IS×DMC~赤と青の双子の物語~ 作:storyblade
多くの生徒や招待客がでごった返す中、その多くの目的はやはり火影達がいる1-1のメイド喫茶。火影や海之、一夏のもてなしにみんな満足している様子。それはいつものメンバーも同じ様で、みんな日頃見ない彼らの姿や仕草にやはり満足している様子だった。
※
UAが65000に到達致しました。ありがとうございます!
1-1(メイド喫茶)
「織斑くんの執事姿も良かったねー!さっき一緒に写真撮っちゃった!」
「私はさっき海之くんと!」
「火影くんてワイルドよねぇ~。それでデザートも美味しいし!」
一日目も後半に差し掛かっていた。一組では一夏が執事を、海之と火影は厨房を担当していた。一組の繁盛ぶりは相変わらずで先程までしっきりなしに生徒がやって来ていたが丁度少しペースダウンした様子だった。女子達も何人か休憩に入っている。
箒
「お疲れ様だ一夏」
一夏
「お~……。しかしさっきから客の殆どが俺達の名前呼んでんなぁ。そんなに物珍しいのかなぁ。みんなもの好きなもんだ」
シャル
「…そういう訳じゃない様な気もするけど」
とその時、
弾
「全くだぜ…」
一夏
「ん?おお弾、蘭。あれ?それに虚さんも」
蘭
「こ、こんにちは一夏さん」
虚
「お疲れ様です皆さん」
ラウラ
「ふたりも来たのか。しかし何故虚さんが一緒に?」
虚
「ええ。弾さんと蘭さんをお見かけしたので校内をご案内させて頂いているのです」
蘭
「助かりました蘭さん。……一夏さん、よくお似合いだと思います」
一夏
「おう、サンキュー」
弾
「蘭の奴行く前からお前の事ばっかり言っててよ~。こっちは耳にタコができ…いでででで!」
一夏
「どうした?」
蘭
「なんでもありませんよね~お兄~?」
蘭は弾のおしりをつねっていた。
弾
「いてて…。…あ、あの~虚さん?もし良かったらでいいんですが…まだ見てない所一緒に回りませんか?」
虚
「…ええ、私は構いません。しかし蘭さんは…」
セシリア
「蘭さんなら私達に任せてください」
蘭
「…えっ」
虚
「…そうですか。わかりました。では弾さん、御一緒致しますわ」
弾
「は、はい!じゃあ蘭、帰りまたな」
そして弾と虚は出て行った。
蘭
(…皆さん共良くわかりましたね。虚さんとお兄の事)
セシリア
(ふふっ、誰でもわかりますわ)
箒
(いや…そうでもない奴がひとり)
一夏
「…変な奴だなぁ?」
箒
(…なっ?)
蘭
(みたいですね…)
セシリア
(…ところで蘭さん。もしお時間がありましたらこの後私達とお話しませんか?今ちょうど客のペースも落ち着きましたので休憩しておりましたの)
蘭
(…良いんですか?)
シャル
(うんもちろん)
ラウラ
(異議はない)
箒
(私が知らない中学時代のあいつの事とか教えてくれるとありがたい。私も小学時代の事を教えよう)
蘭
(は、はい!)
