side 黒崎一護
代行証を補足されたようで、俺に連絡が届いた。この世界の俺本人ではないが、俺も俺だからいいか。
「はい?」
『黒崎一護か!悪いが緊急事態だ!今すぐにこっちに来てくれ!』
「……わかった、すぐ向かう。ただ……」
『ただどうした!?』
「……ちょっと、見た目が悪い方法で行く。浦原さんのとこに行くよりこっちのが早いからな」
虚の力で黒腔を開き、そこに入り込む。その前にこの世界の俺の代行証を浦原商店の地下にある影の中に飲み込んでおく。これで俺が居なくなると同時に代行証も現世からなくなったという事実が残る。
黒腔はなんかよくわからねえが断界の外側を埋め尽くしているらしいから尸魂界のおよそどこにでも繋げることができるし、やろうとおもえば尸魂界の方で開かれた道に横から開けることもできなくはない。断界の中の時間圧縮を使うことで更に速くできそうではあるが、その場合十二番隊の指定したところに出なければならなくなるので面倒事が増えそうだしやめておこう。
時間にしたらほんの僅かな時間だが、その僅かな時間が一体どれだけ長く感じたのかはわからない。しかしそれでも俺に───正確には黒崎一護にだが、助けを求めてきた相手に大きな被害が出る前に到着できた。ただ、俺が虚化して黒腔を使って現れたことには驚いたようだったがそれでも時間の流れの事なんかはしっかり理解してくれたので説明は少なく済んだ。
さて、それじゃあ。
まずは手近なところから殺していこうか。
肌が黒い奇妙な杖を持ったヤツを小剣、滅却師の力の宿る方の斬月で叩き斬る。脳天から股下まで綺麗に両断されたそいつから何かが抜けて一番隊の方に消えていくのを感じ取った。
同じようにもう一人、適当な所に居たこれまた黒い肌に奇妙な髪形の男を斬り捨てると、これも同じように一番隊の隊舎の方に消えていく。
……どう思う?
『私だな。どうやらそこに居るらしい』
『今の力の流れ、もう一度よく見といた方が良いんじゃねえか? 今抜けてった何かって多分そいつの持ってた力だろ?』
ああ、なるほど確かに。じゃあもう一人、適当に誰かぶった切っておくか?
『んなことしねえでもそこに転がってる奴に「斬りつけられたが今まで命に届いていなかった」って過去を挟んでやればもっかい見られんだろ』
お前頭柔らかいな……しかももう一回斬れば元通りになるから二回強くなられることもないだろうし。そういう訳で実行。
……なるほど。なるほど。こうやんのか。なるほど。これは俺には無理だな。先に奪ってもいいがその場合俺の力とくっついたら俺の力ごと持っていかれそうな気がするからやめとく方が無難か?
ただ、多分再現はできそうな気もする。霊圧任せになるだろうから普通に殴るなり斬るなりした方がよっぽど早そうではあるが。
そんなことを考えながらもう一度斬って挟んだ過去を無かったことにして、ついでにそいつの過去に割り込みまくって滅却師としての修行をしておく。こいつ……ナナナの過去では俺とナナナは滅却師として共に技を高め合った仲だったということになったが、そういうこともなくなった。だが俺には経験として残るのが便利だな。
しかしなるほど、滅却師ってのは本当に虚に対してあまりに弱いんだな。そんな印象全くないんだが、本当にそうやって教えられていることには驚いた。そして多分それが事実に近いってことにもな。そりゃ虚相手にあんだけ殺意高くもなるわ。
……問題は、なんで俺は滅却師でもあるのに虚を宿してなんともないのかって所だが。
『あれでなんともないといえるのは君くらいだろうと私は思うね。一応仮説ではあるが、恐らく死神の力が滅却師の力と虚の力の間の緩衝材のような物になっているのではないかと思うが、流石に今この場でそこまで詳しいことはわからないね』
まあそうだよな。仮説でも情報くれてありがとよ。
で……どっちに行く? 今危なそうな地上か、敵の親玉が居そうな一番隊か。滅却師の特性を考えれば多分親玉さえ生きていれば全部何とかなる類のものだと思うんだよな。逆に言えば、敵の親玉さえなんとかすれば全部解決しそうな感じ。代わりにもう暫く地上では頑張ってもらわないといけないが、そうしている間にもどんどんと死んでいく奴がいる。
いや、考えるより速くとりあえず一番隊に向かいつつ切れる奴を斬っていこう。まずはそこにいるなんかごつい男を斬り捨てておく。斬り捨てついでに過去を挟んで一瞬で修行を繰り返しておくのも忘れない。そしてこの男が奪ったらしい卍解の入ったメダルも貰っていく。何かに使えるかもしれないしな。なにに使えるかは正直予想もつかないが。
そういえば、一番隊の地下に何があるか知ってるか?
『真央地下大監獄という、何らかの理由で殺すことのできない囚人の繋がれる監獄がある。私がいるね』
お前こっちでも色々やらかしてんのかよ。俺たちの所とは多分理由とかも違うんだろうな。
『そうだろうね。こちらの世界にはどうやら織斑隊長はいないようだし』
織斑さんの消えた世界が即座に崩壊しないようにするための分銅を作る作業だもんな。俺がその分銅にされたことは未だに許してねえけど、まあそれが無ければ俺は産まれてすらいねえだろうから何も言わねえようにはするけどよ。
本編完結後にこの話の外伝的な物を書こうかなと思うのですが、大雑把な内容をアンケートします。なお、ちくわ大明神が頑張ることでこれらの話は実現されますので無理だろとか思わないで大丈夫です。
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