~…、で、では。えっと…!?」

千冬

「山田先生、どうしました?」

真耶

「…無くなってます。データも、HDDも、プログラムが全て消滅しています…」

客人達

「「「!!」」」

千冬

「なんだと…?」

 

するとアミュレットを再び首にかけ直した火影が言った。

 

火影

「そうそう。言い忘れてたが、俺(本気)とこいつのISはちょっと変わった機能があってな。無理にアクセスしようとすっと、アクセス側に自動的にウィルスを送りこむんだ。アクセス側にあるデータを文字通り根こそぎ、きれいさっぱり消滅させるウィルスをな」

男性

「なっ!?」

海之

「お前達は運が良い。もしこいつを国や会社のコンピュータで調べていたらほんの2、3分でウィルスが蔓延していただろう。中枢にまで入り込み、下手すれば国の存亡に関わっていただろうな」

女性

「そ、そんな…」

火影

「因みにこのウィルスを止める手立てはねえ。いったん流れてしまったら全てを食いつくす。後に残るのはただの置物だ」

 

その言葉に客人はみんなすっかり沈黙してしまった。そこに更に火影が追い打ちをかける。

 

火影

「折角だ。もう一つ良い物を見せてやるよ」カッ!

 

そういうと火影はアリギエルの腕部分だけを展開し、

 

火影

「先生。何か刃物ありませんか?はさみとかカッターとか」

千冬

「…!お前まさか」

火影

「実際見せるのが一番説得力ありますから」

千冬

「…ハァ、確かにな。ほら」

 

そういうと千冬は部屋の机の引き出しからカッターを取り出して火影に渡した。そして火影は、

 

ブスッ!

それを自らの腕に刺した。

 

客人達

「「「!!」」」

 

みな声を失っていた。とても信じられないという表情だ。

 

火影

「見ての通りだ。こいつは普通のISじゃねえ。ある意味最悪の失敗作だ。あんたらこんな物造りたいと思うか?」

 

火影の言葉はある意味正しかった。通常のISなら身体を貫通する事等ありえない。これは今は人間とはいえ火影(ダンテ)や海之(バージル)だからこそ扱えるものであって、他の者では全く使えないだろう。まさにある意味究極の失敗作だ。

 

海之

「お前達はこんな危険な物を歳場も行かない少女に使わせる気か?」

客人達

「「「……」」」

 

もはや何も言えなくなっている。

 

火影

「あと俺達のISはよそと違って国の所有じゃなくて俺達の所有物だ。つまり手に入れようと思えば俺達から奪うしかねえ。最もそうなったら…当然対応はさせてもらうがな?」

海之

「実力行使以外にも…人質をとって交換という手段も考えられるが、もし俺達の大切なものに手を出せば…。話はこれで終わりだ」

 

そして、

 

火影

「消えな」

海之

「失せろ」

客人達

「「「……」」」

 

火影と海之が昔の悪魔も怯むその目で睨みながら言うと、全員何も言わず顔面蒼白で出て行った。千冬と真耶も二人の様子に言葉を失っている様だ。

 

千冬・真耶

「「……」」

 

海之

「…」

火影

「ふう~。やっと静かになったな。…どうしました先生?」

千冬

「…お前達…本当に海之と火影か…?随分雰囲気が違ったが」

真耶

「すすす、凄い迫力でした…。こここ、怖い位に…」

海之

「大したことはありません。ああいう連中が嫌いなだけです」

火影

「だから少々脅しをかけました。多分もう大丈夫でしょう」

千冬

「…だろうな。あそこまで黙ってしまっては。しかし束位の技術力がなければ解析できないというのはそういう訳か」

火影

「ああでも、もし僕達の大切なものや学園のみんなに本当に手を出してきたら、本気で潰すつもりですけどね」

海之

「ええ」

千冬

「…お前らが言うと冗談に聞こえん」

真耶

「ほんとうです~…」

 

その時シャルロットと簪が入って来た。

 

シャルロット

「…すみません!遅くなりました!」

「…あの、ここに来る途中なんか大勢の人が力無く帰っていったんですけど…なにかあったんですか?」

火影

「気にすんな」

海之

「大したことは無い」

シャルロット・簪

「「?」」

 

シャルロットと簪は不思議そうだった。




※一瞬だけダンテとバージルに戻ったような二人の回でした。

このウイルスに名前をつけるとすればDMCウイルス、或いはDD(Devils・Die)ウイルスという感じでしょうか?

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