聖杯
強者の魂を捧げることによって願いを叶えることができる。なお、この場合の強者とは自身よりも何かが優れている存在に限る。
「まあ簡単に言えば俺が俺である限りこの世界じゃ使えねえ奴だ。使えねえ。」
side 織斑一夏
さて主人公であるオレンジ色の髪の少年だが、強化するにあたってこいつが一番厄介と言うか、加減をしっかり考えないといけない奴なんだよな。今の状態で多分人間として一日過ごすのと同じだけの老化を魂魄に起こさせるのに必要な時間は恐らく二週間と言ったところ。さらに色々と叩き込むことで実力を上げていけばその最中でもどんどんと伸びていくだろうから、まあ一月くらいを目安にしておこうか。
で、こいつの場合まずやるべきは自分の状態についての説明だ。
主人公は今現在父親由来の死神の力を使っている。しかし今現在こいつの中には母親に取り付いた縁から来た虚の力と母親自身からの滅却師としての力の二つが眠っている。虚の力の方は最近起きだしてきてるんだったか? まあ色々あったはずだが、ともかく能力としては死神の物を基本に虚が混じり始めているって所か。
そう言う訳でまずは選択肢を与えよう。どれから上げていくかだ。
死神としての力を上昇させる。要するに卍解を目指して修業をするわけだが、これには原作でも使ったあの温泉と人形みたいなものを使うことで効率を上げられる。ただし、更木と戦って斬月とある程度分かり合ってもいないような状態でそれができるかはわからないし、ついでに言っちゃうと多分実力が足りないから無駄になる可能性もある。斬月の強度に任せた戦い方ではなくもう少しまともな戦闘を行うことはできるようになるかもしれないから完全に無駄になるとは言い切れないけども。
次に虚としての力を鍛え上げる。これに関しては多分今でもできる。あと、根っこの部分……斬月は結局どこまで行ってもお前自身なのだからしっかりと受け入れてしまえば傷つけられるようなことなどありえないと言う事を理解しておけば負けることもないような気もするが、こいつの場合自分の中に虚がいるのを『自分自身』とは認めないだろうからやっぱ普通に戦う感じになるだろう。まあできるかどうかは知らんが。
そして滅却師として目覚める。これはこいつに足りていない防御を補うことができるようになると思うが、滅却師として目覚めさせるならヒョロ長メガネモヤシと一緒にしておいた方がやりやすかろう。ただ、滅却師は基本死神的には抹殺対象だからお薦めしない。強くなれるかどうかもわからんし、目覚めさせることができるかもわからんからな。
なお、完現術に関してはその条件を満たすような物を持ってきていないから今回は無しだ。
「選べ。死神としての基礎能力を上げるか、虚の力を扱えるようになって一時的ではあるが強大なブーストを得るか、滅却師として目覚めることで継戦能力と基礎能力を追加するかだ」
「全部だ」
「……全部か」
「とにかく俺は強くならなきゃならねえ。全部だ」
……全部か。困ったな……いくら時間を伸ばしたところで限界はあるし、こいつの成長が早いからと言ってそんないくつも別の方向に同時に成長させるのは難しい。イメージはグラフのような物だ。中心を0として、上下に線が伸びる。上向きの線が死神としての力量で、下向きの物が虚としての力量。能力を完全に使い切った場合にはこの線が長い方が強いとすると、その両方があることで実力が一気に伸びるのもわかるだろう。ちなみに滅却師は横線の右側、完現術者は横線の左側みたいな感じだが、今は関係ないから割愛な。
さて、こうなったら本当に三つ同時進行するか。ただし、現実世界だと恐らく無理だから精神世界に入ってからやることになるな。他人の精神世界に干渉する刀なんてのも一応あるからそれ使おうか。
誠刀・銓。自身を量る誠実さの刀。所有者は俺だがこれを貸すこともできるので、こいつで主人公に刃禅をやらせる。そうすることで斬魄刀との共有地である精神世界の中にお邪魔することができるが、誠実さを顕す刀である以上勝手に入り込むことはできない。と言うかこいつの中にいるあれってユーハーヴェーハーなんだよな。なんかこいつの意思に押されまくって完全に保護者っぽくなってたはずだけども。
そんな訳でご対面。うん、やっぱこいつどう見てもユーハーヴェーハーだわ。千年くらい前のやつな。
「……」ジー
「……」メソラシー
「…………」ジトー
「…………」クビソラシー
「………………」ジロリンチョ
「………………」カラダソラシー
「いやあんたら何やってんだよ!?」
「見覚えある面があったからこんなところで何やってんのか聞いても答えないだろうから瞳を覗き込んで内心を読み取ろうとしたら避けられたから追い回していた」
「トラウマのある相手が絶対来ないだろうと思っていた場所に現れてこちらの顔を覗き込もうとするものだから必死になって視線を逸らし続けていた」
「お前やっぱユーハーヴェーハーか」
「その呼び方なら許容しよう」
「斬月じゃなかったのか!?」
「何言ってんだこいつが斬魄刀の化身な訳ねえだろこいつ滅却師だぞ」
「実はお前の斬魄刀を一時的に取り込んで今の身体の限界を越えないように制御しているのが私だ」
「マジで!?」
「まあ見た限りお前の斬魄刀ってこいつが封じきれなかった分の上澄みを使ってるだけだからいいとこ一分くらいだろ?」
「そんなに多いわけが無いだろう。私の力を甘く見てもらっては困る」
「むしろ俺としては他人の身体の中にある残滓の残滓程度のやることとはいえお前が封じきれてないって事実が驚きの対象なんだがな」
「一護は優秀だからな」
「女相手にはヘタレな気もするが」
「ああ、まあ、そう言う所もあるな」
「うるっせえよ!と言うかあんたらなんの話してんだ!」
「「お前/一護の話に決まっているだろう」」
「あああああああああ腹立つ!」
おっとそう言えば修行だったなこれからやるの。思った以上に話が通じて面白かったからついやってしまった。
Q.今の状況でばらして大丈夫なの!?
A.本人復活できない状態ですし、良いんじゃないですかね?
Q.ちなみに一夏の使う気とかそういうのはグラフにするとどのあたり?
A.奥行。