BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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BLEACH外典15

 

 side 黒崎一護

 

 何度も能力を奪って気付いたんだが、どうやら技術面においては同じ奴から能力を奪っても意味が無いらしい。その代わりに霊圧やらなにやらは増えるので限界以上に集め続けると破裂しそうな感じがする。今でこそそんなことにはなっていないが、少し前までマジで破裂しそうになっていた奴が言うんだから間違いない。

 なのでここからは能力を奪うことはやめておいて、代わりにひたすら鍛えることにしておく。一番鍛えるべきなのは俺自身の霊圧に対する耐性だ。俺自身の強すぎる霊圧に負けて身体がボロボロになってしまうのを防ぐにはそういう感じのを鍛え上げつつそもそも自分を傷つけないようにしっかりと制御するくらいしか思いつかない。挟んだ過去の中では奪わない限り素のスペックが伸びることは無いから技術に傾倒できる。

 あと、思った以上に滅却師の力が沢山手に入ってしまったのでまたバランスが崩れた。これからは死神と虚の力も鍛えていかなければまーた大変なことになりそうだ。具体的には体調を崩してくしゃみで世界を崩壊させそうなそんな感じ。

 

『マジだから怖えよな』

『うむ、事実一度くしゃみで暴発させた際にその影響を影の中に作った世界に逃していなければ間違いなく現世が吹き飛んでいただろう』

『そうなったのは私の責任だ。だが私は謝らない』

『『謝らなくていいから力は貸せ』』

 

 ほんとそれな。今更謝られても正直困るが力はマジで貸せ。具体的には俺以外の誰かが傷ついた時とかに俺は俺以外の傷は治せないからマジで頼む。

 

 ってか、なんか今突然敵の数が増えたな。とりあえず殺しておくか。

 

 

 

 

 

 side out

 

 雨が降るように光が降る。滅却師の聖なる青き光ではなく、虚のような赤黒い光が降り注ぐ。

 その光は死神を避ける。しかし滅却師を避けることは無く、呼び出された聖兵(ゾルダート)達はほんの僅かの間に二度以上その赤黒い光に撃たれて命を失った。

 否、撃たれたという表現は正しくない。その赤黒い光の雨は斬ったのだ。原型が無くなるほどに、肉も骨も臓腑も一切の区別なく切り刻み、その命を奪ったのだ。

 滅却師の中にもそれに対応できた者が居た。皇帝たるユーハバッハは自身の体外にまで静血装を拡張することで防ぎ、側近たるハッシュヴァルトも含めて身を守る。バンビエッタは降り注ぐ光に対してひたすらに自身の聖文字を発動した弾丸を撃ち込み続ける事で爆破し、蒼都は自身の誇る聖文字と静血装によって受けきって見せた。その他にも多くの騎士団員がそれぞれの方法で光の雨を防ぐか、もしくは受けながらも耐え抜いてみせていた。

 

 しかし、そうして防いでいられたうちのいくつかの光の雨が防御など存在しないというかのようにすり抜け、身体すら同じようにすり抜ける。生き延びた全員がそれを受け、しかし一切の影響を受けていないと認識して再び光の雨を防ぐことに注力する。

 そして一部の死神たちは気付く。この光は、黒崎一護の霊圧を持っているということに。

 

「……雨が降っててくれて助かったぜ。何もない所よりも何かあるところの方が混ぜ物はしやすいからな」

 

 顔を半分覆う仮面。身の丈ほどもある大剣。オレンジ色の髪。そしてその身体から噴き出すような莫大な霊圧。その霊圧のほんの僅かな部分が瀞霊廷に降る雨に混じり、ただの雨だったものを漆黒の月牙に変えていることに気付けた者は何人いただろうか。

 その漆黒の月牙が、瀞霊廷を一切傷付けていないことに気付けた者はどれだけいるだろうか。

 その技がどれほどの高みにあるものか、理解できたものはどれほどいるだろうか。

 

 そしてその技が放たれた時点で、既に戦いは終わっているということに気付けた者は一体どれだけいただろうか。

 

 その技が放たれ、その技を受けた。それだけで技を受けた者の過去が改変される。滅却師の過去で知ったことは全て知られ、死神であれば怪我をする前に守られたということになって傷は元から存在しなかったことになる。それは死者も同じで、死の原因を取り除かれた死者たちはその場で蘇り始める。

 当たり前の事ではあるが、これは『ブック・オブ・ジ・エンド』の力だけでは起こりえない現象だ。変えられるのはあくまで過去の事だけであって今現在の状態を変えることはできない。例えば過去で修行を付けていたりすればその修行の分強くなったり戦い方が変わることはあるかもしれないが、怪我を治したり死者を蘇らせたりと言うのは全く話が違ってくる。

 それを可能としているのは、過去で数度殺してその能力を奪い取ったユーハバッハの力によるもの。力を与えることと奪うことは『クロス・オブ・スキャッフォルド』に任せてはいるものの、死をも覆すことのできるその能力はユーハバッハの聖別(アウスヴェーレン)と相違ない。

 

 そして、死者が蘇るということは───

 

「『流刃若火』」

 

 護廷十三隊、最強の男が蘇るということでもある。

 

 上空から降り注ぐ刃の雨を防ぎ続けるユーハバッハにその炎を防ぐ術はなく、しかし全周囲に張り巡らせた外殻静血装によって焼滅することだけは避けられた。完全な別方向から大いなる攻撃を受け続けている外殻静血装は軋み、しかしその形を保ち続ける。

 

「山本重國、貴様───!?」

「……終いじゃの」

 

 再び何も斬ることのない刃が外殻静血装をすり抜け、ユーハバッハの持つメダリオンも同じようにすり抜ける。そしてメダリオンは即座に自身の役目を放棄し、山本重國の卍解の封を解いた。

 軋みを上げていた外殻静血装が更なる熱に蒸発し、ユーハバッハの胴を一点に圧縮された炎が焼き抉る。あまりの熱量に瞬間的に焼き塞がれた傷から血が流れることは無く、しかし外殻静血装が消えたことで今まで防いでいた刃がユーハバッハとハッシュヴァルトに食らいつく───

 

 ───その寸前に、二人の姿は瀞霊廷から消えていた。元柳斎には足元に広がる影が二人を呑み込んでいったようにも見えたが、何にせよ逃がしたということには変わりない。

 一瞬再解放した卍解を再び消し、滅却師の霊圧が消えたことを察したらしく霊圧の刃の雨を降らすことをやめた男の姿を見上げる。

 

「……救われてしもうたの」

 

 これから先の事を想い、元柳斎は重々しいため息をついた。

 

本編完結後にこの話の外伝的な物を書こうかなと思うのですが、大雑把な内容をアンケートします。なお、ちくわ大明神が頑張ることでこれらの話は実現されますので無理だろとか思わないで大丈夫です。

  • 原作世界に一護達in
  • 事前に見えざる帝国滅ぼしてなかった世界
  • 尸魂界でP1グランプリ開催
  • 虚圏でP1グランプリ開催
  • 全部やろうか(マジキチスマイル)
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