「千の顔を持つ英雄で作られた方の俺です。ここでは作者が一応考えはしたもののいくらなんでも駄目だろ……と思った斬魄刀を紹介していくぞ。記念すべき一つ目はこちら」
ちくわ大明神
鬼道系の斬魄刀。相手の言葉を一部「ちくわ大明神」に変えることができる。
例:
「君臨者よ!血肉の仮面 万象 羽搏き ヒトの名を冠す者よ! 真理と節制 罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ!」
↓
「君臨者よ!血肉の仮面 万象 羽搏き ヒトの名を冠す者よ! 真理と節制 罪知らぬ夢の壁に僅かにちくわ大明神!」→鬼道は暴発する
例2:
「万象一切灰燼となせ『流刃若火』!」
↓
「万象一切灰燼となせ『ちくわ大明神』!」→当然解放はできない
「ボツ理由は簡単。あまりにもカオスすぎるしネタとしては美味しくてもこれをどう進めればいいのか……シリアスが完全に死ぬね?」
例3:
「最初から誰も天に立ってなどいない。君も、僕も、神すらも。だが、その耐え難い天の座の空白も終わる。これからは、私が天に立つ」
↓
「最初から誰も天に立ってなどいない。君も、僕も、神すらも。だが、その耐え難い天の座の空白も終わる。これからは、私がちくわ大明神」→欠片も格好がつかない
「もう完全にシリアスに別れを付ける斬魄刀だね? あんまりにもあんまりなんで卍解の方は能力すら考えてないよ! アデュー」
BLEACH~30
side 織斑一夏
長期休暇を取った。三番隊の業務は副隊長である吉良に押し付け、何かあったら藍染か朽木にでも相談しに行けと残して一月くらいの休暇。もうすぐ尸魂界編が始まるってのになんで休暇を取ったかと言うと、まあ簡単に言うと俺が仕事をしたらどう考えてもあいつらが目的を遂げることができなくなるからだ。
よく考えてみろ。一応仕事とはいえ俺がこのころの主人公達の前に敵として立ちはだかるとする。俺は未だに霊子を取り込んで霊圧やら何やらを強化し続けているが、強化中は周囲に一切の霊圧が漏れる事は無い。そして状況から言ってあいつらは急いでいるだろうから俺の事を敵とみなして襲いかかってくるだろう。襲いかかられたらもう相手をするしかないだろう? そして俺が反撃したらまあみんな死ぬだろ? 原作終了お疲れさまでした、になるだろ? 流石に駄目だろ。
そう言うことで俺は自分の仕事を前倒しで三か月分終わらせ、それをもって総隊長に休暇を申請し、なにがなんでも受理してもらって休むことにしたわけだ。八月一日から三十一日まで。
原作では確か夏祭りが八月一日、そして一週間程度で尸魂界に向かい、色々あって過去に飛ばされて五日か六日ほど巻き戻る。つまり大体そのあたりにやってくるはずだ。それに合わせて俺は休暇を取った。
そして休暇開始の当日。俺が瀞霊廷から西に出ようとしたら目の前に門が落ちてきた。これで俺は一時的に出れなくなったわけだが、関係ない、出る。霊子を隷属させる滅却師と同じことをして、俺が通る時だけ門の霊子を分解してあたかも通り抜けたかのようにして外に出た。なお、門はそのまま残っているから安心してくれ。穴も開いていないぞ。
そして目の前に広がる巨大な男のケツ。確かこいつ主人公にすっ転ばされてたはずだから脇にどいて、ちょいと戦いを眺めてみた。
……うん、弱いわ。瀞霊廷の門を守る存在だから尸魂界から集められた強者だって話を聞いたんだが、これだったら俺の所の集落の餓鬼の方が三倍くらい強いわ。一番驚いたのは門番のくせに自分で守るべき門を傷つけたことと、殺気石でできている壁に傷をつけたこと。あれって超質量の巨大な塊でもなければ早々破れないはずなんだがねぇ……。
