IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
一方束は千冬にVTシステムと先日の謎の襲撃者について説明していた。多くの謎が残る中、束は来週の臨海学校に自分も行くと宣言。また千冬は悩むのであった。
※お気に入りが200に到達しました!ありがとうございます。
私事により、次回数日後になります。
束が千冬に電話してから数日後。この日は日曜である。
そんな休日の昼のとある喫茶店。
カランカランッ
火影・海之
「「……」」
そこに火影と海之が入店してきた。
休日をどう過ごそうか考えていた二人は、とりあえず先程一夏に電話してみたのだが。
一夏
「火影か?今日はちょっと千冬姉と山田先生の買い物に付き合わなきゃいけないんだ。折角電話してくれたのに悪いな!」
そう言って電話は切れた。その様子から二人はそっとしておこうと思い、それ以上の電話はしなかった。因みに鈴達も用事があるらしく電話は繋がらなかった。だから二人は馴染みの喫茶店に来たのである。因みにカウンター席だ。座った途端二人は、
火影・海之
「「いつもの」」
そうマスターに伝えた。すると男性のマスターは無言で冷蔵庫からストロベリーサンデーとあんみつを出し、二人に差し出した。
火影
「?やけに早いな」
マスター
「そろそろ来られる頃だと思いまして」
海之
「……昨日から待ってたわけではなさそうですね」
マスター
「当然です」
馴染みの店というだけあってマスターもタイミングを掴んでいる様である。と、
カランカランカランッ!
また喫茶店の扉が開いた。
?
「あ~涼しい~!」
?
「ずっと外あるいてたもんね~」
火影・海之
「「?」」
火影と海之は声に聞き覚えがある様な気がしてそっと振り向いた。すると、
シャル
「そういえば一夏荷物持ちだったよほとんど。でもあんまり嫌そうじゃ無かったね」
鈴
「何だかんだ言ってやっぱり一夏は千冬さん大好きだからね」
本音
「しののんもセッシ―も手伝ってあげてたし~、少しは助かるんじゃない~」
ラウラ
「なるほど、あれが禁断の姉弟愛というものか」
簪
「いや違います!」
思った通りやはりみんなだった。彼女達は火影たちとは離れた席に座ったために気づいていない様だった。邪魔してはいけない様な雰囲気だったので二人もそのままにしておく事にした。因みに二人とも私服だが夏のためかいつものロングコートではなくジャケットである。それも気付かない原因のひとつだろうか。
ラウラ
「しかし疲れたな…」
鈴
「でも可愛らしいものが見つかってよかったわね」
簪
「うん」
本音
「せっかくだからラウラン試着すればよかったのに~」
ラウラ
「いや、その、なんだ。汚れては困る…」
シャル
「ふ~ん。もしかしてお披露目は海之にって事かな~?」
ラウラ
「だ、断じて違うぞ!」
何やら自分達の名前も出ているが引き続きそっとしておく二人。とその時、
バンッ!
いきなりドアが勢いよく開かれ、黒づくめの男達が入って来た。
男1
「おまえら!動くんじゃねぇぞ!!」
男2
「大人しくしろ!!」
客達
「きゃあ!」
「うわぁ!」
シャル達
「「「「「!!」」」」」
男3
「やかましい!!」
見ると外にはパトカーが来ていた。警察官がスピーカーで話しかける。
警察官
「お前達は完全に包囲されている!大人しく出てこい!」
男2
「うるせえ!」
ズダダダダダッ!
男の一人が銃を撃ってきた。
警察官
「くっ!」
男1
「逃走用の車を持ってこい!もしできなければ人質の命はねえぞ!」
話の内容からどうやら逃亡中の強盗犯の様であった。
男2
「ちっ!まさか籠城とはな!おいお前ら!抵抗すんじゃねえぞ!」
客達
「「「……」」
ラウラ
「くっ、客さえいなければ制圧できるのだがな…」
IS操縦者であるシャル達、特に軍人でもあるラウラにとってこんな強盗を抑え込む事は実はそれほど難しくは無いのだが他の客の安全を考えるとうかつに行動できないでいた。
そんな中…
男3
「…ん?」
男がカウンター席の奥を見るとカウンター席に座る二人の男が全く表情を変えておらずに引き続き食事をしていた。マスターも表情を変えずにグラスを拭いていたのだが、それ以上に男は二人の男が気に入らなかった様だ。その男とは勿論、
火影・海之
「「……」」
男1
「おいお前ら!頭を伏せろ!」
しかし二人は全く相手にしていない様に見える。その様子に男達のいらつきはピークに達し、二人に銃を向けて近づいてきた。
男2
「おいお前ら!聞いてるのか!?」
火影・海之
「「……」」
しかし二人は構わず食事をしている。
男3
「お前ら!バカにしてんのか!?」
バリンッ!バリンッ!
男はそう言うと二人の前にあったストロベリーサンデーとあんみつを払いのけた。
火影・海之
「「……」」
男1
「早く頭を下げろ!」
チャキッ!
そして男が銃を火影に向けようとした。その時、
ジャキッ!
男1
「な!?」
それよりも早く、火影の右手にあったエボニーが男の眉間を捉える。
火影
「…どうしてくれんだよ、俺(本気)のストロベリーサンデー…」
男1
「!!」
男は火影のその声と迫力に何も言えなくなっていた。
男2
「て、てめえ!」
そう言うと別の男が火影に銃を向けた。しかし、
スッ!
