side 織斑一夏
完全に忘れてた。そう言えばあったなこんなこと。だが、確か昔にそんな感じの事があったから一応手は出した気がする。具体的に何をしたかは正直よく覚えてないが、確か……そう、霊王の身体の一部を集めてなんかしようとしてた奴の命令を遂行しようとする奴に霊圧かけて磨り潰してそれから……なんだっけか? 忘れた。
集められた奴に対して確か、殺しはしなかったが死ぬようなことはした気がする。霊王の欠片さえ集められればいいはずだからとそれを取り出して適当に纏めて……で、霊王の欠片があって当然だった人間達の魂魄が不安定になっていたから何とか霊子で埋める形で誤魔化して……あー、結局どうしたんだっけか? 何人か記憶を一部失ったりしたんだっけ?
まあともかくそこまで悪い関係にはなっていなかったはずだと思う。ただ、あくまでも俺が行った時の話だしその時に『死神の後ろ暗いことやってる奴らがこれこれこんなことやろうとしてたからもうやめといた方が良いと思う』的なことを伝えたような覚えがある。信じないだとか何とか言ってたような覚えがなくもないが、俺は別に信じてもらう必要性を全く感じなかったから言うだけ言ってさっさと帰ったんだよな。霊圧感知システム? 霊圧を一切外に放出しなければ全く問題なかろうよ。
その後は知らん。もしかしたら原作のように死神に敵対する組織を作っているのかもしれないし、もしくは死神は関係なく完現術師の組合のような物でも作っているのかもしれない。それで何をするのかはマジでわからんけど。
で、万が一原作と同じようなことをしようとしているのであれば殴り潰してやらないといけない。なぁにここの世界の奴の大半は時間を止めて物理でぶった切れば死ぬさ。死なない奴は完全に分解してやればいいしな。
……それでも死ななかったら? 世界ごと滅ぼせば何とでもなる。少なくとも世界を滅ぼしてそれでも追ってくるような奴を相手にして手加減するのは面倒だしな。
side 黒崎一護
戦いの場は空座町から断界へと移る。藍染の目的がなんだったのかはまだわかってねえが、少なくとも尸魂界が推測していた『王鍵の作成』と言うのは違うらしい。空座町に手を出すつもりはこれっぽっちも無いようで、わざわざ転界結柱とか言う空座町を尸魂界に一時的に移動させるための道具を壊してから世界の境界に移動したんだからまず間違いないはずだ。
「そうとも。君ならば空座町を守るためにある程度安全が保障されていた方が戦いやすいと思ったのだがね」
「間違ってねえな。空座町で本気で戦ったら霊圧だけでみんな死んじまうよ」
「その点この場所であれば君がどれだけ霊圧をばら撒いても全く問題ない。それは私にも言える事ではあるのだがね」
「……お前守るものとかあんの?」
「あるとも。私は私のために、私のなけなしの誇りとでも呼ぶ物のために戦っている。そのためならばおよそあらゆるものを犠牲として受け入れるし、およそあらゆる事を行い、また受け入れる」
「へぇ……そうかよ」
誇り。こいつの誇りってのはまだわからねえが、何らかの形で芯は持っている。そしてその目的のために、全力の俺と戦う事を求められているわけだ。
……全力か。現実で全力になるのは初めてか?
『そのはずだな』
『そりゃそうだろ、お前が全力なんて出したらそれだけでバランスが崩れ……は、流石にしねえだろうがそれでも相当の被害が出るだろうよ』
だよな。俺の中の世界なら俺がやる分にはぶっ壊れようがなんだろうがさっさと直るし気にせずやれたんだが、周りに誰かがいるところで暴れ回る気にはなれねえし。
仮面をつけるのではなく、本格的な虚化をする。頭の片方に角が生え、知覚に虚のそれが加わる。
血管に霊圧を流し、自身の身体能力を引き上げる。皮膚の硬化と移動速度及び筋力の強化。
精神の中で何度も戦い、何度もぶつかり合い、それでも共に在り続けた斬月の性能をより引き出す。
名を呼ぶ。現実では初めて、二つの斬月が重なり、鞘から抜かれる。
「───『天鎖斬月』」
瞬間。月牙を纏わせた天鎖斬月が、藍染の身体を一刀のもとに斬り伏せた。
しかし即座に追撃する。片腕を失い、片腹から腰で両断されているとはいえ相手はあの藍染だ。どこまでできるかなど分かったものじゃないしこの程度で止まるような奴じゃないことはよく知っている。実際に追撃の刃は藍染の鏡花水月に阻まれて上半身を吹き飛ばす程度にまで被害を抑えられてしまった。
しかしそのうちに下半身を縦に両断し、更に刃を纏う月牙を枝分かれさせて無数に切り刻む。
「おやおや、念入りに刻むじゃないか」
「目を放したら蹴り飛ばされそうな気がしたんでな」
グズグズになるまで刻んだ藍染の下半身だった肉の塊に天鎖斬月を突き刺し、石田の振動する矢と同じように高速振動させて霊子の結合を緩めて分解、月牙に取り込んで威力を増しておく。月牙は要するに固めた霊圧を斬撃の形で飛ばすものだから、外から霊圧を持ってくればそれでも作れるのは道理。流石に他人の霊圧をどうこうするのは難しいが、かつて他人のものだっただけの今そこにある力の塊であればなんとかなる。死神はそういうのを扱うことに長けているし、滅却師はそれが霊子および霊圧ならば死神以上に扱えるらしいしな。
しかし、月牙に食わせたはずの藍染の半身の分の霊圧が一瞬で消える。そして一瞬も目も意識も外していないにもかかわらず、藍染の身体が元通りになっていた。
幻覚ではない。間違いない。間違いなく斬ったし霊子にまで分解したし霊圧として食わせた。だが目の前には完全な状態の藍染がいる。そして、今のは不意打ちだからこそ軽く一刀両断できたが次はそう簡単にはいかないだろうと予想させられる。そういう雰囲気がある。
どういう方法でやっているのかはわからないが、今の回復は鬼道じゃねえし井上のやってるみたいなのでもないということはわかる。あんな一瞬じゃ無理なはずだからな。
俺の知っている範囲で相手のできることを考える。分身……残像ならできるだろうし鏡花水月で幻覚を見せているなら簡単なことだろう。だが多分違う。
分裂……わざわざそんなことをしない方が強いのは間違いない。分裂したら一時的に弱くなるのは間違いないし、その状態で剣八を相手にできるならいくら不意打ちしたとはいえ俺がぶった切れるわけがねえ。
超速再生……違う。今の現象に霊圧の動きも生物的な反応もなかった。
崩玉の力……これは俺にはわからねえから考えるだけ無駄。だが、できそうな気はしなくもないが今は無理そうな気もする。別の事に力を使いまくっている気がするしな。
……わかんねえなこれ。とりあえず崩玉の力ってことにしてくとする。わからねえものはわからねえしな。
本編完結後にこの話の外伝的な物を書こうかなと思うのですが、大雑把な内容をアンケートします。なお、ちくわ大明神が頑張ることでこれらの話は実現されますので無理だろとか思わないで大丈夫です。
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