BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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BLEACH~23

 

 side 織斑一夏

 

 色々あった。そりゃもう本当に色々なことがあった。

 例えば霊体消失事件だとか、死神の虚化事件だとか、十二番隊隊長の実験によって何人もの隊長格が虚にされただとか、当時の二番隊の隊長がそれを連れ出したとか、まあそんな感じの事だ。本当に色々ありすぎて困った。

 俺にできることと言えば、二番隊の隊長が書いたように見える手紙をこっそりと未来の二番隊の隊長に渡したり、トップツーが抜けた鬼道衆の育成に多少力を貸したり、不思議なことに突然暴れ始めた未来の二番隊隊長がウラハラコロスウラハラコロスと妙な呪文のような物を唱え続けるようになったのを抑え込んだり、一気にいなくなってしまった隊長格の穴埋めのために奔走したり、本当に忙しかった。この一連の騒ぎが終わったらしばらく休みを取ろうと決心するレベルだな。なお休みは取れなかった。久し振りに限定霊印を内側からぶち壊して更木とやり合った。藍染も混ざってきたが気にせず続行した結果、旧見えざる帝国跡地は再び消し飛んだ。今回はちゃんと瀞霊廷に被害が出ないようにしていたから消し飛んでも大丈夫だけどな。よかったよかった。

 

 ちなみに公的にはこの場所は無くなったことになっているが、俺はあくまでも『瀞霊廷の影の中に滅却師が作っていた見えざる帝国と名を付けられた場所は無くなった』と言ったのであってこの場所、つまり影の中の空間が無くなったと言った覚えはない。今ではこの場所は藍染を主体とした研究チームの研究所本部になっていたりする。虚を改造したり調整したり俺が体系化した術で作った一般人の整に虚を混ぜ込んでみたりと割とやりたい放題しているが、まあ早々バレんよな。人間そこにあると思って無ければそうそう見つけられんようにできている。面白いもんだよ。

 まあ、だからこそ俺が色々とやらかしても大丈夫だったりするんだが……十二番隊がああなってからは少しやりにくくなったな。あれのおかげで色々と隠れることが難しくなったし、誤魔化しも効きにくくなった。面倒な物を残してくれたもんだよ。その意趣返しとしてあの手紙を作ったわけだが。

 俺としては自分の身に危険が及ばないように世界で最も強く、ダントツで強くなってありとあらゆる面倒事や危害を加えてくる奴を一方的に虐殺できるだけの力を持ちたいってだけなんだがなぁ……大抵の場合そうなると俺に対しての対応が二極化される。敵対か、懐柔かの二択だ。敵対なら滅ぼせばいいし、懐柔なら無視すればいい。俺から利用されてやってもいいと思うような相手じゃないなら利用されるのは御免被る。面倒だしな。

 ……これってあれだな、剣と魔法の世界で食事が必要ない精霊系のドラゴン辺りが考えていることに近いな。そして状況的にもそんな感じ。もっともドラゴンだった場合は懐柔はほぼあり得ないが。一方的に敵対して一方的に悪の看板を押し付けて討伐されるのを待つ。そんな感じだろう。面倒なことだ。

 こんな時こそ八つ当たりだ。具体的にはいくら殺しても再生する霊王の左腕を相手にひたすらボコる。再生するのは構わん、むしろもっと再生しろ。そして俺の八つ当たり用のサンドバッグとしての人生を永遠に歩み続けてくれ。俺はお前を殺したいだけで死んでほしいわけじゃないんだ。俺は殺すつもりでお前を攻撃するがただひたすらにお前は生きろ。反撃しても構わんが死なないようにやれ。だが殺す。

 ……原作では過剰再生による細胞の限界によって死んだはずだが、それさえなければこいつは恐らく永遠に生き続けるだろう。過剰再生は通常の再生に比べてエネルギーをかなり食うし、ついでに再生した細胞はそこまで強くない。超再生と過剰再生の違いと言う奴だな。まあ気にせず死ね。

 

 

 

 

 

 side 砕蜂

 

『砕蜂へ

 この手紙をお主が読んでおると言う事は、おそらく儂はもう尸魂界を出ておることだと思う。直接の挨拶も無しにお前を置いて出て行ったことをまずは詫びさせてもらいたい。しかし、もしも顔を合わせてしまったらお主は必ず儂についてくると考え、こうして手紙を残して去ることに決めた。

 まず、儂らに掛けられている容疑は全て事実ではない。しかし、事実でないことを悟られてはならぬ。そして儂等に罪を着せた者の事をこの手紙で伝えることもできぬ。

 お主には儂の跡を継ぎ、二番隊を率いてもらいたいと考えておる。まだ少し早いかもしれぬが、それもまた経験と考え、精進せよ。どれだけかかるかはわからぬが、儂は必ず戻る。その時まで息災でおれ。

 

 追伸。浦原の奴に襲われ、嫁に貰われることになった。この逃避行は新婚旅行を兼ねている物でもある。お主もいい男を見つけたら逃すなよ。

 四楓院改め、浦原夜一』

 

 この後しばらくの記憶がない。なんでも現世に行くための穿界門を開かせようと暴れまわり、止められて気絶させられたらしい。ただ、ウラハラコロスウラハラコロスと繰り返し呟き続けていたらしいが……うっ、頭が……!

 

「私は……一体何を……?」

「これだ。追伸のとこはもう読むな。いいな?」

「しかし夜一様の手紙を読み切らないなどt……ウラハラコロォォォォォォス!!!」

「せいっ」

「がべっ!?」

 

 私は気絶した。すいーつ。……すいーつとはなんなのだろうな?

 




Q.冤罪が酷すぎやしませんかねぇ!?
A.仕事を押し付けられまくったからその反撃でしょう。それにこの手紙によって未来が大きく変わる可能性も……。

Q.砕蜂さんは進化しますか?
A.原作と同じ程度にはなると思われます。

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