その後、蘭を加えた女子陣は暫く一緒に過ごして盛り上がっていた。
…………
その頃、厨房にいた火影も執事の仕事に入っていた。そして火影に指名が入る。指名したのは、
鈴
「火影~、来てあげたわよ~♪」
チャイナドレスを着たまま休憩に入った鈴だった。
火影
「お前かよ鈴。こっちで良いのか?向こうでみんな話してるぞ?」
鈴
「良いの良いの。私ひとりいなくても十分盛りあがっているみたいだし」
(何より火影の奉仕の方が魅力的だし♪)
「…さて、折角御指名してあげたんだからしっかり仕事しなさいよ」
火影
「へいへい。御注文は…デザート御奉仕+一緒に写真コースか。…畏まりました。少々お待ち下さいませ」
そして数分後、火影がケーキを持って戻って来た。
火影
「お待たせ致しました、お嬢様。桃のケーキと紅茶のセットでございます」
(…やっぱ慣れねぇ)
鈴
「ありがとう。じゃ食べさせてくれる?」
(…本当に画になってるわね)
火影
「畏まりました、……お嬢様、どうぞ」
鈴
「う、うん」
そういうと鈴は火影の持つケーキを口に含んだ。
鈴
「すっごく美味しいわ!」
火影
「喜んでいただけてとても嬉しく思います。お嬢様」
火影が微笑すると鈴は少し赤くなった
鈴
「! そ、そう…」
(こいつのこの格好でこの笑顔は…卑怯レベルだわ)
……そしてやがてケーキセットを食べ終え、次は写真撮影に移る。
火影
「それではお嬢様。当店の写真サービスはお嬢様のご希望に沿った御写真をお撮りするというサービスになっております。どんな御写真を御望みでしょうか?」
火影がそう問いかけると、
鈴
「…えっとね……えっと…」
鈴は何やら恥ずかしそうだ。
火影
「はい」
鈴
「…えっと…後ろから抱きしめる様な感じで…撮ってほしい」
火影
「畏まりました」
そう言うと火影は鈴の後ろ側に回り、腕を彼女の首の横から通して後ろから抱きしめる感じとなる。
鈴
「!!」
火影
「…これで宜しいですか?お嬢様」
後ろから抱きしめられる形なので自然と二人の頭も近くなる。火影が鈴のすぐ横で呟く。
鈴
「え、ええ…大丈夫よ」
(大丈夫じゃない…全然大丈夫じゃない!近い近い近い!顔が近いから!!)
自分で指示しておきながらどの様なものか体感してみて鈴は急激に恥ずかしくなった。とそこに撮影役の薫子が、
薫子
「これも良いねぇ♪英国紳士男子とチャイニーズ娘の異国人恋人同士って感じねぇ♪」
鈴
「……」
そう言われて鈴は真っ赤になって黙ってしまった。一方火影は、
火影
(おそらくアミュレットからあいつらも見てんだろうな…。次会ったら絶対からかわれるぜ…)
火影はアリギエルのコアに宿る二人の人物を思い出していた。更にこの後、一連の事を見ていたシャルロットが休憩時に同じ注文をしたのは言うまでもなかった。
…………
それから数刻して、休憩に入った海之は同じ休憩だったラウラ(というより一緒にしてもらった)と一緒に外に出ていた。
ラウラ
「見てみろ海之、ここは占いをやっているみたいだぞ」
ふたりが通りかかったのはある部活が出している占いスペースだった。
海之
「占いか…。俺はこういうものは当てにしない主義だが」
ラウラ
「見てみろ、今人気の占い師だ。前テレビで見た事があるぞ。ここの生徒の遠い親戚だからわざわざ来てくれたとある。なぁ折角だからやってみないか?私も占いやってみたい」
海之
「…仕方ないな」
そしてふたりは小部屋に入って行った。中はカーテンで覆われて薄暗く、中央に丸いテーブル、そして向こう側に女性が座っている。オレンジのローブで銀の髪飾りを付けている。
女性
「よくいらっしゃいました…。どうぞ、そちらの席へ…」
そう言われてラウラが座る。海之もいようとしたがラウラに外で待っていてほしいと頼まれたので外で待つ事にした。
ラウラ
「あ、あの…」
女性
「ふふっ、今の方との相性をお知りになりたいのですね?」
ラウラ
「! な、なぜ!?」
女性
「先程の貴女のお言葉や仕草を見ればわかりますわ。素敵な方ですね」
ラウラ
「う、うむ。私の嫁だからな。素敵で当然だ!」
女性
「まぁ…ふふっ、仲睦まじくて羨ましいですわ。…さて、それでは始めましょうか」
すると女性は目の前にある水晶玉に触れ、更にタロットを数枚取り出して占いを始める。
女性
「……」
ラウラ
「……」
女性は水晶玉とタロットを交互に見、そして、
