IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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臨海学校二日目に起こった突然の事態。それは米軍とイスラエル軍が共同開発したISが突如暴走し、自分たちの所に急接近しているというものだった。対応を検討していると箒が自分と一夏で止めると言いだす。一夏もその気になり、ISは二人に任せる事に。
しかし実は隠された真実があった。暴走して去ったと思っていたISは実は以前出現した謎の黒いIS群に連れ去られていたことが判明。更にそれと同じと思われる黒いISが100機以上で向かって来ているらしい。全員が対応に困る中、火影と海之は自分達で殲滅すると断言。2対100という一見絶対的不利な戦いが始まろうとしていた。

UAが40000に到達致しました!ありがとうございます。


Mission60 暗雲を払う双子

米軍とイスラエル軍が例の黒いISの集団に襲われたという事実を一夏・箒以外のメンバーが知ってから約15分。ここは花月荘から約200km程離れたとある海の上。

 

火影・海之

「「……」」

 

そこにアリギエル、ウェルギエルを纏った火影と海之がいた。花月荘に向かって来ているIS群を迎撃するために。

 

千冬

「海之、火影。間もなくIS群が視認できる距離に入る」

火影・海之

「「了解です」」

「火影!もし死んだりなんかしたら…、絶対許さないからね!」

火影

「大丈夫だ鈴。安心しろ」

シャル

「二人共絶対、絶対勝って!」

火影

「心配すんなシャル。任せとけ」

セシリア

「御二人の御無事をお祈りしていますわ!」

火影

「サンキュー、セシリア」

「海之くん!」

海之

「簪か」

「海之くん…ごめんなさい。私、海之くんや火影くんにいつも守られてばっかり…」

海之

「気にしなくて良い。お前は何も心配するな」

「海之くん…」

ラウラ

「自分の嫁の力になれないとは…。私は自分が情けない」

海之

「大丈夫だ。ラウラ」

「二人共!頑張ってね♪」

火影

「はは。でもそれ位気楽にしてくれた方がやりやすいです」

真耶

「二人共頑張ってください…。あっ、織斑くんと篠ノ之さんも先ほどISと接触したそうです」

火影

「そうですか。あいつらも上手くやってくれるといいが…」

海之

「二人を信じよう」

火影

「ああ」

千冬

「…二人共。必ず生きて帰ってこい」

火影・海之

「「はい」」

 

ピッ

 

火影

「なあ海之。どっちが多く倒せるか競争しねぇか?」

海之

「本当にお前という奴は…。まぁいい、付き合ってやる」

火影

「…しかし奴ら、何故あのISを捕まえたりしたんだろうな?しかも折角捕まえたのに何もせずに放すとは」

海之

「さぁな…。用がすんだらもう必要無くなった、という訳かもな」

火影

「調べる?…まぁ今はそんな事考えても仕方ねぇか」

海之

「そしてもう一つ。なぜ奴らは花月荘に向かっているのか」

火影

「確かにな…。何かを狙っているのか。普通で考えれば束さんか。彼女は世界中から狙われているからな。もしくは…」

海之

「…その話は後だ。来たぞ」

 

よく見るとまだ遠い場所にISらしい群れが確認できた。大まかに見ただけだが確かにかなりの群れである事は確認できる。

 

火影

「何年振りだろうな?俺ら二人でこんな状況になんのは?」

海之

「俺達がクリフォトの根を断つために魔界に降りていた時位ではないか?」

火影

「もうそんなになるか…。その間地上はあいつに任せてたし、帰ってからお前は直ぐに旅に出たしな」

海之

「ああ。…思えばあいつにはすまない事をした。だが今回はあの頃とは違う。今の俺達は…俺達の守るべきもののために戦う」

火影

「ははっ、確かに。さて先手必勝といくか!」

 

そう言うと火影はイフリートを、海之はベオウルフを展開し、長く力を込めた。

 

火影・海之

「「はあぁぁぁ…はっ!!」」

 

イフリートから火球メテオが、ベオウルフからは光弾ゾディアックが放たれた。

 

ドオォォォォォォン!ドオォォォォォォン!

 

「「「!!」」」

 

通常より長くチャージされたそれは普通より威力が大きいものになり、今ので軽く5、6機は破壊されたようだった。そしてその破壊と同時に敵も二人に気づき、襲い掛かって来た。

 

火影

「いかれたパーティーの始まりか!」

海之

「…行くぞ」

 

ドドドドドドドドドドッ!

