side 黒崎一護(原作)
なんとかあの檻から脱出したんだが、やってもいないことで礼を言われまくって困惑した。
なんでも俺はもう来ていて、敵の滅却師の幹部を五人倒してから総隊長の爺さんと敵のリーダーとの戦いに割り込み、そのついでに瀞霊廷全体に月牙を降らせて敵だけ切ったとか、そんなことを言われた。
当たり前だが俺はそんなことはやっていない、と言うか、そんなことは俺にはできない。月牙を雨のように大量に出すことも、それを操って味方には当てないようにしながら敵にだけ当てるとか、絶対無理だ。
それに、檻を破ろうと月牙を連発している間に突然天鎖斬月が折れちまったし、治し方もわからねえ。一体何が起きているのか全く分からねえけど、卍解が折れたこと以外はなんかいい方に進んでいるような気がする。
で、なんか礼を言われたり怪我が治り切っていない何人かの知り合いを見舞いに行ったりしていると、突然俺が呼ばれることになった。なんでも零番隊とかいう尸魂界の王を守っている奴らが俺を呼んでいるらしい。俺は今のところ何もできないし、それより卍解をなんとかして治したかったんだがマユリには治らないと言い切られてしまったから困っていたところだし、とりあえず会うだけ会ってみることにした。
で、なんだかんだあって霊王宮に行くことになったんだが……。
「……それと、そこに居る方の。お主も連れてくるように言われておる」
「……そうか」
ずるり、と影の中から誰かが現れる。この奇妙な響き方をした声は、少し前に現世で銀城たちと戦ってた時に助けてくれたあいつの声だ。
「で、王属特務の御歴々が俺に一体何の用だ?」
「儂等ではない。霊王がそれを望んでおる」
「そうかよ。まあ、断る理由もねえしついて行くだけついてくよ」
その場に居た零番隊以外の全員の警戒をすり抜けて移動したそいつは、いつの間にか零番隊が乗ってきた柱の中に入って姿を消した。あの移動方法は見たことがある。響転だ。
それだけじゃねえ。姿を消したのは多分現世に来た破面と同じ影を使った技だろうし、刀も持っていた。虚と、滅却師。二つの力を持っていることは殆ど確定のはずだ。
ただ、どうやら会話をする気も出てくる気もないようで柱の中で消えてからは一切音沙汰がない。到着するまで出てくる気はないらしい。
「なんだよ今の奴は……」
「儂等は知らん。霊王曰く『客人』らしいがな」
誰に尋ねるわけでもなく零れた言葉にハゲのオッサンから言葉が返ってきたが、結局なにもわからねえまま。俺はそのまま霊王宮に飛ばされて、霊王宮でよくわからねえまま怪我を治して鍛錬することになった。
……マジで、何が起きてんのかわからねえ。
side 黒崎一護
霊王宮とか言う所にやってきた。こっちの世界の総隊長の爺さんの過去を挟んで覗いたからどんな場所なのかとか、どんな奴がいるのかとかはわかっているんだが……こいつらそんな強いか?
『嘗めてはいけない。確かに麒麟寺天示郎や曳舟桐生、修多羅千手丸は直接的な戦闘能力で言えば今の君どころか私にも及ばないだろう。しかし二枚屋王悦と兵主部一兵衛は面倒だぞ』
勝てないとか強いではなく面倒なのか?
『そうだとも。尸魂界の全ての物に名を付けたことにより尸魂界の物質に対して概念的に干渉を行うことのできる兵主部一兵衛と、斬魄刀を作り出し斬魄刀の能力という形でおよそあらゆる力を扱うことのできる二枚屋王悦。この二人を敵に回した場合、初見殺しを受ければ最悪かなり痛い目を見る可能性がある』
霊圧で防げねえか?
『調べた限りでは概念を付加する場合には斬魄刀でもある大筆を使うらしい。そして黒く塗り潰すとそれに付けられた名と力を失わせ、新たに名を付けることで新しい名の特性を相手に与えることができるということだ』
……よくわからねえが、名前を変えられるとそれになるって感じか?
『おおよそ正解だね。今の君が相手なら効果は無いだろうと踏んでいるが、二枚屋王悦の方はもしかすると本当に負けかねない』
具体的な理由は?
『霊圧を吸収できる能力の斬魄刀と言う物もあるのだよ』
……なるほど。そいつは相性悪いわ。多分植物の根とか蚊の口の針とかそういう感じの管状になってるだろうから内側から俺の霊圧通したら弾け飛びそうな気もするけど、そういった圧力の問題も解決してるだろうしな。
ただ、霊圧を吸収するってことは斬魄刀を通じて俺と繋がるってことだろうから繋がったところから無理矢理逆流させれば奪われた分に+αで返してもらえそうな気もする。わざわざ受ける気しねえし受ける理由もねえからもし本当に敵対することになったら相手が何かする前にぶち殺すつもりでいるけどな。
ああそうそう、影の中の奴らがまたすぐ攻めてくるように色々と過去を改竄しておかないといけないのか。めんどくせえな。しかもあっちには未来視ができる奴がいてそっちの方には干渉できないのがさらに面倒臭い。まあまだ一週間と少しくらいの間は完全には使えねえみたいだけど。
その間、何してようかね。未来視は俺が別世界の人間だからか俺の世界の事しか見えねえが、元々この力はこっちの世界の滅却師の過去に居たユーハバッハから奪ったものだ。上手いことやればちゃんとこっちの世界でも使えると思うんだが……なんと言うか、ピントが合わないとは少し違うんだよな。位相がずれているというかなんと言うか……なんて表現すればいいのかちょっとよくわからねえ。
ん~…………ルートが違う、って訳じゃねえよな。道のりが違っても到達地点が同じなら同じようになってるわけだし。縮尺、も、なんか違う。んん~~~~~~~~~???
『位置が同じなのに違うように見えるんだったら時間が違うんじゃねえの? 知らねえけど』
───それか。
本編完結後にこの話の外伝的な物を書こうかなと思うのですが、大雑把な内容をアンケートします。なお、ちくわ大明神が頑張ることでこれらの話は実現されますので無理だろとか思わないで大丈夫です。
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