IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
オリジナル展開含むこともありますが、宜しくお願い致します。
MIssion01 赤と青の光舞う
とある海上の夜空に一機の小型旅客機が飛んでいる。
旅行を楽しむ家族、仕事で出張の会社員、睡眠をとっている者等、乗客はみな思い思いに時間を過ごしていた。海上なので下には一点の灯りも無く、月がやんわりと機体を照らしているのみ。全てが正常な飛行、乗員も乗客も誰もが安心しきっていた…しかし…。
………ドンッ!!!!
「「「…!?」」」
~~~~~~~~
突然機体の後方部で凄まじい爆音が起こった。そして間もなく非常事態を伝えるアラームがコクピット内に響き渡る。
「なっ、何が起こったの!?」
女性の機長が男性の副操縦士に問う。
「今調べてます!……機長大変です!機の尾翼が全て吹き飛んでいます!さらに爆発で吹き飛んだ破片で燃料タンクが損傷した模様!燃料が漏れだしています!」
「なんですって!?…機内全員に非常事態と生命維持装置着用を促します!ここから一番近く降りられる場所は!?」
「一番近い空港でもまだ1時間はかかります!今の機の状態ではとても…」
「くっ!」
燃料タンクに火が飛んでいないのがせめてもの救いだったが、今の状況のまま一時間以上自力で飛ぶことはどう考えても不可能だった。
「やむを得ないわ。海上へ不時着を心みます!近くの国に救助要請を!」
「りょ、了解!」
(…とはいっても夜の闇に覆われている海に不時着なんて極めて危険ね。突入角度によっては不時着どころか墜落の可能性も十分考えられるわ。どうしたら…)
「機、機長大変です!燃料漏れによる影響が予想以上に激しく、右スラスターの燃料がもうすぐ0に近いです。急がないと!」
「くっ!やるしかないわね!」
女機長は操縦桿をぐっと握り直し心を決めた。だがほんの数分後、機体は激しく揺れ出し大きく傾いた。もはや異常な角度であること、そして墜落の可能性がほぼ間違いなしな事は誰の目にも明らかだった。
(もうダメ!!)
もはや誰もが諦めて眼を瞑った。
………………………?
誰もがおかしいと頭を上げた。
墜落していない…?、それどころかさっきまで異常だった角度が正常とまでは言えないが元に戻っており、ゆっくりだがちゃんと飛んでもいる。
(一体何が…?)
機長は首をかしげていた。それは乗員乗客も同じだった。
そんな時窓際に座っていた一人の子供が窓の外を指さしながら母を呼んだ。
「ねぇママ~、見てアレ!キレイ~!」
「えっ何?……!!」
母親は窓の外を見て驚いた。飛行機の下から赤色と青色の激しい2つの光が漏れているのが見える。火でも燃料でもない。何なのか確認しようにも月がちょうど隠れていてわからなかった。唯一つわかっているのは自分たちが乗る機がその2つの光に助けられたという事だった。
やがて旅客機はゆっくりと海面に着水した。幸い脱出装備に被害はなかったので救助が来るまでなんとかなる。誰もがただただお互い無事を祝った。
同時に赤と青の光は機からゆっくりと離れて飛び去っていった。その瞬間隠れていた月が表れ、うっすらながらも機長は姿が見えた。
「赤と青の…人?……いえ、あれはISなの……?」
こうして絶望的だった旅客機墜落は2つの光、ISによって救われた。乗員乗客の証言からこの件は速報で大きく取り上げられ、世界中に知られる事になった。
…………
日本
黒髪の少年
「なぁ千冬姉!今朝のニュース見たか!?」
千冬と言われた女性
「あぁ、旅客機の墜落未遂事故か。今朝からあの話で全局持ち切りだな」
「そうそう!乗客の話だと助けたのはふたつのISなんだろ?凄えよな~!」
「だが話によればあの時表れたISはどこの国も心当たりがないとの事らしい。一体どういうことだ…」
「まぁ今はいいじゃねぇか。誰一人死なずにすんだんだからさ!」
「まぁそうだな。っとこうしている場合ではない。試験に遅れるぞ!」
「おっといけねぇ!!」
場所は変わって駅前。駅の前では事件の号外が配られていた。
ポニーテールの少女
(旅客機を救ったふたつのIS……。ISか…。あの人は今どうしているんだろう…姉さん…。それに…一夏……)
…………
再び場所は変わり、ここはある学校の一室
青い髪の少女
「ふ~ん、旅客機奇跡の着水!救ったのは赤色と青色のISか…。この旅客機はロシア国籍らしいからロシア代表の私としてもこの子達には感謝したいとこね♪」
青い髪の眼鏡をかけた少女
(……本当にヒーローみたい。私にも現れてほしいな…)
…………
中国
ツインテールの少女
(二人のISねぇ…。どんな奴なのかな?見た人の話だと赤と青としかわからないし…。っとこうしてる場合じゃないわ!もうすぐ転校するんだから早く準備しなきゃ!それにあの学校に行けばいずれわかるでしょ!)
…………
イギリス
金髪の長い髪の少女
(赤と青に輝く二人のIS・・。旅客機に乗っていた方々からしたらまさしく英雄ですわね。やはり男性なんて女性に比べれば大したことないですわ。ましてや……あの人なんて…。っとこうしている場合ではありませんわね。引越しの準備を致しませんと…。)
…………
フランス
気の強そうな女性
「ねぇ!あの二人のISに関しては本当になにもわからないの?」
夫と思える男性
「あぁ全くといってわからない。どんな姿なのかもわからない。そんなIS、今の今まで私も知らなかったよ…」
「全く、ただでさえ我が社の注目度は落ちているのにどこの誰かが余計な事したために更に忘れられた感じよ!世間はみんなあのISの話で持ち切りなんだもの!」
金髪の少年?
(……)
…………
ドイツ
眼帯をしている銀髪の少女
(……おかしい、我々の持てる技術を全て使って探しているというのに一向にあのISの行方や正体がわからない。今現在確認されているISに旅客機を持ちあげる程のパワーを持つ様な物は確認されていない。悔しいが私の機体にも無理だろう…。一体どういうものなんだ…?)
…………
???
兎の様な耳を付けている少女
(…う~ん、やっぱりわからないや。全てのISのコア情報を全て簡単に把握できるこの束さんがあの2人のISに全く気付かなかった…信じられないけど。…まさか束さんが作ったコアじゃないとでも?いやいやそれは無いでしょ!…と言いたいけど、でもそうでもなきゃ説明できないんだよね~、この束さんが知らないISなんてさ~。どうにかしてあの子たちと接触できないかな~。でもこれだけ世界中が探しても見つからなかった位巧妙に隠されていたんだから普通のやり方じゃ恐らく無理だね~…、普通のやり方じゃ………!)
「そうだ!」
銀髪の少女
「び、びっくりしました…。どうされたんですか束様?」
「クーちゃん仕事だよ~♪」
赤と青の二人のISに興味津津の束という女性。
はたして彼女が考えた作戦とは?