 

前にいるIS達が二人に向かってライフルを撃ってきた。しかしそれを二人は難なくかわし、イフリートとベオウルフを敵腹部に打ちつける。

 

火影

「おらぁ!」

海之

「はっ!」

 

そのまま押し進んで複数の敵を巻き込み、そのまま今度はアッパーで上空まで登る。

 

火影・海之

「「ライジングドラゴン!!」」

 

ドガガガガガガガガン!

 

二人は敵達の上空まで上がり、今度はそのまま急降下する。

 

火影

「でやぁ!」

ドゴッ!ボガアァァァァァァン!!

 

火影は拳を敵に叩きつけ、周囲に爆発を起こす。その爆発に何体か巻き込まれた。

 

海之

「おぉぉぉぉぉ!!」

ズドドドドドドドン!!

 

海之は以前ラウラ戦で見せた急降下からの流星脚を放った。やはりこちらも多くが巻き込まれる。

 

「「「……」」」

 

敵ISは二人の起こした爆煙で居場所を見失っているようだ。その時、

 

火影・海之

「「おぉぉぉぉぉ!!」」

 

ズドドドドドドドドッ!!

 

「「「!!」」」

 

煙の中からリベリオンと閻魔刀を前に付きだして火影と海之が突進してきた。突然の事態に敵は慌てふためく。

 

火影

「でりゃあ!」

 

ブン!

シュバババババ!

ズガガガガガガガガ!!

 

「「「!!」」」

 

火影はリベリオンをブーメランの様に高速回転させながら敵に繰り出す。敵は堪らず距離をとる。だが、

 

ズドドドドドッ!

ズガガガガガガガガ!!

 

「「「!!」」」

 

逃げた先の上空に展開された幻影剣が雨の如く襲いかかった。敵は袋のネズミだった。

 

ブンブンブン…パシッ!

 

火影

「さてと、準備運動はこれくらいでいいか」

海之

「ああ。…今迄でもう41潰したがな。お前が20、俺が21だ」

火影

「しっかり数えてんのかよ!まぁいいや、勝負はこれからだ!」

 

そして二人は敵の群れに向かって行った。

 

 

…………

 

同時刻 花月荘 仮指令室

 

束以外の全員

「「「……」」」

「いや~初めて間近で見たけどやっぱすごいね~♪前よりまた強くなってるね二人共!動きもキレキレだね!もはやあれは機械じゃなくて人間の動きだね~♪」

セシリア

「いくら御二人が強いとはいえ、100機もの敵を相手にここまで一方的だなんて…」

シャル

「信じられない…。しかも二人共全くダメージを受けてないよ…」

「本当に凄すぎよ…。でもカッコいいじゃん、二人共」

「うん。海之くんも火影くんも……本当にヒーローみたい」

ラウラ

「流石は私の嫁と弟だ」

千冬

「……」

(米軍とイスラエル軍、さらに最新型のゴスペル。それらが束になって挑んでも勝てなかった奴らを、たった二人でこうも簡単に…。余りにも戦い慣れすぎている…。海之、火影。お前達は本当に何者なんだ…)

真耶

「先輩!篠ノ之さんから連絡です!織斑くんの白式による零落白夜が失敗しました!これより戦闘を継続し、再度零落白夜を挑むとのことです!」

千冬

「なに!?二人は大丈夫なのか!?」

真耶

「あと一回位はいけるとの事です。それが失敗した場合、戦域を離脱するとの事です!」

千冬

「…くっ」

セシリア

「一夏さん…箒さん…」

 

 

…………

 

場所は戻って火影と海之。

 

海之

「アレだけは言うなよ!」

火影

「心配すんな、まだ言わねぇよ!」

 

二人曰く準備運動が終わってからはお互い調子を更に上げ、蹂躙が続いていた。その様子はまるで鏡に映った様な動きで振り向き様に剣を振れば互いの後ろにいた敵を切ったり、剣を前に突き出して高速で突きを決めたりと一切の無駄が無かった。やがて残りは僅かとなった。

 

火影

「…さてっと、そろそろあいつを使ってやるか。久々に暴れたいだろうしな」

 

そう言うと火影はリべリオンを収納した。それを見て敵の一体が正面から向かってきた。そしてぶつかる瞬間、

 

ドスッ!

「!」

 

見ると腹部に短剣かナイフの様なものが刺さっているのが見える。更に、

 

「!」

 

アリギエルの手に拳銃でもショットガンでもない、巨大なランチャーがあった。そして

 

火影

「行きな!」

 

ボシュッ!

ボガァァァァァン!!

 

突然飛び出してきたミサイルが短剣が刺さっていたISを跡かたも無く大破した。更に、

 

ボシュッ!ボシュッ!ボシュッ!

