BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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BLEACH外典18

 

 side 黒崎一護

 

 正確に言うと時間だけではなかったが、虚の俺の指摘は俺の認識を大きく前進させた。位置と場所があっていても時間が違うなら、確かに見える場所も変わってくる。逆に言えば、時間が同じでも位置と場所が違うなら見える場所も変わる。俺が見ているのは、俺の世界におけるこの世界の現在時。俺の世界では存在しなかった、藍染との戦いの後の力を失っていた期間とその後にあった時間。藍染との戦いから過ぎた時間を当て嵌めてみれば、俺の世界よりも半年以上進んでいるのだ。そりゃあ今の世界を見様としても上手くいかねえわけだ。俺の認識と能力の設定時間がまるで合っていないわけだからな。夏の夜空に冬の大三角を見つけようとしてもそりゃ無理ってもんだ。

 

 そういった考えからあたりを付けて、切札を一つ切ることにした。斬月を抜いて、空を切る。その時に『ブック・オブ・ジ・エンド』の効果を使って世界そのものの過去に俺の存在を挟んで全てを観測することにした。

 世界の時の流れを逆走し、始まりの時まで。今では霊王と呼ばれているただの男が三界を分けたその時まで時の流れを遡り、どのあたりまで戻れば俺のいた世界が見えるようになるのかを確認する。

 すると、ある一点で世界が大きく分岐するのが分かった。これは多分俺が今いる世界と俺の元居た世界の両方を認識していなければそこで分かれたということも認識できないだろうと思う。その原因は、突然どこからともなく現れた織斑さんの存在だった。

 

 ここでも織斑さんかよ怖っ……。

 しかもこれあれだ、織斑さんが存在を始めてから特に何もしていなかったから影響がかなり少ないだけで何か動いていたらこの時点で滅茶苦茶歴史とか変わってたヤツだと確信が持てる。

 ちょっと時間の流れを眺めてみて気付いたんだが、人間一人が産まれたか生まれていないかで未来が大きく変わることはあまりない。全く無いとは言わねえし、俺の知ってる今有名な奴が産まれてなかったりするとそりゃあ変わるみたいだが、それでもある程度話の流れは同じようになる。

 例えば、総隊長の爺さんの持っている斬魄刀が炎熱系最強の流刃若火ではなく、氷雪系最強の氷輪丸だった世界。総隊長の爺さんは変わらず最強で、斬ったものの温度を絶対零度以下にまで下げることで質量消滅を起こす技だとか、あらゆる物の温度を極限まで下げきることで分子の運動だけでなく動きそのものを停止させる領域を纏う技だとか、死んでいった誰かの魂の流れを冷気で停止させて無理矢理この世界に縛り付けて使役する技だとか、方向は違えど今とやってることはそう変わらない戦いをしていた。あの爺さんはあの爺さんでバケモンだな……。

 

 まあともかく、この世界は多少の違いであればあまり流れが変わらないようにできている。未来を見て改変できる今の状態だと、ちょっとした行動でころころと変わりゆく未来が面白い。満天の星の中で星から星へと飛び渡る鳥のような姿は見ていて飽きない。

 ただ、衝撃を受けたこともあった。俺や石田、チャドが女として生まれていた世界だとか、なんか生まれてくる男女のバランスが崩れている世界だとか、そんな世界だと大雑把な流れはそのままでも細かい関係なんかは結構変わったりするようだ。石田が女の世界で俺と石田が付き合ってたりとかな。なんか石田の親父さんがすっごい顔してた。

 

 まあともかく、俺の世界とこの世界、そして他の世界も認識できるようになったのでようやくまともに『全知全能』を扱えるようになったと言っていい。俺が今いるこの世界と俺が元いた世界の区別をつけて改変することもできそうだし、俺以外の『全知全能』を相手に改変妨害とかもできそうだ。

 あと、未来を変えるのはそこそこの力が必要なこともわかった。簡単に言えば、自分にできることでなければ変えられないのだ。

 例えば、未来で総隊長の爺さんの卍解をへし折っておくことはできる。だが総隊長の爺さんの斬魄刀を別のものにすることはできない。折るのは要するに卍解している時に斬月を静血装で保護しながら横っ腹を思いっきり叩いてやったりすればまあ折れるが、斬魄刀を変える方法なんて全く想像もつかねえからだ。そもそも自分に可能なことであれば変えられるが、自分では不可能なことはできないってのはそういうわけだな。

 逆に言えば、理屈さえわかっていて妨害されなければそれをすることができるのであればノータイムかつ失敗無しでできるってわけだ。凄いよな。

 

『世界の過去に介入して未来視して可能性の世界を全部探り倒すとか普通思いついてもやらねえと思うんだけどな? そもそもできねえだろうし』

 思いついちまってできそうだったから試してみたらできたんだよ。確かに情報量多すぎて取捨選択とかかなり面倒だけどよ。

『霊圧、と言うよりは性能の差だろうね。世界のあり方に干渉できる程度の性能がなければ世界の過去に干渉しようとしたところで何もできないだろうし、世界そのものを相手にできるのであればわざわざ過去を相手にしない。そういうことではないかな』

 ……織斑さんが居たからそんな思ってなかったんだが、もしかして俺ってそこそこ以上には凄いのか?

『そこそこと言うのがどの程度かは知らないが、なかなか凄いのは間違いないと思うぞ? 頂点がおかしいだけだ』

 だよな。この世界の強さランキングで弱肉強食的なピラミッド作ると一番上の頂点だけ切り離されて浮いてる感じだもんな。あれがおかしいだけだよな。気が楽になったわ。いやそれで気が楽になったところで事実は全く変わんねえんだけど。

 

 まあともかく、俺は俺の世界にもこの世界にも他の世界にも色々と干渉できるようになった。ただあまり多くの所だとか過去に干渉しすぎると俺が産まれてこないとかそういう感じの問題も出てきそうだし、自重しておこう。必要な所ではいくらでもやるけどな。

 

本編完結後にこの話の外伝的な物を書こうかなと思うのですが、大雑把な内容をアンケートします。なお、ちくわ大明神が頑張ることでこれらの話は実現されますので無理だろとか思わないで大丈夫です。

  • 原作世界に一護達in
  • 事前に見えざる帝国滅ぼしてなかった世界
  • 尸魂界でP1グランプリ開催
  • 虚圏でP1グランプリ開催
  • 全部やろうか(マジキチスマイル)
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