BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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BLEACH~11

 

 side 織斑一夏

 

 零番隊には尸魂界の全ての物に名前を付けた男がいる。そいつははっきり言って大分頭がおかしいが、何より頭おかしいのは斬魄刀が言霊特化型と言う所だ。なんだよ言霊特化って頭おかしいんじゃないのかと。流石の俺でも他人に名前を呼ばれることで死んだ自分を蘇生させるとか頭のおかしいことはできんぞ。

 だが、言霊ってのは極めればこんな頭おかしいことができるわけだ。噂をすれば影、って言葉があるが、真名呼和尚のあれはその究極系だな。名前を出せば蘇る。名前を出せばそこに居る。この世界における言霊使いの究極点と言える存在だ。流石に真似るには時間がかかりそうだし、それに関してはのんびりやっていく事にする。

 

 それと新隊長が決まった。また脳筋だったがそれでも一応仕事はやろうとしてくれる。一切やろうという気配を見せなかった前隊長と比べるまでも無いが、しかし戦闘に関してはやや劣る、と言ったところか。まああんなんでも十一番隊の隊長をやってた奴なわけだし、実力で言うなら非常に高くて当然なんだよな。面倒臭いが。

 だが、一応副隊長として色々教えればちゃんと覚えようとしてくれるしありがたいっちゃありがたい。失敗もそこそこするが徐々に減ってきているし、書類の前で頭から煙を出して突っ伏しているのを見ると新鮮な気分になる。俺の書類作りが早すぎるのがある意味問題だそうだが、それに関しては数百年も隊長から執務を押し付けられながら自分の時間を作るために努力すればできるようになると答えさせてもらった。事実ではあるが実際は仕事はさっさと終わらせて普通に自分の時間を作っていたんだがそこまで言う必要は無いからどうでもいいな。うん。

 時々仕事から逃げ出す事もあるが、息抜きは必要だから三時間程度は大目に見ている。ただし、当たり前の事なんだが片付けない限り書類は減らないしむしろ増える。そして何が何だかわからないうちに身体が闘争を求め、フロムがアーマードコアの新作を出す。いや、出ないが。

 

 そういう事もあって俺の縛道の腕は着々と上がっている。隊長の足を縛り上げて逃亡を阻止したり、隊長の身体を縛り上げて逃亡を阻止したり、隊長と周囲の空間を区切って逃亡を阻止したり、ともかく逃亡阻止と足止め系の縛道は中々に上手くなった。多分鬼道衆でもそこそこやっていけるレベルだろう。知らんが。

 あとついでにオリジナルの鬼道も覚えた。と言っても基本は霊子操作系の技能であって鬼道と言っていいかどうかは知らんのだが、相手の鬼道系の術を霊子に分解することで無力化する術だ。多分原作における二番目の破面の能力にも対応できるだろう。相手の術の効果が出るより早く分解するようにできているからな。

 ただし、これは鬼道だ。つまり死神であれば練習すれば大体使えるようになると言う事だが、俺なら自前の操作能力だけでできるのをなんとかかんとか術にまで落とし込むのは中々面倒だった。

 基礎は断空。そこに滅却師の使うゼーレシュナイダーをヒントにして敵の術や霊圧放出系の技を解体して霊子に戻す術式を組み込み、術を受け止めつつ解体した霊子は受け流すように作り替える。面倒だったしそもそも俺には必要かどうか怪しい術だったが、とりあえず鬼道衆には教えておいた。上手く使えば虚閃も無効化できるはずだが、その辺りは使う奴次第だ。俺は知らん。

 攻撃系の術? 霊子の膜を拳に纏わせてそれを高速で振動させながら殴る疑似振動破砕なら作った。普通の振動破砕は……と言うか俺の持つIS系の元転生特典は全部完全物理だ。原子ではなく霊子で構成されたこの世界だとイマイチ役に立たない。役に立つとしたら自分の思考速度を上げる不可侵の秘書と移動速度を上げるライドインパルス、投擲物であれば原子も霊子も関係ないスローターアームズくらいで、よく使っていたディープダイバーやシルバーカーテンなどは霊子をすり抜けられなかったり物質的ではない光を操作できなかったりと機能不全を起こしてしまっている。残念極まりないが仕方ないね。世界の法則と構成物質が違うからね。

 

 しっかしまさか俺がここまで真面目に働くことになるとは思わなかった。今までは真面目と言っても裏で色々と遊んだりしていたし、本当に必要だった動きをしたりとかしなかったのにな。まあそれもこれも原作の知識だのなんだので未来を知っていたから言えることで、周りが何も知らない以上俺が責められるような事は全くなかったわけだが。

 それはそうとそろそろ俺も自重を少しずつなくしていこうか。仕事はきっちりするがそれ以外は色々とぶん投げる方向で行こうと思う。責任とかそう言うのは俺じゃなくて隊長にお願いします。俺はあくまで副隊長なんでね。副隊長としての仕事は十分してるはずだから文句を言わせるつもりはない。

 護廷十三隊を抜けるとしたら、多分原作が終わってからになるだろう。それまでは十分仕事を片付けつつできるだけのんびりと死神生活をしていこうと思う。

 




Q.転生特典って機能不全起こすんだ……?
A.よく考えて? アクセル・ワールドの世界にノーゲーム・ノーライフのジブリールがいたら、電脳空間では魔法が使えないからポンコツにしかならないでしょ? 原作順守ならそう言う風になるようになってるんだし? いやまあ身体能力は高いけども!

Q.ちなみにアクセル・ワールドに一夏が行った場合どうなんの?
A.元々の加速に加えて自前の加速によって時間を止めるどころか巻き戻し、自分がダメージを負ったと言う事実を無くしながら一方的に殴ってきます。まあそもそもダメージを喰らうようなことがあるかどうか怪しいですが。あと、電子系世界なのでISは大体機能します。インフィニット・ストラトスを除く。

現在ヒロインなんて考えてないんですけどもしもヒロインにするなら誰?(なお内容によっては現在書き上げた物の大半が消し飛ぶことになるので更新に大幅な遅れが出ることがあります)

  • 四楓院夜一
  • ティア・ハリベル
  • バンビエッタ・バスターバイン
  • ヒロイン無し

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