BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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BLEACH外典13

 

 side 黒崎一護

 

 目の前に男がいる。斬月のオッサンと同じ姿をした男が一人と、藍染と同じ姿をした男が一人。あと、斬月のオッサンに似た男の影の中に一人。とりあえず斬っておくことにした。

 影の中の男には月牙を。斬月に似た男には短い方の刀で直接の斬撃を。藍染と話をしていたようだがそれを待ってやるような優しさは少なくとも今の俺には存在しない。そこで、この男の異常さを理解した。

 

 この男の能力は、未来を見て、そしてその未来を自分の好きな形に改変すること。正しくは、無数に存在する可能性の中から自身の望む未来を探し出して全ての未来をその未来に塗り替えること。なんとも頭のおかしい能力だな、それは。

 

「黒崎、一護……か?」

「お前にはそう見えてんのか?」

 

 いや、俺は知っている。こいつの目に俺は見えていない。いや、肉眼であれば見ることはできるが、未来を見るというこいつの目に俺の姿は映らない。理由はわからないが、多分俺がこの世界の人間ではないからだろうと思われる。なにしろ俺はこの世界から見れば違う世界の人間らしいからな。この世界であれば万能───いや、全能かもしれないが、それは世界の外側には届かない。

 そして、そもそも全能ですら無いことも知っている。じゃなけりゃ俺に斬られて過去の出来事を知られるようなこともなかっただろうからな。

 

 俺は知った。覚えた。やり方も、感覚も、全部だ。それができるだけの実力も今得た。

 目を閉じ、()く。本来のこいつ、ユーハバッハが見ていただろう世界の未来が砂粒のように見える。だが、ユーハバッハがこの世界の事しか見れないように俺にも俺の世界の未来しか見ることはできないようだが……十分だ。見れるようになったことでどうすれば対応できるのかも理解した。

 そして、俺が間違いなくユーハバッハよりも優れていると言い切れる点がある。それは、ユーハバッハは現在より半秒であろうとも過去であれば改変できないが、俺は世界そのものに過去を挟み込むことで今より過去の事を改変できる。それも、過去から見た未来である今や今より前であっても問題なく。

 

 今、俺の前に居るユーハバッハは俺に一度斬られた……つまり過去を挟まれたということを認識できていない。そのことはもう確認した。ここから過去をどう変えることもできるが、それ以上にこいつ自身の滅却師としての成長を覚え、俺も同じだけ強くなり、滅却師として力の上下が出ない程度まで滅却師として強くなった。俺の中の斬月のオッサンも驚きながらも喜んでいる。

 それからユーハバッハの過去の中で出会った数々の滅却師にも同じように挟んでおいて、実力やなんかを集めておいた。できることはできるうちにやっとかねえと後々急がないといけなくなったりするからな。

 

「……武器が、違うな」

「いやいや、斬月だぞ? まあ斬月以外にも使うこともあるけどな」

 

 弓とかな。

 

 

 

 

 

 side ユーハバッハ

 

 誰だ。これは。

 

 目の前に居る存在に対して私の脳が理解を拒む。

 外見は黒崎一護で間違いない。しかし黒崎一護は先程虚圏で確認されており、今は虚圏と尸魂界の中間地でキルゲの檻に囚われているのが見えている。妙な物が走り回って軍勢は戦う前に潰され、キルゲも傷を負っていたようだがそれでも黒崎一護が今この場に居るのは明らかにおかしなことだ。

 そして今、私と遊ぶように戦っているこの存在は───私のいるこの場で滅却師の弓を作り出し、私の命に届きうる矢玉を作り、撃ち出している。

 

「しかし藍染、お前やろうと思えばこんなとこ簡単に出られるだろうに何やってんだ? あれか、自分の計画を見事に崩してみせたことに対しての褒美みたいな感覚でここに居たりすんのか?」

「……なるほど。どうやら君は私の知る黒崎一護とは異なる存在のようだ」

「まあそうだな。俺は藍染とは決着きっちりつけたし」

 

 輝きよりも速い矢が私の剣を貫く。即座に修復し、強化し、斬りつけようとして目の前に矢を発生させられ回避する。矢を放てば矢で撃ち落とされ、私が使っていた霊子を奪われる。滅却師として長く生きてきて初めての経験だ。

 影を使い一時撤退しようにも、この場に影は存在しない。霊圧で見ているから姿形を理解することはできるが、光の存在しないこの場には影すらなく、闇のみが広がっている以上影は使えない。天蓋に矢を放とうにも無間と呼ばれるこの場に限りは無いと言っていい程に広い。事実として果てはあるが、矢を撃ち込んだとしてそれが到達するよりも、そもそも矢を撃ち込むために意識をそらした瞬間に打ち取られる未来が見える。

 静血装を全開にしても意味をなさない。強く張られた布を斬るように容易く傷が入る。

 動血装を全開にしても意味をなさない。純粋な速度と力の差で容易く上回られる。

 力の奪取を行おうとすれば、その繋がりから逆に力を奪われる。

 霊子の支配力も届かない。自身と自身に接触している武器であればともかく、自身から離れた物は容易く霊子にまで分解されて奪い取られる。

 

「わざわざ完全じゃない状態でこんなところまで出てきてくれてありがとよ」

 

 心臓に刃が突き刺さる。心臓から刃へ、私の意志に無い力の移動が起こる。

 

「安心しろよ、ユーハバッハ。どうせ初めから何もなかったことになる」

 

 黒崎一護の姿をしたその男は、それだけ言い残して跡形もなく消えた。

 

本編完結後にこの話の外伝的な物を書こうかなと思うのですが、大雑把な内容をアンケートします。なお、ちくわ大明神が頑張ることでこれらの話は実現されますので無理だろとか思わないで大丈夫です。

  • 原作世界に一護達in
  • 事前に見えざる帝国滅ぼしてなかった世界
  • 尸魂界でP1グランプリ開催
  • 虚圏でP1グランプリ開催
  • 全部やろうか(マジキチスマイル)
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