side 黒崎一護
ふと気付いたんだが、完現術は物の魂に干渉してそのものが持つ力を引き出す能力だと言われている。それは例えば道路に使われているアスファルトに対して反発力を引き出させて走る際に加速したり、霊子に干渉して足場としてより強固なものを作ったり、水に干渉して手を一切動かさないで水を飲んだりすることもできる。
だったら、俺自身に干渉して俺の霊力をより引き出すこともできるのでは、と思ったわけだ。特に滅却師の能力を強く引き出せれば一時的にでも強力な技を使ったりできてもおかしくないと。
「どう思う?」
「正気じゃないと思うね」
「狂気に満ち満ちていると感じている」
「頭おかしいとは思うが結構好きだぜそういうの」
なんか頭おかしいと言われた。いや実際にチャドは自分の皮膚に完現術を使って肌の強度や殴りつけた時の威力を底上げしているし、俺も似たようなことができないかと思っただけなんだが。干渉するのが肌と言う身体の一部ではなく魂であるというだけで似たようなもんだろ?
「車で言うのであれば、あの男が一般の車の外装やタイヤを変えることで速度を上げているとするとお前がやろうとしているのはガソリンエンジンをディーゼルエンジンに変えるのと同程度には規模が違うが?」
「あるいはニトロでも積む感じか? 当然その加速に耐えるために全体を改造する感じでな」
「一般死神と仮面の軍勢程度には違うと思われるがね?」
「そんな違うか? やってみたけどそんな違わねえと思うんだが」
「はえーよホセ」
「誰だよホセ」
やってみた感覚としては、正直そこまで変わらない。感知できる範囲がなんとなく増えたような気がするのと、集められる霊子量が僅かに増えたような気がするくらいだ。まだ慣れてないからかどうにも特定の能力を引き出すのが難しく感じるのはまあ仕方のないことだと思っている。
だが、結局のところ慣れだ。大体のものは慣れでどうにかなる。多分な。どうやら俺がやっていること自体は基礎の技術であるようだし、そういうのに関してはもう慣れるしかない。人間で言えば走る事とか泳ぐことに近いかもしれねえな。特に練習らしい練習をしていなくても多少はできるがしっかりと記録を出したりするには練習が必須になるって感じだろう。
とりあえず、使い続けようか。戦うにしてもまずは基礎が必須だってのは織斑さんとの修行でいやって程叩き込まれたからな。流石にありとあらゆる小技を能力の差で踏み潰そうとするにはまだ足りないだろうからこういう基礎をおろそかにはできない。織斑さんはおろそかにしているようにしか見えねえけどなんか寝てるだけで勝手に強くなっていくとかいう頭おかしい状態らしいからあれが織斑さん自身に一番合う修行方法なんだろう。多分。
……いや待て。そうだ。織斑さん。そうだ。今まで何度も何度も見てきたじゃねえか。自分の魂の力を引き出してなんかやってる織斑さんの姿と、その発露を。まあ大体パンジャンドラムが出てくるんだが。
あれはまず間違いなく織斑さんの魂の力でなんかやっているはずだ。少なくとも死神の力でも虚の力でも滅却師の力でもなかったし、なんなら完現術でもなかった気もするがそれでも『魂から力を引き出す』と言う一点においては俺が今目指しているところと到達点は同じはず。あれと同じに行くとは思わないがそれでも方向だけは見えた。ちょっと遠すぎるが。
ただ、同じようなことをやろうとしたら魂にかけている封印が弾けかけた。よく考えてみれば魂から力を引っ張り出すってことはそう言うことだよな。滅却師の力については周りに知られることの無いようにゲーム感覚で鍛えていくとして、できることだけしていこうと思う。無理はできないから無理って言うんだしな。
「ついでに死神の力も鍛えようか。バランスを取るのは大切だよ」
「死神の力と虚の力の成長が著しすぎてバランスが崩れたからこうやって滅却師の力の修行をしに来たんだけどな?」
「安心しろ、一護。お前の中の力は成長こそしていないが代わりに崩玉によって魂そのものの格は上がり続けている。だからこそあれだけの霊圧をその身に収めたまま行動できるようになっているのだ。今であれば封印を無くしても問題なく活動できるだろう。周囲の被害を考えなければ」
「最後の一言のせいでまだしばらく封印外せなくなったんだが」
「そんな時こそ滅却師の力で霊圧を収束させればいいんじゃね? ……あ、できねえのか」
「いつも通りお前を殺す」
「やってみろよ王サマよぉ!」
───ミヨウミマネダオラァッ!ジョインジョイントキィデデデデザタイムオブレトビューションバトーワンデッサイダデステニーナギッペシペシナギッペシペシハァーンナギッハァーンテンショーヒャクレツナギッカクゴォナギッナギッナギッフゥハァナギッゲキリュウニゲキリュウニミヲマカセドウカナギッペシッアッミスッタッ!!
───バカガァ!オラァ!フヌケガァ!フヌケガァ!オラア!フヌケガァ!ナントジャロウゲキ!コノカオノヨウニミニククドウダクヤシイカァアハハハハァー!
「……おや、今回は負けてしまったか見様見真似であれをするのはまあ落してしまっても仕方ないとは思うがね?」
「場所も悪かったな。あそこでは滝などのエフェクトの関係でラグが発生しやすくコマンドを最速で入れるとたまに入力し損ねることがある。そのあたりも考えねば修羅にはなれんぞ」
なりたくねえよ別に……。
本編完結後にこの話の外伝的な物を書こうかなと思うのですが、大雑把な内容をアンケートします。なお、ちくわ大明神が頑張ることでこれらの話は実現されますので無理だろとか思わないで大丈夫です。
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