BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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BLEACH~18

 

 side 織斑一夏

 

 えーっと……どうしようか。これ、困るな……うん、マジでどうすっか……。

 まあいいや、なるようになる。と言うかなってくれないと困る。だからなるようになれ。

 

 さて、原作において始まりの頃、尸魂界編でのラスボスにして死神としては最強格の男、名前は……藍染惣右介。なんか死神としての限界の先に行くために死神と虚の境界を超越しようとした男だが、この男、主人公に言わせれば『ただひたすらに虚無だけが心の中に広がっていた』らしい。あまりにも強すぎるが故に自身の死神としての力を失いたかったんじゃないかと予想すらされていた男だが……ここで問題です。俺と藍染、戦えばどっちが勝つでしょう?

 まあ、俺だな? 鏡花水月無効、霊圧俺の勝ち、霊力量俺の勝ち。はっきり言ってしまうと最初期の死神の力を自覚していなかった頃の主人公と始解を覚えたあたりの更木の剣八くらいの差がある。まあ、全力で斬りかかっても肌に刃が通らないくらいか? あるいは斬りかかった方の手の皮が裂けてついでに斬魄刀が粉々になるくらい?

 まあともかくそのくらいの差があるわけだが、ここで再び問題。自身が強すぎることによって孤独感を感じていた男が自身より強い男が人生エンジョイしているのを見つけました。どうなるでしょうか?

 

 まあ、喧嘩の一つ二つ売ってくるわな。纏めて買い叩いてパンジャンに放り込んで爆破してやったけど。

 なお喧嘩の結果、腕力も脚力も走力も体術も霊圧も霊力操作も剣術も鬼道も全部俺には劣ることを確認され、なんかとても清々しい顔で笑っていた。キモい。

 

「キモいは酷くないですか?」

「ちょっと想像してみ? なんかいきなり喧嘩売ってきた相手がほぼあらゆる出来事でぼっこぼこにされて何一つ勝てないことを刻みつけられているにも関わらず清々しい感じの笑みを浮かべたと思ったら悪役三段笑いを思いっきりかましている所を見たら、お前ならどう思う?」

「……キモいですね。すみません」

「うん、めっちゃキモいわけだ。マジで勘弁してほしいレベルでキモいわけだ」

「そうですね。私でもちょっとよそでやってほしくなります」

「そう言う訳だから一旦落ち着くまで俺から離れて? 可能ならちょっと視界から外れて?」

「あ、いえ、もう大丈夫です。落ち着きました。ちょっと客観的に自分の現状を見つめたらその瞬間落ち着きました」

「ほんとにござるか?」

「ござる!? え、ええ、本当です」

 

 まあ突然夢が叶ったら一時的に正気を失うのもわからなくはない。ただ、どうもこの眼鏡の坊ちゃんはここに来るまでに色々とやらかしてきていたようで、その辺りを全部知って訴えたら二千年くらいは務所に入れられるんじゃないかと思ったりもする訳だが……なんかその辺全部ぶっ飛んでる気がする。

 ……こいつが色々やらかしたらとりあえず首を飛ばしておくつもりだったんだが、なんかやらかさない感じになってますね? いやもうやらかしてはいるんだろうが、致命的なところまではやらかしてないね?

 

「ところでお前崩玉作った?」

「……ええ、まあ、作りましたが」

「完成してないだろ」

「はい。よくご存じで」

「一応言っておくとあれに魂を削って与えたところであんまり意味無いからな。やるんだったら崩玉と同等の密度まで圧縮した魂魄の結晶体みたいなものでも与えないと」

「……よくご存じで」

「そうやって完成させた崩玉がこちらになります」

「 」←絶句

「そしてその予備がこちらになります」

「 」←忘我

「さらに予備の予備がこちらになります」

「 」←白目

「なおこれらに与えた魂魄結晶はかつて現世で砕かれた虚の物を再構築したもので賄っているため完全に合法。むしろ現世に留まり続けている魂魄の量を減らしているから褒められることはあっても罰される事は無いと自負している。そもそも消滅した虚に対しての法なんて無いしな」

「 」←転倒の後しめやかに気絶

 

 なお実際には完成体で出したのが二つ、未完成の状態で出してそこに魂魄結晶を与えて完成させたのが一つなんだが、態々言うような事じゃないし構わんだろう。あと虚を消滅させることによって現世に増えた魂魄を(プラス)に戻して尸魂界に還元するとかマジで表彰物じゃね? 零番隊に推薦されてもいい感じじゃね? されても受けないけど。

 

「欲しい?」

「……いえ、自分で作ります」←復活

「あっそ。だったらあれだ、もう一人崩玉を作っている奴がいるからそいつから貰って食わせれば完成すると思うぞ。あいつのはほぼ完成しているが完全ではなく、お前のはガワができている程度だが中身さえ入れればほぼ完成だ」

「なぜ、そこまで教えていただけるのです?」

「暇だから。できればあれだ、世界が崩壊しない程度に荒れてもらいたいね」

 

 大体の事が自前でできるってのは一種の悲劇だ。何でもできるが故に努力しようにもする努力が見つからない。努力しないでもなんでもできるというのは心を腐らせる。周りから見れば羨ましいかもしれないが、やってるこっちからするとずっと続けば倦んでいく。

 だからこそ、妙に強かったりする奴は色々とぶっ飛んでる奴が多いわけだ。大抵の場合ある程度の才能と時間があればおおよその事はできるようになるし、天才ってのがひねた目で世界を見るようにもなる。仕方のないことだが、面倒臭い。

 

「……荒らせ、と?」

「いや? 荒らしたいんだったら荒らせばいいと思うし、荒らしたくないなら荒らさなくていいと思うぞ。と言うか崩玉作ってるならわかると思うが俺の願いを吸って実現のために動いているだろうからほっといてもいずれ大荒れになると思うがな」

「……なるほど。それでは私は……コホン。僕はこの辺りで。楽しい一時でした」

「俺もそこそこ面白かったぞ。できれば今度は勝算を持って挑んで来い」

「……ええ」

 

 ……さて、これからどうなるか。楽しみではあるな。

 




Q.えっ
 ……えっ
A.一夏の勝ち

Q.……一夏さん、裏ボス化です?
A.いいえ、ラスボスより強い上にいつでも戦えるけどいつでも強制敗北イベント戦闘をしてくるタイプの中ボスになるだけです。

現在ヒロインなんて考えてないんですけどもしもヒロインにするなら誰?(なお内容によっては現在書き上げた物の大半が消し飛ぶことになるので更新に大幅な遅れが出ることがあります)

  • 四楓院夜一
  • ティア・ハリベル
  • バンビエッタ・バスターバイン
  • ヒロイン無し

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