と言うか、あれだ。十本兕丹打祭りとか言いつつ十本どころじゃない数を打ち下ろしてるとか、数が巻き戻ったり飛んだりしてるとか色々と言いたいことはあるんだが……必殺技がこれとかほんと大した事ねえな。まああの体格から振り下ろされる斧は結構な威力になるだろうが、尸魂界……と言うかBLEACH世界では霊圧が物を言う世界だし、受け止められてる時点でそこそこ止まりでしかないわけで。あとBLEACHもジャンプの漫画だからな。パワーインフレが激しいのなんのって。
そう考えたら、この辺りに出てくる奴の実力が大したことなかったとしても何もおかしくはない。ただ、期待していたほどではないってだけの話だ。まあ見た目で言うとこの辺りの地盤が吹き飛んだりめくれあがったりとパワー系の奴だってのがわかる描写はしてあるが、そのパワーを受け止められる主人公すげえ、って方向にもってくためのキャラだよな、こいつ。
あと、技は先に出した方が負けるってのがBLEACHのお約束。かっこいいかどうか微妙な技でも先に出しちゃったからな、こいつは。
あと、門番が侵入者に対して門を開けるとかどうなんだそれは。駄目だろう? 門番は門を守るのが仕事だ。門を開けるのもまあ門番の仕事と言っていいかもしれないが、呼ばれてもいない奴を入れるかどうかの判断は門番がするべきではない。……俺、休暇中なんだがなぁ……。
門を掴もうとした腕を斬り落とす。開けることはできず、かつ殺さないようにするってのは結構面倒だったができないわけではない。両腕の肘から下を狙えば、まあ開けることはできなくなる。そして貧血なりなんなりで倒れたらそこで血は戻さないようにしつつ腕をくっつけてやればいい。それで完成だ。
門番は悲鳴を上げる。突然腕が斬り落とされたらそりゃそうなるが、身体がでかいだけあって凄い五月蠅い。
「おいおい、門番が招かれざる客に門を開いてどうするよ」
俺の声にその場にいた全員が反応する。まあ、敵地でいつの間にかそこに居た見知らぬ男となればそりゃ警戒の一つもするだろうが……反応が遅いんだよな。
「なあ、門番は門を守るのが仕事だろう? それ以外にやることがあるとしたら通ろうとする奴を通すための許可を願うくらいでお前の判断で通したら駄目ってくらいわかるだろうに」
「お、オラ゛は負げだだ……負げだ門番が門を開ぐのは当然だべ……!」
「いや、門番が負けるってのは死んだか門を破られたかの二択だからな? どちらにしろ負けた門番が自分から門を開くことはねえよ。……立つのも億劫になった頃に腕は戻してやる。そこで大人しくしてろ」
ふい、と視線を旅禍に向ける。全体的に白っぽい眼鏡と肌が褐色に近い大柄の男、胸のサイズだけ身長と釣り合っていない女とオレンジ色の髪の不良っぽい男、そして黒猫。間違いなく主人公御一行だ。
「……ほー。滅却師に死神に完現術者が二人、そして百年少々前によく見た顔が一つ……で、目的は?」
門番の腕から零れる血の量を眺めつつ問いかける。答えそうなやつは一人だけだが、ちゃんと答えてくれるかどうか……。
「ルキアを返してもらいに来た」
「……なるほど。とりあえず、俺はこれから二百年ぶりの長期休暇なんだ。その直前にこんな面倒事に巻き込まれたとなったら報告とか面倒だから一回帰れ。どうせ今のお前たちじゃ俺には勝てんよ」
純粋な事実としてな。
Q.長期休暇!?
A.本人も言ってますが主人公達とマジで敵対したら……ね?
Q.隊長格が長期休暇とか無理じゃね……?
A.そのあたりはほら、なんとかできそうな人がいるじゃないですか。仕事で邪魔されたら困る計画をやろうとしている人が。