男2
「!!」
海之
「…」
海之の左手の閻魔刀が男の首に当てられた。
海之
「…食事は神聖なものだ。そして近距離では剣の方が早い。覚えておけ」
男2
「ヒッ!!…」
こちらの男も戦意喪失した。
鈴
(火影!)
ラウラ
(海之!)
男3
「く、くそ!お前来い!」
本音
「きゃあ!」
男は直ぐ近くにいる本音を人質にして銃を向けた。
簪
「本音!」
男3
「静かにしてろよ!こいつの命が惜しければな!」
それを見た火影は、
火影
「…」
本音
「ひ、ひかりん…」
男3
「抵抗するなと言ってんだ!」
火影
「…」
男3
「は、早く頭を下げろ!」
火影
「…」
火影は無言で自らの殺気を隠さず相手に向けた。それにやがて男は酷く怯え始める。
男3
「な、な、なんだよ…。早く頭を下げろって…!」
火影
「…」
だがそれでも表情ひとつ変えること無く無言のまま殺気むき出しの目で睨み続ける火影。やがて男は火影の殺気に負けたのか、狂いだした様な声を上げだした。
火影
「…失せろ」
男3
「う、うああああ…」
男は自然に崩れ落ちた。それにつられて本音も倒れようとするが火影が支える。
火影
「大丈夫か?」
本音
「う、うん。ありがとう…」
男達の最大の不運。それは強盗に失敗した事よりたまたま逃げ込んだ店に二人がいた事かもしれない…。
…………
その後、彼らは店を出て帰路についていた。火影と海之は店の修復の弁償を申し出たがマスターは断固受け入れず、逆に感謝されてしまった。
簪
「一時はどうなるかと思ったけど、海之くんと火影くんのおかげで助かったね」
ラウラ
「うむ。流石は私の嫁と弟だ。私ももっと鍛えなくては」
本音
「ひかりんもみうみうもかっこよかったよ~」
海之
「大したことは無い」
鈴
「でもあの店のマスターも堂々としてたわね。全然怯んでなかったし」
火影
「ああなかなかの人だよ。店主である自分が怯んだら店を守れないからだとさ」
シャル
「でも二人共本当に凄いね。僕達何もできなかったし…」
火影
「気にする必要ねぇよ。寧ろ僕達が変わってんだ。お前らは何も悪くない」
海之
「その通りだ。もしまたあの様な事があれば、俺達が守ってやる」
鈴・シャル・本音・簪・ラウラ
「「「「「……」」」」」
一瞬女子陣は赤くなって沈黙した。
火影
「…どうした?」
シャル
「う、ううん!何でもない!…あっ、そうだ!二人共時間あったらちょっと付き合ってくれる?」
…………
シャル達に連れられて二人がやって来たのはとあるクレープ屋だった。
火影
「ここか?」
本音
「そ~だよ~」
シャル
「すいませ~ん、ミックスベリーってまだありますか~?」
店主
「ああごめんなさい。ミックスベリー味はもう品切れなんですよ~」
鈴
「あちゃ~そっか~…」
簪
「やっぱり幻なんだね」
ラウラ
「残念だ…」
その時海之が店の中を見回して言った。
海之
「……小ぶりのサイズはできるか?」
店主
「はいできますよ」
海之
「ではストロベリーとブルーベリーを小ぶりで5つずつ頼む」
店主
「…お客さんやるねぇ」
暫くして出されたそれは少女達に渡された。
簪
「あ、ありがとう」
鈴
「でもなんでこの二つ、しかも小ぶりサイズなの?」
海之
「普通のサイズだと大きいだろう?ミックスベリーを食べるには」
本音
「ほえ?」
火影
「…ああ、そう言う事か」
シャル
「どういう事火影?」
火影
「ストロベリーとブルーベリーを合わせて食ったらミックスベリー味になるだろ?」
鈴
「えっ?…あっ」
ラウラ
「なるほど」
海之
「店内のメニュー覧には無かったからな。だからこの方法しか無かった。すまない」
簪
「メニューに無い?…あっ…だからあの噂…」
火影
「噂?」
簪
「う、ううん!何でも!」
すると本音が火影に話しかけてきた。
本音
「ね~ひかりん~」
火影
「なんだ?」
本音
「わたしのストロベリー、一口あげる~」
それを聞いた他の少女達も、
鈴
「火影。私のも一口あげるわ」
シャル
「僕のも」
簪
「海之くんも良かったら、一口どうぞ」
ラウラ
「お前は私の嫁だ。遠慮する事はないぞ」
その様子に少し戸惑い気味の火影と海之ではあったが、
火影
「なんかよくわからんけど…まあさっきストロベリーサンデー途中だったから、んじゃありがたく」
海之
「…礼を言う」
そう言うと二人は一口ずつクレープを食べた。
…しかし二人は知らなかった。この行動が彼女達にとって大きな意味になる事を。
鈴・シャル・本音・簪・ラウラ
「「「「「♪♪」」」」」
みんな笑っていた。
火影・海之
「「?」」
オープニングはアニメ版のエピソード5より。
バージルの好物が全くわかりませんでした。和食好き設定の海之に合わせてあんみつにしました(汗)