BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

27 / 155
BLEACH~26

 

 side 織斑一夏

 

 俺の特技はネタ技だ。と言うか、ネタ技で強い強いと言われている相手を倒すのが結構好きだったりするんだが、この度ネタ技を用いて新しい六番隊の隊長を打倒することに成功した。ちなみにそのネタ技の名前は『ワキチョップ』である。内容は簡単、相手の腕を捕らえるか振り下ろされる腕を止めるかして相手の腕が上がっている状態にして、そしてあらわになった脇にチョップするだけである。簡単。

 ただし、このワキチョップはただのワキチョップではない。普通のワキチョップは表面、精々脱臼か骨折程度までしかいかないが、浸透勁と発勁、そして衝撃系の鬼道を乗せたある種の瞬閧と同時に行うことで、相手の体内全てに多大なる衝撃を与え、上半身でも上の方にある肺と心臓を圧迫した上で骨や筋肉、脳までを揺らして一瞬にして継戦能力を奪い取ることができるのだ。

 なお、これをやるくらいなら直接頭に打ち込んだ方が楽だし速いし効果的なんだがそこはネタ技と言う事で。態々脇から全身に衝撃が通るようにするには調整その他が大変だし、技術的にも頭を上から叩いて全身に衝撃を通した方が遥かに楽なんだが……ネタ技だからな。しかも見た目はただのワキチョップだし。

 

 さて、どうして俺がこんな風に六番隊の新隊長を苛めて……訂正、訓練をしているのかと言うと、この貴族のお坊ちゃんが俺の所の世界の中で暮らす一人の女に本気で惚れたから嫁に欲しいと言われたせいだ。俺としては全く問題ないんだが、一応実力の確認と言う事で戦ってみたところ……まあ、あれだ、察せ。死神としての修行は積んだものの実働はしたことのないギンとどっこいどっこいか少し弱い程度、と言ったところだったわけだ。藍染とか更木ほどとは言わんからもうちょっと実力が欲しいと思うのも仕方ねーわな?

 そんな訳でちょっと鍛錬を積ませることにしたわけだが、訓練でぶっ倒れる度に恋仲にある女といちゃいちゃいちゃいちゃ……イラっと来たので写真と動画に残してやった。結婚式で流してやることに決めたよ俺は。呼ばれなくても勝手に行って勝手に流すからお構いなく。

 そう言うことで最低限実戦経験の殆ど無いギンと五分五分くらいまで強くなったら嫁取りを許すことにした。あと、身体が弱いからちゃんと薬とかの準備も整えておくつもりだが、それに関しては妹の方がとてもよく働いてくれているのでまあ何とかなるだろう。なにしろ自分の姉のために俺に(労働力的な意味で)身体を売ってその代価に知識と技術を得て幼馴染の赤かぶみたいな髪の男と共に薬草畑を作り上げて数々の薬草を栽培し薬を作り、姉の健康を何とか守ろうとしているくらいだからな。ちゃんと週に一回は妹の方が直接姉の顔を見るのと状態を見るために朽木家に行くことにもなっているので寂しくは……あるかもしれんが致命的ではないだろう。多分。

 ちなみに死ぬときは嫁にとった相手より遅く死ねと言ってある。身体が弱かろうが何だろうが最低でも数百年は持たせる予定なので簡単には死ねないだろう。もし嫁より早く死んだら蘇らせてまた殺す。そして墓を建ててからパンジャンドラムで爆砕してやるから覚悟しておけよこんボケぇ。

 なお、俺は織斑一夏としてIS世界で生きてきた時には嫁の誰より早く死んだ。だからこのことに関しては強く言えないんだが、まさか魔術とかそう言うのが全くない世界で波紋に似たエネルギーを生み出して老化を止めるとか想定してねえ。ただ、そう言うことがあったおかげで俺の常識は色々と振り切れたわけだな。

 つまり、今こうして俺の前に六番隊の隊長とギンがぶっ倒れて恋人と妻に介抱されているのは全部俺の一番初めの嫁たちが原因だと言う事だ!

 

俺は別に結婚したいなら勝手にすればいいと思っているし、結婚よりも家のおきてとやらが大事なんだったらそれを守って生きていけばいいと思っている。結局どう生きるかなんてのは自分にしか決められないんだから、周りが何を言ったところで意味などあるわけもない。ただ面倒なだけだ。

 だが、それは力があればの話。力が無ければ周りの意見に流され、自身と言う物を失ってしまう。周囲からの圧力と言う物は大抵貴族や王族といった特権階級に強く働くもので、大抵の場合はそう言った圧力に屈してしまう物らしい。まあそう言った力を上手く使いこなせれば個人の力より大きなものになるのだからそれを求めて流されると言うのも悪くは無いだろうし、俺も何度かそう言った流れに身を任せたこともあるが……やはりどうにも性に合わないんだよな。

 かつて、第二次世界大戦において伐刀者と呼ばれる魔術師たちが活躍して日本を勝利に導いた世界において俺は本気で周囲の圧力に抗ってみた。俺を縛ろうとするモノ全てに対して反発し、最終的に生まれた国において国防の要となる生家の人間のほぼ全てを斬り捨てて国外に出奔、面倒事を持ってこようとする奴は片端から切り捨てながら生き続け、最後には捨てた身体を太陽に飛び込ませて生涯を終えた。あの世界での俺はとても自由だったし、気楽だった。二度と行こうとは思わないが、そこそこの印象はある。

 だから俺の言うことを逐一守らんでいい。そのことに気付いてもらいたいんだが、この貴族のお坊ちゃんは本当に真面目で仕方がない。もう少し頭を柔らかくしないと必要以上に苦労を背負い込むことになるからお薦めしないぞ? 言っても聞かないだろうがな。

 




Q.何やってんの!?
A.朽木家のお坊ちゃんに稽古を付けつつまだ少し厚くなりやすい所の残っている彼を煽って愛を叫ばせて録音してそれを携帯の着信音にしてます。

Q.ごめん聞きたいことが増えたんだけど本当に何やってんの!?
A.凄くどうでもいいことかもしれないけれどなんと驚くことに現在朽木白哉より市丸の方が強いです。(答える気/Zero)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。