BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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BLEACH外典19

 

 side 黒崎一護

 

 この世界の未来を見てみるが、不思議なことに大きく二つに分かれている。ユーハバッハの手で世界の均衡が崩れて生も死も存在しない世界になっている場合と、この世界の俺達が勝利してなんか普通に世界が続ていく場合の二つだ。普通に世界が続いていく方では、ユーハバッハが霊王の代わりに水晶みたいなものに埋められているのとこっちの世界の俺が埋められている場合の二種類が存在するが、どうやらユーハバッハが霊王を殺した上で霊王を取り込まないでいるとこっちの世界の俺が人柱みたいなものにならねえといけないらしい。

 で、それを理解しているからあのハゲオッサンはこの世界の俺をより質の高い要にするべく修行を付けているわけだ。それでユーハバッハを倒せればよし。倒せず霊王が殺されてもこっちの世界の俺を新たな霊王にすれば世界は続く。めんどくせえこと企んでやがるな零番隊ってのは。

 

 ってか、なるほど。この世界の藍染はそういう理由で世界をひっくり返そうとしたわけか。藍染が悪逆の輩とか色々と言っていたが、どっちもどっちだな。

 あー、でもここら辺が変わらないとなると俺の世界も成り立ちは同じか。織斑さんが「それ腹立つわ」って零番隊をデイリークエストのごとく皆殺しにし続けてれば気も晴れそうなんだが、やってくれなさそうだし俺がやっとこ。『全知全能』で。

 

 ……この『全知全能』って、実際のところ別に全知でもなければ全能でもないよな。結局自分にできることしかできないわけだし、未来の事は確認できても過去の事は確認できねえからそれを覆したりもできない。要するに、能力の根幹がその状態を見ることな時点で全能とは程遠い。それに、恐らくではあるが全ての未来を自分の思うがままにすることもできないはずだ。そうでなければ千年前の戦いで総隊長の爺さんに負けることもなければ復活に千年もかけるようなこともなかったはずだし、やっぱりこれは『自分自身の力でできる可能性がほんの僅かにでも存在するのであればそれを今の自分がどんな状態であれ完璧に実行できる』みたいな感じだと思うんだよ。

 逆説的に、自分の力でどうしようもないことであればもうどうしようもない。だから千年前に総隊長の爺さんに殺されたし、俺が挟んだ過去や俺が変えまくってる未来においてユーハバッハの力で変えようとしても俺がその上からそれ以上の力で固定しているせいで変えられずに突如として現れたパンジャンドラム『初代護廷隊長』に撥ねられて残火の太刀で貫かれて内側から汚え花火になるついでに残火の太刀の熱に巻き込まれて自爆した『初代護廷隊長』の爆散した破片に貫かれたりするわけだし。まあそれでも死なないで何とか復活できてる辺りかなり強いんだなと思わなくもないが。

 

『一切の邪魔を受けず、かかる時間も度外視した上で成功する可能性がほんの僅かでもあればすべての未来においてその行為を確定させるというのは非常に強い能力だと思うぞ』

 まあそれはそうなんだが、なんと言うか……比較対象が織斑さんなせいでちょっとな……。

『それは比較対象として出していい存在ではない』

 

 マジでそれな。

 

 ああそうだ、『全知全能』をフルで使えば俺も鬼道をある程度扱えるのがわかった。そもそも理屈がわかっていて霊子の操作とかが十分できるのになんでできていなかったかの方がわからねえんだが、ともかくできるようになった。

 お陰で月牙をただの霊圧を圧縮して作った刃ではなく炎にしたり氷にしたり雷にしたり光にしたりもできるようになったし、月牙を当てたところに残留した霊子と霊圧を使って超小規模な黒棺をその場所で発動させることもできるようになった。練習台になってくれた過去を挟まれた一人の名も知らぬ滅却師に感謝しておこう。ありがとよ。

 まあともかく、滅茶苦茶集中とかすれば鬼道もできないことは無いってことが分かったし、過去を挟んで確認できた聖文字の能力の再現とかもそう難しいことではなさそうだ。あと完聖体とかいうあの形態も多分できる。つまり俺の最強状態は『虚化しつつ完聖体を発動して卍解しながら完現術でそれらを全部強化し続ける』ってことになるのか? これはまた随分と豪華な組み合わせだな。

 

『それを実行された場合、私では勝てないだろうね』

『俺もきついな』

『まあ私たち全員の力を使うのだから、その構成要因の一つでしかない私たちが単独で挑んでも勝率が低いのは仕方のないことだと思うが』

『チクワダイミョウジン』

『だよな』

『誰だ今の……崩玉か? それとも霊王の欠片の集合体か?』

『いやいくら霊王の欠片でも毛の一本一本や爪の欠片なんかが喋るとは思えんのだが……いやしかし霊王だからな……』

『霊王の欠片の意志に宝玉が反応して話せるようになった、という可能性はどうだろう』

『霊王の左足の薬指の爪の欠片に意志があるとでも? ……霊王だし、ありえるのか……?』

『あってたまるかこえーよ』

『ネーヨ』

『無いか―そうかー会話になってんのがもっとこえー』

 

 お前ら俺の中で漫才始めるのやめないか? あと、俺が黒崎一護だ。今後ともよろしく。

 

『ドーモ、レイオウノカケラノシュウゴウタイ、ウタイシュウゴダ。コンゴトモヨロシク』

 名前も集合体なのかよ。いやまあわかりやすくてめっちゃ助かるけども。

『デモオレニハマダイシトカナイカラフツウニコレマデドオリツカッテクレヨナ!タマニコウヤッテカイワトカスルトオボエテイツカイシモッタリモスルカモダケド!』

 ああ、それじゃあその時まで『初めまして』はとっとくことにするよ。

 

 ……予想外だわ。いや本当に予想外だわ。霊王の欠片ってそれ単体で意思持ったりするんだな。いや、そういえば確か霊王の左腕が敵にいたな。あと心臓もか。なるほど、毛根やら皮膚の欠片やら爪の欠片やら造血幹細胞やらが集まって意志を持つことは無くとも受け答えができるようになるならそりゃあ腕やら心臓だったら一つの生物として自立して動くくらいのことはできるか。霊王こわっ。

 

本編完結後にこの話の外伝的な物を書こうかなと思うのですが、大雑把な内容をアンケートします。なお、ちくわ大明神が頑張ることでこれらの話は実現されますので無理だろとか思わないで大丈夫です。

  • 原作世界に一護達in
  • 事前に見えざる帝国滅ぼしてなかった世界
  • 尸魂界でP1グランプリ開催
  • 虚圏でP1グランプリ開催
  • 全部やろうか(マジキチスマイル)
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