IS×DMC~赤と青の双子の物語~   作:storyblade

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「どちらか私と勝負しなさい!」

楯無からの突然の勝負の申し込み、それに海之が受けて立つことになった。最初は良い勝負の様に思えたが楯無は海之の圧倒的ともいえる力に次第に追いつめられる。
やがて楯無は自らのエネルギーを犠牲にして放つ切り札「クリアパッション」を使うがそれすらもウェルギエルの秘儀「残影」によって回避されてしまい、勝負は海之の圧勝で終わる。しかし楯無の表情はどこか満足そうであった。


Mission80 学園祭は何をする?

楯無と海之の人知れず行われた勝負から三日が経った。

楯無の怪我はそれほど大したものではなく、二日目には既に完治していた。彼女の言う通り海之がレイディのエネルギーをちょうど0にする位のダメージにした事が幸いだったようである。彼女が完治した後、火影と海之の役割を何にするかを生徒会全員で考えた結果、特別実行委員という形に落ち着いた。これはもしそれが必要であるならば教師や先輩の許可を得る必要無く、二人の独自の判断で動いても良いというものである。ふたりの力を信じた楯無の配慮であった。そして三日目の放課後、火影と一夏は共に帰宅していた。

 

寮内廊下

 

一夏

「ふ~ん特別実行委員ねぇ~。非常時は勝手に動けるってのは融通が利いて良いな」

火影

「その分責任も大きくなるがな。万一の時は判断が委ねられるんだから」

一夏

「まぁでもお前や海之なら心配いらねぇだろ。俺達が保証するぜ。…おっと俺の部屋前か、じゃあな火影」

 

そう言って一夏は扉のノブに手をかけ、火影もそこを離れた。

ガチャッ

 

「おかえりなさい!わたしにします?私にします?それともワ・タ・シ?」

火影

「……へっ?」

一夏

「……」

 

…パタンッ

一夏は部屋の扉をゆっくり閉めた。自分の部屋に向かおうとした火影も先程の声が聞こえて戻って来た。

 

火影

「おい一夏、今お前の部屋から…」

一夏

「……」

 

火影の問いに一夏は何も答えなかった。そしてまたゆっくり扉を開ける。

ガチャッ

 

楯無

「おかえりなさい!わたしにします?私にします?それともワ・タ・シ?」

火影・一夏

「「……」」

 

それはよく見ると水着の上にエプロンを付けた楯無だった。火影と一夏は暫く黙っていたが、

 

火影・一夏

「「……なんだ(なんじゃ)こりゃーーーーーー!?」」

 

 

回想

 

楯無

(私に織斑くんの訓練を?)

海之

(はい。会長にお願いしたいのです)

 

二人の役割が決まった後、楯無は約束通り勝負に勝ったお礼に自分へのお願いを何にするか海之に尋ねた。すると海之は彼女に一夏の訓練をしてほしいとお願いしたのだった。

 

楯無

(でもなんで私に?君や火影くんがやった方が確実だと思うんだけど?)

海之

(もちろんできる時は俺達もやります。しかし色々な人から教えられるのも必要です。あいつは…一夏は必ず強くなります。会長の手で鍛えてやってほしいのです。それに…俺と火影には他にもやる事がありますから)

火影

(……)

楯無

(……)

(二人がやらなきゃいけない事…おそらく例の正体不明のIS達が絡んでるんでしょうね…)

 

楯無は暫く考えたがやがて、

 

楯無

(…わかったわ!任せなさい♪あと折角だからお友達のみんなも時々見てあげるわ!あと私の事はこれからはふたり共……刀奈でいいわよ)

扇子

(更識刀奈)

火影

(? 刀奈って…じゃあ今の名前は?)

楯無

(ああ、楯無っていうのは私の家で代々受けつがれる名前なのよ。私は17代目の楯無なの。知るのは虚と本音と簪ちゃん、織斑先生、学園長だけよ。それを知れるなんて結構名誉なことなんだから♪ああでもみんなの前では楯無って呼んでね。一応秘密だから)

火影

(そういう事ですか。分かりました)

海之

(ありがとうございます。俺達も…ってもう呼ばれていますね)

楯無

(でもちょっと意外なお願いねぇ~。てっきり付き合ってほしいなんて言われるかと思ったわ~。まぁ君達ならいつでも大歓迎だけどね。イケメンだし頭も良いし強いし♪そうだ!織斑くん争奪戦と並行して男子イケメン選手権もやろうかな~?きっと盛り上がるよコレも~♪)

火影

(ははは…)

海之

(ハァ…)

 

回想終

 

 

