BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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BLEACH~101

 

 side 石田雨竜

 

 銀筒をいくつか並べておきます。

 位置を合わせます。

 濃縮霊子を零します。

 勝利。以上。

 

 流石にわかりにく過ぎるだろうからもう少し詳しく説明しよう。まず初めに僕は霊子の感知が上手い。そしてそれによってかなり離れた位置から相手の位置をつかむことが可能である。

 次に、織斑さんに持たされた銀筒がまだまだ余っている。故に僕は相手の攻撃の届かない位置から巨大な滅却師十字を描き、しかしただ作っただけでは流石に出力が足りないので銀筒でゼーレシュナイダーの効力を上昇させたうえで濃縮霊子を叩き込んだ。これによって破芒陣が発動し、相手は自分がなぜ死んだのかもわからない状態で死に絶えた。

 

 つまりはそういう事なのだが、これ以上の説明をしていられるほど僕は暇じゃない。このあたりで失礼させてもらうよ。邪魔な柱や壁を霊子にまで解体しながら移動する作業が残っているからね。あと苦戦している奴がいたら手助けに行ってやらないといけないし、この場所で一番高い所に陣取って……いや、駄目か。高い所には大抵強い霊圧がある。鉢合わせになったら面倒だし、こちらから全体が見えるということは全体から僕が見えるという事にもなる。狙撃手が目立つというのは命の危機だ。僕は狙撃手ではなく滅却師だけどね。

 ……おっと、そんなことを言っていたら危なそうなところを見つけた。撃っておこう。

 

 

 

 

 

 side 四季崎ルキア

 

 破面というものを少し舐めていたかもしれん。私は目の前にいる褐色肌の妙な破面を前にしてそう思っていた。

 十刃のうち私が倒したアーロニーロという男……男? は第九刃であり、十刃の中で唯一の下級の大虚だったらしい。そして今私の目の前にいるのは第七刃であり、上級大虚。下級大虚がどれだけ多くの虚を喰らって強化されてきたとしてもただ格の差があると言うだけで引っ繰り返される。下級と上級の間にはそれほどの差が存在しているようだ。

 それが理解できたのは、私に向けて二人の褐色の男が斬りかかってきた時だった。瞬歩とは違う、確か響転とかいう名が付けられた高速移動歩法に独特の足さばきを加えることで分身しているように見せるそうだが、このくらいなら織斑様に見せてもらった分身の方が脅威であった。なにしろ織斑様は軽く二百人ほどに増えるからな。

 

 ……だが、あの速度が相手となると白蓮は使えない。月白を相手の移動に合わせて即座に使えば効果があるやもしれんがそれもあの速度が相手ではタイミングが難しい。白船はそもそも通常の刀を当てるのも難しいというのにどうしろと。

 まあ、やりようはある。要するに回避しようとしても回避できないような攻撃をすればいいわけだ。

 

 私の身体を冷気が覆い尽くし、周囲の全てを凍てつかせていく。身体の表面から白船と同じ氷の刃が生え、折れて袖白雪と同じ形に整えられる。何本も何本も同じものを作り上げ、浮かせる。袖白雪は私の体温を操る刀だが、同時に氷を操ることも不可能ではない。でなければ白蓮を狙った方向に撃ち出したり、白船で刀を精巧に作りだしたりすることはできないはずだからだ。しかしできている。つまり袖白雪は氷も操ることができる。そういうことになるわけだな。

 その事実にきっかけを得て、義兄様の技を私なりに再現したこの技。

 

「殲景・白船千本桜」

 

 宙に浮かぶ無数の凍てつく刃。全方位を覆った刃の檻を回避するには空間を越える以外に術はなく、例え弾いたとしても砕けた刃は瞬時に再生し、増殖する。

 触れればその部位から凍り付き、動きを阻害する。動きが鈍れば更に刃が突き刺さり、敵の身体を内外から凍結させていく。外からだけならばたいしたことが無かったかもしれないが、体内から凍らされるのは中々に効くだろう?

 

 全身が凍り付いたならば、後は一つ叩くのみ。凍り付き、脆くなった体でその衝撃に耐えられるわけも無く、男は砕けて崩れ落ちた。完全に凍結した身体からは血が噴き出ることも無く、崩れ落ちて床に叩きつけられさらに細かく砕けていく。

 ……ふと、思い出した。私はこやつの名を知らぬ。背後から襲い掛かられたから刀を防ぎ、話をさせぬように攻撃を行い、そして最後に完全に凍らせて砕いただけ。名前も、得意な戦い方も、解放の姿も名前も知らぬ。解放前の戦い方からして恐らく速度を生かした戦いをするのではないだろうか? まあ、いまさら何を言ったとしても確認する術などありはしないのだが。

 

 ……しかし、疲れた。この技は霊力をかなり消耗する。一本一本を袖白雪と同じように私の身体の延長とするからこその負担だが、それが無ければこの技は一気に弱くなってしまうから仕方がない。今はただ勝つことができたことを喜ぶべきだ。白船自体はそこまで大した消費でもないからこそ可能な技なのだが、もしもこうして増やした袖白雪全てで月白や白蓮を実行したら間違いなく枯れて死ぬな。うむ。

 死なぬようにするには私自身の能力をさらに上げるか、もしくは新たな燃費のいい技を覚えなおす必要があるかもしれん。殲景・白船千本桜の代わりになるような技……今は思い浮かばんな。またいつか修行に付き合ってもらうとしよう。

 

 ただ、今は少し休もう。流石に十刃との連戦は堪えた。

 




Q.石田はどこに撃ったの?
A.この後出てくるから待って(直後とは言ってない)

Q.新技できてる……。
A.かなり強力な新技でした。

Q.ところで井上的には十刃の皆さんはどんな味?
A.
1.ジビエ系のお肉
2.小学校で受けてた苛めで食べさせられたチョークが一番近いかな?
3.鯛ダシのお吸い物
4.自然な甘さの葛餅
5.激辛クリームコロッケ
6.レモンとキウイのフルーツサンド
7.中途半端にぼやけたサッカリン
8.卵抜きのゴーヤチャンプルー
9.満漢全席を一口に集約しちゃった感じ
10.塩

本編完結後にこの話の外伝的な物を書こうかなと思うのですが、大雑把な内容をアンケートします。なお、ちくわ大明神が頑張ることでこれらの話は実現されますので無理だろとか思わないで大丈夫です。

  • 原作世界に一護達in
  • 事前に見えざる帝国滅ぼしてなかった世界
  • 尸魂界でP1グランプリ開催
  • 虚圏でP1グランプリ開催
  • 全部やろうか(マジキチスマイル)

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