女性
「……成程」
ラウラ
「! わ、わかったのか!?で、どうだ!?」
女性
「…御安心ください。貴女とあの人の相性は決して悪くありませんよ。貴方と彼は以前同じ様な境遇だったようですね。そのため、お互いの弱い部分等を良く理解でき、そして補う事ができます。良い相性だと思いますよ」
ラウラ
「! そ、そうか!」
女性
「ええ。…ですが…彼に好意を抱いているのは貴女だけではないようですね。多くの方が想いを寄せておられる様です。もしかしたら…貴女もそれをご存じなのではないですか?」
ラウラ
「…うむ」
ラウラはその言葉にひとりの少女とひとりの女性を想い浮かべた。
女性
「そうですか…。ですが貴女もこの事でその人達との関係を壊したくはないと御思いの様ですね。寧ろ大切だと思っている」
ラウラ
「…うむ」
女性
「ふふっ、優しい方ですね。…結論を申し上げると貴女と彼との相性は良いです。ですから慌てる事はないと思いますよ。頑張っていつか想いを伝えられると良いですね」
ラウラ
「う、うむ!」
ラウラは素直に喜んだ。と、女性は話を続ける。
女性
「…それから…これは彼についてなのですが…、彼はとても大きな隠し事をされている様ですね」
ラウラ
「…えっ?」
女性
「ああ御安心ください。女性に関してではありません。これはおそらく…彼の過去についてだと思います」
ラウラ
「海之の過去?」
女性
「ええ…。ですがそれが何かはわかりません。…しかし言えるのは…彼を信じてあげてくださいという事、そして彼はあなたや多くの方に必要な人であると言う事です」
ラウラ
「ああわかっている。海之は私やみんなに必要だ。もちろん火影もな」
ラウラは力強く応えた。
女性
「…ふふっ、それでしたら大丈夫ですわ。頑張ってくださいね」
ラウラ
「うむ!感謝するぞ!ではな!」
そしてラウラは笑顔で外に出て行った。…すると女性は再び占いを始め、
女性
「……やはり見えない。あの海之という方の光、そしてその隣のもうひとつの赤い光。過去も……未来も……。一体これは……」
…………
その後、学園祭一日目は順調に進んで終了の時間となり、各クラスや各部が一日目の後片付けに追われていた。特に繁盛していた1-1も時間はかかったが何とか片付けも残り僅かとなり、最後に火影と海之が残ってチェックしていた。因みに空はもうすっかり夕刻に差し掛かっている。
海之
「…後残りはなさそうだな」
火影
「ならさっさと戻ろうぜ。明日もあるし、何より午後からは楯無さんの特別企画っつーのがあるんだろ?…正直嫌な予感しかしねぇんだよなぁ」
海之
「…確かにな。お前は先に戻っていろ。俺は最後にもう一回りチェックしてから戻る」
火影
「相変わらずご丁寧だな。じゃあ明日な」
そう言って火影は出て行き、海之は最後に簡易的なチェックをしていた。すると、
?
「…海之」
海之
「? 織斑先生」
声をかけたのは千冬だった。
海之
「お疲れ様です」
千冬
「ああ。…大変だった様だな。凄い人気だったと聞いたぞ」
海之
「おかげさまで。ですがみんなが頑張ってくれたおかげで無事に終われました」
千冬
「そうか…。ほら」ポイッ
そういうと千冬は海之に何かを投げた。海之が受け止めるとそれは温かい紅茶だった。
海之
「…ありがとうございます。…先生、良ければケーキ召し上がりませんか?」
千冬
「えっ?いや気にするな。片付けしたんだろう?」
海之
「大丈夫です。折角紅茶頂きましたし良かったら。こちらにどうぞ」
千冬
「…そ、そうか。じゃあ…頂こうか」
千冬は言われた通り席に座った。数分後、厨房から海之がバターケーキも持ってきた。
海之
「お待たせしました。明日に使うケーキですので熟成しきっていませんがどうぞ」
千冬
「あ、ありがとう…」
(…やはり画になるな)
千冬は心でそう思いながらケーキを口に運ぶ。海之は向かい側に座った。
千冬
「…旨いな。ああそういえば以前お前達が家に泊った時にお前わざわざスープを用意してくれたんだな。礼を言い損ねていた」
海之
「気にしないでください。ですがやはり飲みすぎになったんですね」
千冬
「ああ大変だったよ。真耶の話に付き合わされてな」
海之
「どんなお話だったんですか?」
千冬
「ああそれは……!!」
千冬はあの時の真耶の話を思い出し、急速に赤くなった。