こうして楯無は一夏のコーチをする事になった。名前の事だけを隠して火影から事情を聞いた一夏はとりあえずそれについては納得した。しかし問題はまだあった。

 

一夏

「それでなんで俺と相部屋になってるんですかーーーーーーー!?」

 

そう、海之からの依頼では楯無はコーチだけの約束だったのだが、その後彼女は一夏と自分を会長特権を使って相部屋にしたのである。尚一夏と相部屋だった箒は今日から鈴と相部屋にしたという。

 

火影

「か…楯無さん。海之はただ単に訓練をお願いしただけなんですが…」

楯無

「気にしない気にしない♪互いの癖ややり方を知るためにはこれ位やらないとね。その人の暮らし方や健康状態を知るのもコーチの重要な役割よ♪」

一夏

「そ、そんな事いきなり言われても…」

楯無

「さて…私の引っ越しも終わったし、明日から早速やるよ!それではその前に一夏くん、何かおやつ作って♪」

一夏

「…はい?」

楯無

「これも会長特権ってやつよ♪」

一夏

「こんな事に特権使わないでくださいよ…。おい火影、お前も手伝え。お前にも責任あるんだぜ?」

火影

「……やれやれ」

楯無

「ふふっ、男子二人から専属でおやつ作ってもらえる女子って私が初めてかな~♪」

 

こうして一夏と火影は楯無のデザートを作る羽目になった。

 

 

…………

 

翌日。火影と一夏は昨日起こった事を海之や他のみんなに話した。

 

海之

「そんな事が…。すまん一夏、良かれと思ったのだが逆に迷惑をかけてしまったようだ」

火影

「わりい…」

「海之くんや火影くんが悪い訳じゃないよ…ごめん一夏くん。それに箒も」

一夏

「ああいや、コーチをしてくれるのは素直に嬉しいんだけどさ。何しろロシア代表、あと後から聞いたけどあの人って学園でも随一と言われる実力者らしいし。ただ…天才と奇人は紙一重っつーか」

「う、うむ…。私もいきなり言われたのだが気付けば流されるまま部屋を変えられていた。なんというか凄い人だな…」

「私もいきなりルームメイトと箒が変わったと聞いて「はぁ~?」って思ったわよ」

火影

「…まぁ一夏の延長でみんなにも教えてくれるって言ってたから色々学ぶと良いと思うぜ。一夏もさっき言ったが腕は確かだから」

セシリア

「それは嬉しいですわね」

ラウラ

「しかし流石は海之だな。ロシア代表をあっさりと倒してしまうとは」

本音

「うん、かっちゃんをあんな簡単に倒しちゃうなんて私も驚いちゃった!」

海之

「あっさりは言い過ぎだ。次も上手くいくかはわからん」

シャル

「僕も見たかったなぁふたりの試合。でもそう考えると海之、あと火影もだけどもう代表とか以上のレベルなのかもしれないね」

セシリア

「確かアリギエルとウェルギエルはおふたりの所有なんですよね。更に母国も完全中立国のスメリア。無理に国際大会に出る必要もありませんけど…それだけのお力なのに世に出ないとはなにかもったいない感じがしますわね」

「一体どんな人なんだろうね?あんた達のISを造った人って」

火影

「…さぁな」

海之

「……」

「……」

(海之くん達のISは9年前、それどころかもっと前からあったかもしれないってあの時言ってた…。ISが初めて世に出たあの白騎士事件よりも前から…。でも…そんな事ありうるの…?鈴も言ってたけど…一体誰が造ったんだろう。そしてあれを造った人は…なんでふたりに…)

本音

「どうしたのかんちゃん?」

「えっ?う、ううん。何でも」

一夏

「ところで話は変わるが今日この後の授業ってクラスの出し物決めんだろ?」

「ああ確かその予定だ。鈴のクラスはもう決めているんだったな?」

「うん、中華喫茶やるの。まぁでも客は少ないと思うなぁ」

ラウラ

「何故だ?」

「だってすぐ隣の教室に学園唯一の男子が揃ってるのよ~?みんなそっち目当てで来る筈よ」

一夏

「へっ?なんで?」

一夏以外の全員

「「「…ハァ」」」

 

みんな恒例のため息を吐いた。

 

火影

「じゃあ休憩中になったら覗いてやるよ」

シャル

「僕も時間ができたら行くよ」

「お願いね♪」

 

キーンコーンカーンコーン

 

休憩終了のチャイムが終了し、それぞれが自分の教室に戻る。次の一組の授業は予定通り文化祭についてだ。最初に千冬と真耶から今年の学園祭の説明があり、その後に今年の出し物を決める。

 

一夏

「…それでは学園祭で何をやりたいか、みんな意見をお願いします」

 

