BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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BLEACH外典28

 

 side 黒崎一護

 

 両手で抱えきれないくらいの、山ほどの人を救いたい。そんな願いを持っていた俺だったが、気付けばそのために取る方法が可能な限り素早く敵を殺す、って感じのそれになっていたのは一体何の皮肉なんだかな。

 勿論殺さないで済む相手は殺さないようにはしているが、必要とあらば何の感慨も無く敵を殺せるようになってしまった。虚が相手なら問答無用で仮面を叩き割るし、死神相手なら首を落とす。完現術者相手なら霊王の欠片を奪い取り、人間相手であればひとまず社会的に制裁する。もし社会的な制裁を何らかの形で越えてきてその上で俺や俺の周りに危害を加えようとするのであれば……地獄にでも行ってもらおうか。あんま考えたくねえけど。

 

 そんなこんなで零番隊が壊滅して、霊王が死んだ。こっちの世界の俺が霊王にとどめを刺し、尸魂界を含む三界の崩壊が始まる。

 この世の外から来た俺には、この世のものではない霊王の姿が見える。ユーハバッハには見ることのできない霊王の姿であっても、俺の目には映っている。

 瀞霊廷で浮竹さんが霊王の右腕となり、斬られた霊王を保たせようとする。それを夜一さんが更に留めようとして、石田に邪魔をされて撃ち落とされる。

 ユーハバッハは霊王の力を取り込むためにしばし時間をかけて───ここで、俺が動こう。

 

 霊王宮に死神が戻ってくる前に、まずは一番厄介な『D』の首を取り、力を奪う。即座に俺に武器を向けてきた『X』の視界を煙で塞ぎ、次は『M』。殺した直後は霊子や聖文字と呼ばれる力の発動が無いから助かるな。聖文字の性質上攻撃を受けることを躊躇わないから楽だったが、聖文字が発動した傍からその力を奪い取り、その根源となる霊王の心臓を手に入れる。

 全体に神経を忍ばせた『C』は神経ごと本体まで分解して吸収し、霊王の左腕を頂く。残りは石田と『X』と『B』だ。

 目を開いた『X』が煙を見通し狙撃してくるが、纏う影で受けて空間を曲げて別方向に撃ち出すことで『B』の心臓を打ち抜く。俺の攻撃ではない以上、これで『B』が聖文字や盾で返せばそれは俺ではなく『X』を対象とすることになる。俺は関わってないわけだからな。

 同じように石田の矢を片手で受け止め『X』へ。即座に回避しようとするがその心臓に穴が開き、回避し損ねて片腕が飛ぶ。驚きの目で俺を見る『B』だが元々俺の攻撃ではないのだから攻撃してきた対象に戻るのは当然だろう? お前の聖文字の性質上。

 『X』が完聖体を使ってくるが頭上の輪から足の爪先までを和尚から無断で拝借した黒で塗り潰してただの霊子の塊として、そのまま解体して吸収する。『C』と同じように取り込みに成功したところで残りは二人。『B』と石田だ。

 

『B』は初見殺しの能力を持っているし、それは新たに『A』を得た石田も同じこと。運のいいことに『B』の傷を相手に移す力は完現術由来であるようなのでこちらもクロス・オブ・スキャッフォルドで奪い取ることができる。そうなれば自身の傷を相手に移すことができなくなった『B』はどうとでもなる。実際にどうとでもなった。

『B』は随分と驚いていたようだが、よく考えてみろ。蟻に2mmの深さの傷ができたとして、それはまず間違いなく致命傷だ。だが象に同じ深さの傷ができたとしてそれが致命傷になるかという話。そしてこれは体の大きさだけでなく霊圧の話になるわけだが、俺と『B』の霊圧差は蟻と象程度の差ではない。そうでなければ存在するだけで世界の天秤を揺るがすような真似ができるかよ。

 

 残りは石田だが、石田は敵ではないのでとりあえず置いておく。今は石田を相手にするよりも力を付けようとしているユーハバッハを相手にする方が先だ。

 まあ結局のところ、未来を改変すると言っても改変することができる未来とできない未来がある。自力で何とかできる可能性があるのなら改変できるが、自力では改変できないのであればどうしようもない。

 未来改変は間違いなくユーハバッハ本人の方が使い慣れているだろうが、俺は俺でこの世界に挟んだ過去の経験がある。ユーハバッハの未来改変を抑え込むくらいなら造作もない。

 

 ユーハバッハが霊王を吸収し終えたところで背後から一突き。外から来た俺をその目で見通せないまま死に、蘇ろうと未来を改変するために使おうとした力を俺が更に上から抑え込む。ついでにこのまま力を奪ってもよかったが、それをするとこの世界の礎になる存在がこっちの世界の俺しかいなくなるから死体は残しておいた。

 ……これをこのまま封印処理とかどうやりゃいいんだ? 俺はこういうのに詳しくないし、なんなら詳しくてもできねえぞ。

 

 だが、まあいいかと開き直ることにした。どうせこの後こっちの世界の俺の言葉で和尚が蘇るみたいだし、そして和尚が蘇れば零番隊も蘇る。霊王を取り込み霊王と同じことができるようになったユーハバッハの死体があればあの和尚が適当になんとかするだろう。未だに未来を必死に改変しようとしているユーハバッハの残り物が鬱陶しいが、それこそ虚としての俺が何とでもできる領域だ。

 霊体は残し、遺志を引きずり出してそれを喰らう。俺の中にいる虚が滅却師としてのユーハバッハの全てを喰らい尽くせばもうこれ以上何もできはしない。実際これで未来改変は止まったし、もうやり残したことはなさそうだ。

 

 ───じゃあ、帰るか。俺の世界の空座町に。

 

本編完結後にこの話の外伝的な物を書こうかなと思うのですが、大雑把な内容をアンケートします。なお、ちくわ大明神が頑張ることでこれらの話は実現されますので無理だろとか思わないで大丈夫です。

  • 原作世界に一護達in
  • 事前に見えざる帝国滅ぼしてなかった世界
  • 尸魂界でP1グランプリ開催
  • 虚圏でP1グランプリ開催
  • 全部やろうか(マジキチスマイル)
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