side 黒崎一護
滅却師の能力ってのは凄まじく便利な物なんだな。なんと言うか、世界に干渉するのが基本の能力だからか理にまで干渉しやすい力だ。なるほど、YHVH、ユーハバッハなんて呼ばれるのもわかるな。
力を取り戻しきっていないユーハバッハでもあれだけ強かった。力を取り戻したユーハバッハであればどれだけ強くなるかなど想像もつかないが、既に見た。そして十分に凌駕した。
ナナナ・ナジャークープ。ペペ・ワキャブラーダ。ドリスコール・ベルチ。三人の滅却師の過去において、千年前に死亡する前のユーハバッハと一戦交えて勝利し、その力を三度奪い尽くした。そして俺の中の滅却師の力が高まるほどに、死神としての力も虚としての力も追い立てられるように、もしくは引き上げられるように吊り上がっていく。
藍染との戦いで得た、凄まじい量の力。純粋なエネルギー量で言えば間違いなく世界の崩壊につながるそのエネルギー量を使いこなすのに滅却師の力は非常に役に立つ。滅却師の力が馴染んでいくほどに俺自身の基礎能力が上がっていくのはそういうことなんだろう。
ユーハバッハは立ち去った。俺が見えていないように。俺との戦いなどなかったかのように。少なくともユーハバッハにとっては真実俺は見えておらず、真実俺との戦いなど存在しなくなったのだろう。
「驚いたね」
「そうかよ。悪いがお前と話をする気はねえんだ。ちょっとした世間話しただけでどんだけ情報抜かれるかわかったもんじゃねえからな」
磔の藍染を置いて俺はこの場を去る。やることもできることもいくらでもあるんでな。
それに俺はここに修行に来てるんだ。得られる物は得ておかねえともったいない。藍染に挟んでおくか少し悩んだがやめておくことにした。こいつに俺の能力できるだけ見せたくねえし、なんなら一見されただけで次通じなくなりそうな気もする。頭のいい奴ってのは本当に嫌だな、全く。
今回は滅却師寄りの力で戦った。挟んだ過去でも同じように。そろそろ別の力を主体にどこまで戦えるかも試しておいた方が良いかもな。必要あるかは知らねえけど。
『私と戦うにあたって霊子や能力の支配力を高めておくというのは大いに意味のあることだ。何も考えず戦っていれば奪われる可能性があるからな』
『まあ今の一護の能力を奪ったら内側から弾け飛んで自爆しそうな気がするけどな』
『中々高確率であり得るのが恐ろしい話だね』
いや、今の俺が抑えられてるんだし普通に耐えきれるんじゃねえの?
『無い』
即否定された……なんでそう無いって言いきれるんだ?
『虚と滅却師と死神の力を宿している君は、一般的な魂魄とはそもそも性質からして違う。通常であれば死神は死神としての力を使うために力に適した形に自身の魂魄を変質させるが、君の場合は虚に適した魂魄と死神に適した魂魄だけではなく滅却師に適した魂魄の全ての性質を併せ持つ形になっている。
しかし、虚と滅却師は根本的に合わない。そこで死神の力や人間としての成長性などが組み合わさることで水と油とでもいえる虚と滅却師の二つの力を繋げ合わせた上で可能な限り力を活かせる形になっている。恐らくだが、君が死神の扱う鬼道が苦手なのは虚と滅却師の二つの力を馴染ませるために変質させる機能として霊力を炎や雷、重力などに変質させる能力である鬼道を扱う部分を使っているからなのではないか?』
……死神の力が無かったら俺は産まれる前に魂魄からパーンしてた感じなのか?
『まあ恐らく』
怖えよ馬鹿野郎。つーかその原因お前じゃねえか。
『何なら君が産まれてくる原因でもあるね』
うるせえぶった切るぞ。
『相手になろう。ただし、また次の機会にね』
まあ確かに今やる事じゃねえわな。とりあえずまた適当に近くに居た奴を一人、異様に長い黒髪ストレートの男を斬っておく。恐怖がどうとか言っていたような気がしなくもないが結局のところ恐怖なんてのは気にしなければいい。いや気にするのが恐怖ではあるし今みたいに若干発狂してねえと無視とかとてもじゃないができねえが、今無視できるからそれでいいとする。
それから斬った奴から流れていく力を無理矢理押し留めて、奪い取る。ついでに白哉の霊圧を若干感じる丸い板……メダリオンに過去を挟み込んで色々と弄ってから何もなかったことにして叩き割り、中身を白哉に返す。死体に過去を挟み込み、さっきやったように過去でユーハバッハを殺して力を回収しておく。
いきなり飛び掛かってきた覆面男を斬月と月牙の双方を使うことで両断しつつ過去に挟み込み、その力の内容を理解して即座にもう一人の方も斬っておく。月牙でも過去を挟めるのは本当に便利だよな。
だがこのままだと話し始める可能性があるので話すことができない程度にどちらもさらに細かく切り刻み、死んだことで能力が回収されていくのを確認してからその能力も奪い取っておく。恋次と白哉が呆然として俺を見ているが知ったこっちゃねえな。俺この世界の存在じゃないようだし。
そうだ、何か土産でも持って帰った方が良い気がする。ただ、あっちの世界に存在するもので織斑さんが手に入れられないものって早々無いと思うし、本気で手に入れたければ作るとかもしそうだし、何を贈ればいいか迷うところだ。
……良いのが居るかとか気に入るかどうかもわからねえけど、どんなことをしてもいい女でも贈るか? いつも夜一さんをからかっている織斑さんだが、そういう関係にあるかどうかは知らねえし。というかそういう関係になったことはあってもどちらかというと浦原さんとの方が関係深そうなんだよな、夜一さんって。
まあ、いなければそん時はそん時で又何か考えればいいか。
本編完結後にこの話の外伝的な物を書こうかなと思うのですが、大雑把な内容をアンケートします。なお、ちくわ大明神が頑張ることでこれらの話は実現されますので無理だろとか思わないで大丈夫です。
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