教壇に立った一夏の指示でみんなそれぞれ意見を言っていった。……そして数分後、

 

一夏

「え~…みんなの意見もある程度揃った様なのでこれから順番に発表します」

 

そして一夏は黒板に書いたアイデアを読み上げていった。その内容はというと…

 

男子とポッキーゲーム

男子のスペシャル執事

男子と王様ゲーム

男子とお姫様だっこでツーショット写真館

男子とShall We ダンス

……

 

一夏

「…全部却下だぁーー!」

生徒

「えーーー?」

「なんでーーー?」

「納得いかなーーーい!」

一夏

「あほか!誰が嬉しいんだこんなモン!俺らの人権無視か!?」

火影

「確かに…ちょっと偏ってる気がする」

海之

「……」

 

男子三人は苦い顔をしている。だが女子達はそれに対して、

 

生徒

「私はどれでも嬉しいわ!断言できる!」

「同感です!三人は我がクラス、いえ学園の共有財産です!」

「そーだそーだー!」

「多数決しましょ!多数決!」

 

女子達はすっかりやる気になっている。

 

(一夏とポッキーゲーム…。しかしそんな事すればみんなが一夏とポッキーゲームできる事に!…ど、どうする!?)

セシリア

(一夏さんと一緒にダンスしたいですわ~♪)

シャル

(火影が執事したらどうなるかなぁ~似合いそうだなぁ~)

本音

(ひかりんに執事してもらったらデザートとか食べさせてくれるのかなぁ~)

ラウラ

(結婚前に嫁と写真を撮っておくのも悪くないな…)

 

どうやら箒達もやる気まんまんな様であった。

 

一夏

「で、でも火影も言ってたけどこれ余りにも偏りすぎだろう!先生方もそう思いますよね!?」

 

聞かれた真耶と千冬のふたりは、

 

真耶

「ふぇっ!?わ、私は…い、いいと思いますよ?特にポッキーゲームした事ありませんから…ちょっと興味あります…」

火影

(いやいや先生、なんつーもんに興味持ってんですか)

一夏

「ちふ…織斑先生からも何か言ってください!……先生?」

千冬

「……」

(執事か…。海之が執事姿をしたら…画になるだろうな…)

 

…千冬もどうやら別の世界に行っている様だった。

 

火影

(織斑先生まで…)

海之

(…ハァ)

一夏

「千冬姉~。う~んでもなぁ~…」

 

とその時ラウラが言った。

 

ラウラ

「…それではメイド喫茶なんてどうだ?」

生徒

「「「!!」」」

 

その言葉に全員が目を向ける。火影達もまさかラウラからそんな言葉が出るとはと驚いている様だ。

 

ラウラ

「客受けは間違いなく良いだろう。喫茶だから経費の収入が見込めるし。それにメイド喫茶なら海之達が執事で出ることがあっても違和感無いしな」

生徒

「「「おーーーーーーーー!!」」」

 

他の生徒達もラウラの意見に乗り気の様だ。

 

火影

「んじゃ俺と海之と一夏は調理の方メインで入ろうぜ」

海之

「…そうだな。それでいい」

一夏

「…まぁ先の物に比べりゃマシか」

シャル

「じゃあ火影達の中でひとりずつ交代交代で執事やるっていうのはどう?男手もあれば助かるし」

(火影の執事姿見たいし♪)

生徒

「「「賛成ーーー!」」」

海之

「執事か…ギャリソンの仕事は子供の頃から良く見ているが俺にできるのか…」

ラウラ

「問題ない。お前達はいるだけでも立派に画になる」

生徒

「「「その通り!!」」」

一夏

「ハァ…もう却下できる雰囲気じゃねぇな。それじゃ出し物は…メイド喫茶で良いですか?」

生徒

「「「はーい!」」」

千冬

(海之の執事姿か…時間があったら見に行ってみるか。…って何考えているんだ私は!?)

 

こうして一組はメイド喫茶で決まったのだった。




おまけ

一夏
「さて、出し物は決まったわけだけど衣装はどうする?」
火影
「俺と海之は家にパーティに使う燕尾服があるからそれ送ってもらうか…」
シャル
「似合いそう~」
本音
「メイド服はどうする~?」
海之
「…いっそ作るか」
ラウラ
「裁縫もできるのか海之?」
海之
「難しい事じゃない」
火影
「教本通り針と糸を正確に扱えば誰にもできるさ」

「料理に裁縫…女子力高いなふたり共…」
セシリア
「私ももっと頑張りませんと…」

妙なライバル心を持つ女子達であった…。


※次回までまた間が開きます。すみません。
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