IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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黒いIS群。そしてシルバリオ・ゴスペルの襲来をなんとか退けた火影達。そんな彼らの前にゴスペルの操縦者、ナターシャ・ファイルスがお礼を伝えるために現れる。火影は彼女にゴスペルに乗っている間に何があったのか覚えていないか尋ねると彼女は「男の声が聞こえた様な気がする」と伝える。それを聞いて考える火影と海之。そして彼等とは別の所で謎の声が発されていた。


Mission64 夏季休暇に向けて

臨海学校が終わって数日が経った。

知っての通りIS学園は基本的にはISに関する事を学ぶ学校だ。しかしそんなIS学園もやはり学校には変わりなく、数学や国語、科学や社会科、英語や倫理等の普通科目もある。そしてもちろんテストもあるわけで。彼等は一学期最後の期末テストを終え、その結果を受け取った所であった。その結果はというと…、

 

一夏

「…なぁ、箒?」

「…なんだ一夏?」

「…って言わなくても何んとなく聞きたい事わかるけどね~」

セシリア

「私もわかりますわ…」

シャル

「僕も…」

火影

「やっぱここでも海之がトップか~。しかもマイナス1点だけとは」

 

そう。海之はここでも前の学校と同じ様に全生徒でトップ。しかも全教科の内一つだけを除いて全て満点であった。ISの技術に関する筆記テストもあったがそれも当然。更にこれに関しては火影も満点であった。

 

海之

「不覚をとってしまったな…」

「そんな事無いよ!こんな点取れる人なんて普通いないよ!」

ラウラ

「そんなに凄いのか?」

本音

「そうだよ~!」

一夏

「逆にマイナス1点の科目が何なのか知りたいぜ!」

海之

「音楽だ。俺はその方には疎いからな」

シャル

「それでも1点…」

「火影はあんまり驚かないのね」

火影

「僕は小学校から見てきたからな。後で分かったんだがIS学園の前の本来の志望校の試験でも満点から2点マイナスだっただけだし」

「…凄いな」

一夏

「なぁ、もうテストの話すんの止めようぜ?なんか疲れた…」

 

赤点をなんとか阻止できた位の結果だった一夏の疲れはなかなかだった。

 

セシリア

「そうですわね。では夏季休暇の話でもしましょうか」

一夏

「そうだな!…あっそうだ忘れてた。夏季休暇と言えば、もし都合が合えば火影と海之がスメリアの家に泊まりがけで招待してくれるんだってよ。みんなどうする?」

少女達

「「「………えっ?」」」

 

みんな暫く沈黙してから反応した。中でも火影と海之に好意を抱く少女達は慌てた。

 

シャル

「ほ、本当火影!?」

「一夏!そんな大事な事なんでもっと早く言わないのよ!」

本音

「わ~い!ひかりんとみうみうの家~!」

ラウラ

「嫁の実家に御招待か…。良い響きだ」

「……」

 

只一人簪は黙っていた。

 

「?どうした簪」

「う、うん。私は…もしかしたら行けないかも…」

シャル

「厳しい親なの?」

「ううん。そんな訳じゃないんだけど…」

海之

「……」

 

海之は少なからず簪の事情を知っていたので難しいのだろうと思った。

 

海之

「無理しなくて良い簪。問題が解決してからでも遅くない。いつでも来れば良い」

「…うん。ごめんね海之くん」

火影

「土産たくさん持ってきてやるよ。あと来月の末には簪の武器も渡せるからな」

「ありがとう火影くん」

一夏

「セシリアと箒はどうする?」

セシリア

「そうですわね。行ってみたいですわ。スメリアは初めてですから」

「私は…地元の祭りの前なら行けるな」

シャル

「地元のお祭り?」

一夏

「ああそうか。みんな知らなかったんだっけ。箒の地元の神社では毎年来月の中頃に夏祭りがあるんだ。しかも箒が神楽舞をやるんだぜ」

「い、一夏!」

本音

「へ~、すごーい」

海之

「神楽舞か…。確か母も若い頃に剣舞をやっていたと言っていたな」

「女の人で剣舞?」

海之

「珍しいだろう?だが腕は確かだった。武家の生まれだったからな。俺の剣の師匠だった人でもある」

一夏

「海之の師匠ってことは相当強い人だったんだな」

ラウラ

「……」

火影

「どうしたラウラ?」

ラウラ

「…いや、みんな家や家族があるんだなと思ってな…」

「ラウラ…」

 

思い出した。ある種人造人間の様な存在であるラウラには帰る家もなければ自分を生んでくれた母や父もいないという事を。

 

ラウラ

「?…何だ?私は何も気にしていないぞ。ドイツに戻れば仲間もいる。それにここにはみんなが。…何より嫁や弟もいるからな」

海之

「……ふっ、そうか」

火影

「んじゃ箒とセシリアは来月の初め頃なら行けそうだな。鈴達はどうする?」

「当然行くわ!私も国に戻るつもり無かったから何時でも行けるわよ」

シャル

「僕も大丈夫だよ!」

本音

「私も~!」

火影

「んじゃ来月の初め頃の予定にしておくか。にぎやかになりそうだな。…ところで今日の授業は午後は一限目までだが、みんな放課後予定はあるか?特に鈴とセシリアとラウラは」

「放課後?私は大丈夫よ。なにかあるの?」

セシリア

「私も大丈夫ですわ」

ラウラ

「私もだ。…もしかしてこのメンバーは…」

海之

「ああ。お前達に例のデビルブレイカ―を渡そうと思ってな。それと同時に使い方を説明する」

「ああ、あれね!」

セシリア

「了解ですわ」

ラウラ

「嫁からのプレゼントか。結婚指輪の前に受け取るのも一興だな」

 

他のメンバーも放課後に集まると言ってくれた。

 

シャル

「でもさ火影、海之。あんなのどうやって造ったの?束さんも「貴重なデータが貰えた」って言ってたけど…、という事は束さんが考案したんじゃないんだよね?」

「…うむ。それについては私も考えていた。あのデビルブレイカ―といい、先日の新たな二人の武器といい、今まで私達が見た事もないような物ばかりだったな…。どうやって手に入れたんだ?」

海之

「……」

火影

「うーん…、それは…」

 

二人はどう伝えようか迷った。あれは自分達、そして自分達のISと同じくこの世に本来存在しない物なのだから。

 

セシリア

「…というより御二人も御存じ無いんじゃありませんか?だって御二人のISは誰かから頂いた物なのでしょう?その中にあったデータなら御二人も知らないのも無理ありませんわ」

「…あっ、なるほど」

シャル

「確かにそうかもね。ごめんね二人共」

火影

「気にしなくて良いさ。悪いな…」

海之

「………」

 

事情が事情とはいえ、話せないことに二人は申し訳ないと思っていた。

 

一夏

「それは置いといて結構な人数になりそうだな。飛行機予約取れると良いけど…」

海之

「それなら心配ない。日程さえ決まればプライベートジェットで迎えに来てもらう手筈になっている」

本音

「プライベートジェット!?すご~い!」

「つくづく規格外ねほんと」

火影

「凄いのは父さんさ。ああそれからシャル。前に僕が仕事手伝ったっていう人がお前に会いたいってさ。予定組んどくからな」

シャル

「前に仕事手伝った人って………えっ?ええっ!?」

セシリア

「ど、どうしましたの?」

火影

「行けば分かるよ」

 

酷く驚いている様子のシャルとセシリアに火影は笑ってそう言った。そうこうしている間に休憩は終わり、次の授業の時間になった。




次回、3種のデビルブレイカ―を出します。

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