ボガァァン!ドガァァン!ボガアァァン!!

 

追撃のミサイルが他の敵を追尾、撃破した。

 

火影

「へへ、威力は鈍ってねぇな。しかも前は連結しないと使えなかったビーム砲までサービスしてくれるとは」

 

カリーナ・アン・ランチャー

かつて火影(ダンテ)の仲間が使っていた多目的ミサイルランチャー。名前はその仲間の母親の名から来ている。使い回しは決して良くはないが一発の威力は非常に高い。多目的だけあって多弾頭や数種類の弾を使えるだけでなく、SEを消費してビームを打つ事も出来る。

 

一方海之の方も問題無く戦闘を進めていた。そんな中、敵の一体が海之の後ろから襲いかかろうとしていた。しかし、

 

ジャキッ!

ズドドン!

ボガン!!

 

「!」

 

敵ISの頭部が吹っ飛んだ。見るとウェルギエルの手にはふたつの銃口、そして銃身に青い薔薇が描かれているリボルバー型の一見変わった拳銃が握られていた。

 

海之

「…まさか俺がこんな物を使うとは…。だが…折角のあいつからの贈り物だ。たまに気が向いたら使ってやるか…」

 

ブルーローズ

かつて海之(バージル)に縁がある者が使っていた回転式大型拳銃。二つの銃口というありえない構造をしているという理由から、同じくありえない青い薔薇の名を付けられた。二つの銃口から繰り出される弾丸が全く同じポイントに刹那の時間差でぶつかる事で抵抗を限りなくゼロにし、威力を大きく高めている。

 

海之

「…もう一つの方はどうするかな。…いずれ機会があればな」

火影

「お!お前もようやく銃の素晴らしさが分かったか」

海之

「馬鹿をいうな。こいつ以外使うつもりはない」

火影

「へへっ。さて、いつの間にか残りはあいつら二体だけだな。今のカウントは?」

海之

「49と49だ」

火影

「マジか…しゃあねぇ、今回も決着はつかずだ。最後はお互いアレで豪快に決めようぜ」

海之

「…いい迷惑だな全く」

 

そうしていると残り二体のISは二人に向かってきた。二人はそれぞれの敵にエボニー&アイボリー、そしてブルーローズを向けて、

 

ジャキッ!ジャキッ!

 

火影・海之

「「JACKPOT!」」

 

ドギュン!ドギュン!

ガガガンッ!!

 

それぞれが放ったビームが残った二体も跡かたも無く大破した。米軍とイスラエル軍、そしてゴスペルでもたちうちできなかった100機のIS群を二人はほんの10分足らずで殲滅したのであった。

 

火影

「ふぅ」

海之

「なんだ疲れたのか?俺はまだやれるぞ」

火影

「ちげーよ。少し腹減った」

 

~~~~~~~~~~~

 

千冬からの無線だ。

 

千冬

「二人共大丈夫か?…本当によくやってくれた」

海之

「平気です」

火影

「どうって事ないです」

「火影!本当に心配ばっかかけて!!」

セシリア

「でも本当に良かったですわ…。御二人とも御無事で」

シャル

「本当に…、本当に良かったよぉ…」

「海之くん…早く帰って来て…ゆっくり休んでね」

ラウラ

「嫁をいたわるのが亭主の役割だ。今日は存分に甘えてくれて良いぞ」

「束さんは全然心配してなかったよ~♪しかも二人共また新しい武器を使えるようになったみたいだね!」

「そういえば火影くんのはミサイルランチャーで、海之くんには変わった形の拳銃だったね」

火影

「ああ、それは帰ってから説明するよ」

「帰ったらとっておきのデザート作ってもらうわよ!私達全員にね!」

火影

「へいへい」

千冬

「…本当に良かった…」

海之

「…先生。一夏と箒はどうなりましたか?」

千冬

「あ、ああそうだったな。それが」

真耶

「!せ、先輩大変です!織斑君が!」

千冬

「どうした?…!! すまん二人共、疲れている所悪いが急いで戻って来てくれ!」

 

ピッ

そう言うと通信は切れた。

 

火影

「…海之」

海之

「…どうやら、まだ終わりでは無い様だな…」

 

二人は急いで花月荘に戻った。そして負傷した一夏とやや顔面蒼白ぎみな箒と再会したのはそれからわずかであった。




※某キャラクターの銃、ブルーローズは海之(バージル)に逆伝授されました。もうひとつに関してはまた後日です。
銃を持たないバージルがと思われるかもしれませんがこういうのもありかと思いまして。

次回更新、少し遅れます。すいません。

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