side 織斑一夏
隊長は死んでいた。滅却師との戦いで単独で突っ込みすぎて死んだらしい。そんなわけで副隊長である俺が一時的に隊長の権限の代行をしているわけだが、いつもとやっていることがそんなに変わらないってのはなんでだろうな? あと隊長への任命はお断りしておいた。今でも面倒なのに正式に隊長とかやってらんねえわ。態々ほかの理由考えるのも面倒だから真っ正直にこの通り言ったらめっちゃ怒られたけど気にしない。ついでに今の俺の仕事の量を聞かせたら黙った。十一番隊は怪我人が多いし、器物破損も多い。そう言ったものに対しての書類やらなにやらをちゃんと作るのに俺じゃなかったら半日くらいかかるだろうし、それ以外の料理だの訓練だのと言った奴も加えればまともな奴なら寝る時間も取れないレベル。ここに正式に隊長の任務も加わるとか絶対嫌だ、と真っ正直に言ったら若干哀れみの視線が増えた。
そう言う訳で希望は『最低限隊長としての仕事はしてくれる人』。別に口が悪かろうが戦闘狂だろうが構わんから仕事だけは片付けてくれ。そうすれば俺の仕事の三割くらいは消えんだわ。年に何度か孤児の世界に行って家の中でのんびりするだけの休日を過ごしてはいるが、できればもうちょい休める時間を増やしたいんだよな。
……それはそれとして、俺は色々あって死神としての能力の他に滅却師の能力と俺と言う存在を基にした完現術者の能力もあるという話を覚えているだろうか。まあ忘れててもいいし、正直滅却師の能力ははっきり言って霊子の集束と分解を極めれば大体できるから滅却師固有の能力ってわけでもない。完現術者としては自分の再生能力だから基本無視して構わんし、死神としての能力……は、斬魄刀の名前を覚えはしたもののそもそも斬魄刀の方が自分の名前を正しく覚えている確証が無い、つまり原作で言う『藤孔雀』みたいなことになっている可能性もあるわけだ。
だから死神としての能力については未知数だとしても、もう一つ覚えられる方向がある。そう、虚だ。似たようなものである完現術が使えるんだから行けない理由は無い。行ける行ける絶対行ける大丈夫大丈夫間違いない信じて行けよ行けるって。
行けた。崩玉が必要かもしれないと考えはしたんだが実際にはそんなことは全くなかった。ほら、俺ってこの世界では生前から虚を狩りまくってたじゃん? そしたら当然虚の霊圧とかも受ける訳よ。大して効かんけど。で、その時の感覚を思い出してやってみたら仮面出せた。で、有給取って虚化を鍛えようと思ってたら俺の中で名称不明の斬魄刀である仮名照魔鏡と、俺の色が白黒っぽくなったのが談笑してた。破壊衝動に塗れてるわけないとは思ってたがまさかここまで和気藹々としているとはちょっとしか思ってなかったので驚いたが、まあ好都合だわな。
「よう俺」
『お、来たか』
「待ってたぜー」
ちなみにこの世界には名無しのあの刀はいない。正確にはこの世界は俺の世界であるから俺以外は入れない。元々俺である虚の俺と、元は千の顔を持つ英雄である仮名照魔鏡は俺だから問題なく入れるが、名も無きあの刀は俺の力を受けて育ちはしたものの俺では無いからこの世界にはいないわけだ。いや、もしかしたらいるのかもしれないが、少なくとも俺には発見できない。
あいつに会うにはあいつを使ってあいつの心象に行かないとならん。まあ特に何もしないでも行けるこの世界と比べていく頻度が落ちるのはしゃあないわな。
「合言葉は」
「『そうだ、布団行こう』」
「完璧だな。虚の力使いたいんだけど暴走とかさせないでくんね?」
『三食はいらんから朝寝と昼寝と夕寝と夜寝を所望する』
「それ24時間寝てないか? まあ寝てれば大人しいのも俺っぽいか」
『俺はお前だからなぁ……あ、それとあの名前のない刀あったろ?』
「あったな」
『俺の刀にしたからな。始解状態は今のままだが卍解として帰刃できるようにしておいた。見た目は特に何も変わらないから安心しろ。何しろ俺はお前だからな』
「名前は?」
『俺はお前だ。要するにそういう事だな』
「……もしかしたら俺もそうかもしれん。霊圧を完全に遮断するようなところで試してみてくれ」
「わーお。解った、やってみよう」
話はついた。正直こんな簡単でいいのかと思ってしまったが、まあ別に構わんだろう。楽に終わるならそっちの方がいい。ただ、相手が俺だと言う事を考えると色々と仕込んでても不思議には思わない。まず間違いなく俺が破滅するような事ではないだろうが、代わりに何が起こるかはいまいちわからん。多分周囲に被害は出ない類だろうが……出たとしても敵だけだろう。
原作では虚の自分は本能に忠実だとか言う描写があったが、俺の本能は睡眠欲でおよそ八から九が埋まっているので妥当な線か。戦いにならなくてよかったよかった。強くなりたいって欲もまあ多少はあるが、基本的かつ根本的に他人のために強くなりたいとか思えない質だからな。あれだ、俺は俺のために強くなることを決めた、って奴だ。あんま意味はねえけど。
Q.ちょっと待ってそれでいいの?
A.本人がいいって言ってるんだいいいんじゃないですかね?
Q.解号ってまさか……
A.『布団いこう』だったら面白いですけど残念ながら変えたやつに合わせて変わるんです。
現在ヒロインなんて考えてないんですけどもしもヒロインにするなら誰?(なお内容によっては現在書き上げた物の大半が消し飛ぶことになるので更新に大幅な遅れが出ることがあります)
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四楓院夜一
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ティア・ハリベル
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バンビエッタ・バスターバイン
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ヒロイン無し