side 黒崎一護
わかったことは、どうやらここでは俺は死神としての力を失っているらしいということだ。死神としての力だけじゃなく、虚の力も滅却師の力も無くしているって言った方が良いか。
多分だが、最後の月牙天衝をクソ真面目に自分を使ってやったんじゃないだろうか。そうでもなければ生きている状態で俺が霊力に関わる力を失うとか考えづらいもんな? 知らねえけど。
だけど妙な話だよな。そうなると藍染が俺一人分程度で致命傷を与えられたってことになる。俺と戦った藍染は首を飛ばそうが臓物をぶちまけようが即座に何もなかったように元通りになって戦いを続けたってのに……もしかすると、ここの奴はみんな全体的にそんな強くないのか?
よくわからねえが、ともかく今できることをやろう。俺が一体いつまでここに居るのか、ここに居なくちゃならないのかはまだわからない。もし何日もってことになると、食事なんかが問題になってくるが……それは虚になって虚を食えば賄える。やりたくねえけど井上も同じようなことをやっていたしできなくはない。やりたくねえけど。
だが本当に腹ごしらえってのは大切だ。腹が減ってちゃまともに戦うどころか動くこともできなくなったりもするからな。仕方ない仕方ない。死神でも生きているし、俺は死神代行で人間だからな。同時に虚で滅却師でもあるけどな。
『……おかしい。明らかにおかしい』
何がだよ、斬月のオッサン。この状況でおかしくない事なんかねえと思うんだが、それでも気付いたくらいおかしいことなら言ってくれ。俺には知らねえことも多いからな。
『現世に居る滅却師の数が明らかに少ない。確かにかつて死神と戦争をして殆どの滅却師は死に絶えたが、それでもまだ数えるのに苦労する程度には残っていたはずだ。しかし───』
足りないってか?
『そうだ。……ここから先は私の推測となるのだが、恐らくここでは歴史が歪められていないのだろう』
……? 歴史が歪む? それはどういうことだよ?
『細かい説明をしたところで理解することは難しいだろう。故に簡潔に纏めると、何らかの事象が原因で私達の辿ってきた歴史とは違う筋道を辿ることとなった世界なのだろう。今時の言葉で表すのであれば、並行世界と言う物が最も当てはまるのかもしれぬ。それも、恐らくは相応に遠い世界だ』
並行世界に距離の概念とかあんのか?
『正確には距離ではないが……まあ、ある。そして何となくだが原因もわかった』
『俺もなんとなくわかったわ』
『察したね』
あ、やっぱそういう感じ? じゃあせーので言ってみるか。せーの
「『『『織斑一夏』』』」
だよな。こういうでかいことの原因と言えば織斑さんと相場は決まっている。で、織斑さんが何をどうするとこうなるんだ?
『いや、恐らくだがこの世界では織斑は何もしていない。存在すらしていないだろう。つまりは何もしていないからこそこうなったのだ』
あー……つまり、あれか。織斑さんがいない世界だとこんな感じになる、って感じか?
『恐らくな』
そうか、織斑さんがいないとこんな感じになるのか。なんか俺は弱いし、俺以外も弱いし……ただ、どうも物質の強度はこっちの方が高いような気もする。気のせいかもしれねえけど何となくそう思う。そのあたりの事はよくわからねえしどうしようもないから置いとくとして、やるべきことが他にもある。
飯は虚でいい。着るものは……今なら汚れは霊子だから分解すればいい。住むところについての問題がまだ残っている。すぐ帰れると分かっているならともかく、いつまでここに居なくちゃいけないのかわからねえ今の状況だと住むところが無いのは結構な問題だ。
が、それもなんとかなる。織斑さんから前に聞いたが、滅却師は昔の戦争で敗走したが瀞霊廷の影の中に空間を作ってそこで生き延びていたらしい。まあ織斑さんに感知されて侵攻されて半日もしないで滅亡させられたらしいが、まあそれはそれ。今の状況には何の関係もない。
関係があるのは、影の中に空間を作ってそこに入ったと言う所だ。
……多分だけど、斬月のオッサンもできるはずだ。俺の中の滅却師としての力の象徴らしいし。できるだろ?
『できるぞ。やるか?』
場所選ぶのは任せるからいい感じの所見つけたらやってくれ。
『夜であればどこでもできる。夜とは即ち地球の影だ』
思った以上に便利なんだな。滅却師の能力ってのは小技が多いイメージだったんだが、どっちかってーと虚の力が大味なだけなのか。
『死神の力なら使い方次第だがよ。お前の場合はそれも大味だな』
困った、なんも反論できねえや。実際鬼道とか使えねえし、元からできてた殴る蹴るとか走り回るとかに加えて剣術を少し覚えたくらいだもんな。
それじゃあ衣食住については大体解決したところで、これからどうやっていくかを考えるとしようか。
ここに来た目的は修行で、俺はもしかしたら起こるかもしれない未来のために強くなりに来た。その未来が一体どれだけ先の事かはわからねえし、そもそも俺が生きている間には来ないかもしれねえけどよ……可能性がそれなりにあって、そうなったらみんな死んじまうんだったら───そりゃあ何とかするために備えるくらいはするだろうよ、当然。
本編完結後にこの話の外伝的な物を書こうかなと思うのですが、大雑把な内容をアンケートします。なお、ちくわ大明神が頑張ることでこれらの話は実現されますので無理だろとか思わないで大丈夫です。
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