※詳しくはMission67をご覧ください。
海之
「…どうしました?」
千冬
「な、な、なんでもない!忘れてくれ!」
海之
「? わかりました」
千冬
「うぅ……」
千冬は紅茶を飲んで少し落ち着く。
千冬
「ふぅ~。…なぁ海之、ひとつ聞いて良いか?」
海之
「? はい」
千冬
「お前は…親に会いたいと思った事はあるか?エヴァンス夫妻でなく、お前達の本当の親にだ」
海之
「……なぜそんな事を?」
千冬
「…いや、ちょっとな。…なんでもない。すまん、忘れてくれ」
千冬はそう言ってごまかした。そんな千冬に海之は少し考えて答える。
海之
「……そうですね。今さら会いたいとは思っていません。それに二度と会えませんし」
千冬
「…?どういう意味だ?まだ生きているかもしれんぞ」
海之
「…いえ、それはありません。あと…俺達は確かに捨て子ですが、俺も火影も実の親を恨んでいませんよ」
千冬
「…全くか?」
海之
「ええ…。親父も母も…俺達を救おうとした…。俺を探していた…。死ぬまで…。だから恨んでいません」
千冬
「海之…」
千冬は海之が何を言っているのか正直分からなかったが、その目は嘘ではないと確信を得るに十分だった。
海之
「先生はどうですか?前に一夏から少しだけ聞きました。何でもあいつが幼い時に出ていったとか」
千冬
「…ああ、まあな…」
千冬は言葉を濁した。それを聞いて海之はあまり入っていくべきでは無いと感じ、
海之
「…話たくなければ構いません」
千冬
「すまんな海之。私から聞いておいて」
海之
「気にしないで下さい」
千冬
「ふふっ、何度も言うがつくづくお前は大人だな。一夏とは大違いだ」
海之
「そんな事はありませんよ。一夏も日々成長しています」
千冬
「そうかな?……ところで海之。ひとつ頼みがあるのだが…」
海之
「はい」
千冬
「その…、お前がその姿でいる内に、ひとつ注文したいのだ。内容は…この、3つ質問コースで」
海之
「ええ構いませんよ。お金も要りませんから」
千冬
「いやそうはいかん、後で払っておく。それで早速ひとつ目の質問だが…」
海之
「はい」
千冬
「…その、お前には…今、特別の付き合いをしている者は…いるか?男子ではなく女子でだ」
海之
「? 特別というのがどういう意味かわかりませんが…ひとりに限ってはいませんね。ああしかし簪やラウラとはよく一緒に行動している事が多いですね」
海之の返事に千冬は交際している女子はいないのだなと思った。
千冬
「そうか…。ではふたつ目だが…先日のお祭りの際、お前は私の事を強くて優しい女性と言ったが…あれは本心か?」
海之
「ええもちろんです。織斑先生は強くて優しい方だと思います」
迷いない海之の返事に千冬は少し赤くなり、
千冬
「し、しかし…私はいつも生徒達に厳しく当たっているし…女らしさも薄い。家に来た時見たろう?あんな恰好でいるし家事はいつも一夏に任せっぱなしだし…」
海之
「誰にでも得意不得意はあります。普段学園で頑張っていらっしゃるんですから家では多少力を抜かれても良いと思います。それに一夏も家事をするのは嫌でないと言っていました。…あと先生が厳しいのは生徒達に傷ついてほしくないと御思いだからでしょう?ISを動かすには多くの危険が伴いますから。だから先生はそのままでも良いと思います」
千冬
「……助かるよ」
海之の言葉に千冬は感謝した。
海之
「…それでみっつ目の質問はなんですか?」
千冬
「えっ?…あ、ああそうだったな。…あの…その…」
海之
「?」
海之は少し疑問だった。いつもの千冬らしくないと。まるで先日の箒の叔母に会った時みたいだと。
千冬
「いや…、これは質問というより、頼みに近いのだが…」
海之
「なんですか?」
そして千冬は顔を赤くして言った。
千冬
「海之、これからは私の事を…名前で呼んで…くれないか?」
海之
「…えっ?しかし失礼では」
千冬
「良いから!…千冬と…呼んでほしい」
海之は少し考えたがやがて、
海之
「……分かりました。ではこれからは千冬先生と」
千冬
「先生もいらん、さん付けで良い」
海之
「流石にいきなりは失礼です。千冬先生と呼ばせて頂きます」
千冬
「…真面目だな。ふふっ、わかった。それで良い」
ほんの少しの事かもしれない。しかし千冬にとっては大きな事だった様だ。
一日目が終了です。次回はあの企画が始まります。