BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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BLEACH外典27

 

 side 黒崎一護

 

 ユーハバッハが数人と一緒に上ってきたが、どことも知れない場所に作られた偽の霊王宮で零番隊が対応するらしい。布の裏地がどうとかよくわからねえけど結界みたいなものなんだろう。

 そうして現れたのがユーハバッハとハッシュヴァルト、こっちの世界の石田、あと影の中に何人か。それを眺めているわけだが、どうもこいつらじゃあ勝てそうにねえな。

 

「そうだろうね。彼等は死ぬ。大織守も、穀王も、銭湯鬼も、刀神も、真名呼和尚も、ユーハバッハは止められない」

「当然、お前も死ぬな」

「やっと、と言ってもいいかもしれないね」

 

 生きていても死んでいても大して変わらない状態にあった時間が長いせいか、どうも色々と境界があやふやになっているらしい霊王は自身の生死を軽く口にする。そして恐らく、その未来は何もなければ当然のものとして実現することだろう。俺の目に映るこの世界の未来ではそういう風に見えている。それはつまりユーハバッハも同じように見えているはずだし、霊王の瞳にもそう見えているはずだ。

 だがそれはあくまでもこの世界の存在によって作られた未来の話。俺はこの世界の人間ではないし、実際にこの世界の全てを認識する霊王やユーハバッハの目には映らない……いや、霊王の場合は視野を広げれば映るかもしれないが、今のところ映していない。

 

 しかしあれだ、死神の力から派生したにしては非常に珍しい概念系斬魄刀と、対概念系能力最強の全知全能。未来視相手に初見殺しをしないと概念系攻撃は一切効果を失うとか、何とも反則みたいな性能をしている。そしてそのくらいの対策ができていないとマジで何もできなくなる名と黒の支配者。敵に回したら厄介極まる相手だ。

 ちなみに俺は『全ての黒は儂のものじゃ』とか言っている和尚を相手に『なんか戯言垂れ流してるハゲ』以上の認識をしないかつ相手の作ってる概念とやらをガン無視して真正面から斬り倒した。

 当たり前のことを言うが、黒で塗り舞したら名前を失う? んなわけねえだろバッカじゃねえの? 戸籍謄本の名前を消されて社会的に名前を失ったところで俺は俺、黒崎一護だ。俺が持つ力が消えるわけでも減衰するわけでもない。それが斬月でも同じだし、ユーハバッハでも同じだ。

 戸籍謄本を塗り潰して名前変えたからお前今から黒蟻な!とか言われたとして、それが結構権力がある相手の言葉だからその下にいる奴がそれに従ったとして、別国家の相手にそれは通じねえし通じさせたとしても国家的な脅迫とかそういうのに収まるだろ? 真正面から戦争吹っ掛けられてそれをやってきた奴をぶち殺してやれば問題なく今までの名前も通じるし使える。

 要するに、和尚のあれは自分と霊王の下に存在する奴にしか通りゃしねえんだよ。上限がぶっ飛んでるからなんにでも効果があるように感じるだけで。

 

「それから認識の差だな。長い時間をかけて様々な物に名を付けてきたと言う経歴が、和尚の名付けの力を大きく増している。蛮人相手に通りづらいにもかかわらず十分な効果を出しているのはそういった世界的な認識が原因だろう」

「それでも圧倒的な力の差があれば『うるせえ知らん』で全部無視されるわけだがな」

「そこまで大きく力の差があることなどまずないと言える程度には強いからな、和尚は」

 

 まあ今回の場合は相性が悪いよな。死神相手なら概念系攻撃で常時初見殺しができるしほぼ常に先手を取れるし何なら対策もほぼ無効にできるが、概念系そのものに対するほぼ確実な対策があるとなると明らかに後手に回る。後手に回る経験なんてほとんどないだろう和尚じゃ難しいだろうな。

 

「で、守ってやろうか?」

「不要だよ。私は既に十分に……十分すぎるほどに生きた。死することのないこの身が滅べる最後の機会なのだから、それに逆らうつもりは無いよ」

「そうかい」

 

 まあ、生きていたいと言う奴を救うためならやる気も出るし、死なないといけないと思い込んでいる奴の頭をひっぱたいてやることもできなくはないが、十分以上に生きて生きるのに疲れた相手にもっと生きろってのはあんまりよろしくはねえよな。疲れた奴には休息が必要で、生きるのに疲れたってんなら死なせてやるのも優しさだと俺は思う。その点じゃあこの世界のユーハバッハとも気が合うかもしれねえな。その点以外が致命的過ぎるから結果として敵対はするだろうし実際してるけど。

 

「───だが、短い間であっても私は君から最後に自由を貰ったね」

「……まあ、そうだな。見てらんねえから引っ張り出しただけだから気にしなくていいぜ」

「そう言うだろうとは思っていたが、そういう訳にもいかなくてね。私がこうして存在していると、私が楔として再び囚われる未来が見える。君がユーハバッハと敵対している以上、それは確実だ」

「そうだろうな。俺がいなくなったらあの腐りきっている貴族の自称賢者共がしゃしゃり出てくることだろうよ」

 

 あいつらはっきり言って碌なことしねえからな。碌でもない事しかしねえと言った方がいいのか? まあどちらにしてもあれを頭にしていたらマジで終わりだこの世界。俺たちの世界だと突然現れた爆発する車輪のような物の暴走に巻き込まれて何回か壊滅しかかってるから多少マシなんだが、こっちだとそういうことも起きなかったようだし。

 

「そういう訳で、だ」

 

 ぬるっ。

 

「───おいコラ」

『はっはっは、なかなかいい所じゃあないか。これからよろしく頼むよ、宿主様』

『だいぶやべえのが増えたな。まあこれで完現術の強化にも繋がるからいいんじゃねえか』

『一護。霊王の魄睡を取り込んだ以上、お前は霊王と同じようなことができてしまう。霊王が死した場合、霊王のスペアとして扱われることもあるかもしれん。そうなったとしても自らの意志を押し通せるようこれから更に強くなるのだ』

『……(ニコニコ)』

『ヨッス。オレ、ウタイシュウゴ。コンゴトモヨロシク』

『ああ、先住の方だね。この度メゾンドチャンイチに越してきました霊王の魄睡だ。そうだね……彦禰とでも呼んでほしい』

 

 ……まあ、今更一人増えても二人増えても同じか。なんか藍染が悪そうな顔してるが、こいつを相手するとなると俺一人だと怪しいんだよな。脳筋だけど頭いいし倫理観が死んでるからマジで何してくるのかわからねえって意味で。

 まあ倫理観が死んでるのは今の俺が言えた話じゃねえが。実質人身売買みたいなことをやろうとしているわけだし。

 

本編完結後にこの話の外伝的な物を書こうかなと思うのですが、大雑把な内容をアンケートします。なお、ちくわ大明神が頑張ることでこれらの話は実現されますので無理だろとか思わないで大丈夫です。

  • 原作世界に一護達in
  • 事前に見えざる帝国滅ぼしてなかった世界
  • 尸魂界でP1グランプリ開催
  • 虚圏でP1グランプリ開催
  • 全部やろうか(マジキチスマイル)
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