BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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BLEACH外典07

 

 side 黒崎一護(原作)

 

 銀城から話を聞いて、親父と浦原さんが何か話しているのを見て、井上とチャドに何かがあって……俺はできるだけ急いで死神の力を取り戻さねえといけないと心に刻んだ。

 ジャッキーと戦って俺の完現術は形を変えて纏う物になり、銀城と戦って完成した。完現術の力は俺の中に眠っていた死神の力と混ざり合い、一つになっている。

 

 そして、俺の前では理解のできないことが起きている。

 

 月島。まるで理解できねえけどなんでかそいつは俺の家族と顔見知りと言う顔をしてそこに居た。それどころか井上も、チャドも、たつきも、月島を恩人や家族のように扱っている。

 何もわからねえ。どうなってんのか、どういう状況なのか。ただ、この状況は月島によるものなんだろうということだけはわかっていた。

 

 銀城と話して、状況を確認した。月島を殺すために戦いに挑み、井上やチャドが月島に味方して、それでも戦って。

 銀城が月島に斬られて、銀城が俺の味方をしていた時の方がおかしかったのだと知らされて。

 

 そして、銀城が俺に剣を突き刺そうとしたところで───誰かが現れた。

 

 そいつは黒い外套を着て、顔を隠していた。手も足も顔も、見えている場所全部が黒であるとしかわからなかった。

 そいつはいつの間にか武器を構え、そしていつの間にか銀城の剣を横から消し飛ばしていた。

 そいつは、滅却師のものだと思われる弓を構えていた。

 

「……誰だお前は」

 

 答えは言葉ではなく矢で返された。反りの強い二本の刀の柄尻を合わせたような細身の弓に霊子が収束されて放たれる。銀城が避けるよりも弾くよりも早く武器ごと腕を吹き飛ばしたその矢は銀城以外には一切の被害を出すことなくその場で霊子に溶けて消え、再びそいつの手元に現れた。

 痛みに悶える銀城に気を取られた瞬間、月島がそいつの背後から斬りかかる。だが月島の刀がそいつを斬ることも、それどころか月島がそいつに挟み込むこともないまま同じように月島の腕と武器が消し飛ばされる。

 それを見たチャドがそいつに襲い掛かり、井上が銀城と月島の傷を治そうと双天帰盾を使い、突然完現術が霊子にまでばらけてそいつに取り込まれていく。

 

「……なるほど、こうやるのか」

 

 瞬き一つするより速く、その場に居る全員が戦える状態ではなくなった。俺も、銀城も、月島も、チャドも、井上も、石田も、下に居たリルカたちも、全員が根こそぎ霊圧を奪われた。俺のように霊力そのものを失ったわけではないみたいだからいずれ回復はするだろうが、今ここで戦うということはできそうにない。完現術は解け、異様な重さが身体にのしかかる。

 だが、こいつから霊圧は感じない。藍染のように大きすぎてわからないとかではなく、本当にまるで感じることができない。身体が重いのは霊圧を一気に失ったせいで意識が遠くなりかけているのと、銀城に斬り付けられた身体の出血からくるものだろう。

 

 ガンッ、と銀城がもう一度剣を呼び出して杖のように突き立て、立ち上がる。その一瞬の間に自分を斬った月島は何故か怪我を治して再び斬りかかり、そいつの身体に飲み込まれて消えた。

 

「おい……月島をどうした」

「……」

 

 返答は再びの霊子の矢。今度は受けることなく避けようとして、しかし追尾するその矢に残った手足を撃ち抜かれる。

 

「……便利な能力だな、これは」

 

「立てるか? 銀城」

 

「……おいおい、少しくらい加減してくれてもいいじゃねえかよ。お前は本当に変わんねえな」

「そうだな」

 

 ……何が、起きた? あんだけ不審な目を向けていた相手に突然友好的に話しかけに行くなんて、それは───

 

 どす、と、俺の胸に矢が刺さる。井上にも、チャドにも、石田にも、そして多分下の奴らにも。

 

「なんだ、お前は違うのか」

「見てただろ。黒崎はちげえよ」

 

 俺にだけもう一度矢が撃ち込まれる。石田がそれを防ごうとするがそれも追いつかないほどの速度で俺を貫いて、何も起こさないまま抜けていく。傷も無く、痛みもなく、何が起きたのかもわからないまま。

 

「おい、どこ行くんだよ。黒崎の力はいらねえのか?」

「必要な分は手に入れた。後は勝手にすればいい」

 

「できるものならな」

 

 そいつはその場に何もなかったように立っている月島を残して消えた。その後の事は知っている通り、ルキアたちから死神の霊力を渡されて完現術ではない死神の力を取り戻し、銀城や月島と戦って、勝った。

 護廷十三隊が俺に持たせた代行証の事も聞いた。俺はそれを受け入れて、これからもそれを持っていることにした。戻った死神の力で、これからもみんなを守っていく。

 

 ───ただ、気になる事が一つある。代行証の周囲を監視する力があったはずなのに、あの黒い影の事は全く映っていないようだった。まるで存在そのものが初めから無かったかのように。

 石田も、チャドも、井上も、誰もそいつの事を覚えていなかった。護廷十三隊にもその存在は届いていなかったし、十二番隊の計器も何も感知していなかったらしい。なんならこういうことを一番詳しく知っていそうな浦原さんにも聞いてみたが、やっぱりあの時あの場所には俺達以外には誰もいなかったって答えしか返ってこなかった。

 

 助けられたのか、それとも何かの目的があってそれをした結果勝手に助かったのかはわからねえけど、もしもまた会うことがあったなら色々と聞いてみたいことができた。どうしてあそこに来たのか。どうやって月島の能力を覚えたのか。そして……どうして俺を見る目だけが妙に面倒臭げだったのか。

 もしも次があれば、聞いてみようと思った。

 

本編完結後にこの話の外伝的な物を書こうかなと思うのですが、大雑把な内容をアンケートします。なお、ちくわ大明神が頑張ることでこれらの話は実現されますので無理だろとか思わないで大丈夫です。

  • 原作世界に一護達in
  • 事前に見えざる帝国滅ぼしてなかった世界
  • 尸魂界でP1グランプリ開催
  • 虚圏でP1グランプリ開催
  • 全部やろうか(マジキチスマイル)
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