BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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BLEACH~40

 

 side 黒崎一護

 

 死ぬほど怒られた。まあこれについては間違いなく俺が悪い。軽く霊力を込めたつもりだったんだが馬鹿みたいに多かったらしい。いったいどんだけ霊力があるんだと驚かれたが、あの修行で一気に増えたせいで制御が難しいんだよな。自分ではちゃんとやってるつもりなんだが、実際にはかなり大雑把になっているらしい。ただ、今みたいな失敗をしても瀞霊廷のあの壁のおかげで全く気付かれていないだろうからそこだけは安心していいらしい。

 

「黒崎、お前……いつからあんなに……!?」

「あー……あの修行で何回か、どころじゃなく死にかけてな……それでまあ、色々あって強くはなった。ただ一気に強くなりすぎて制御の方がどうもなぁ……」

 

 あと、なんか怪我の治りも早くなったし霊圧の回復も早くなった。ついでに全力で月牙を撃つと黒くなるようにもなった。そしてあの修行の中で、常に覚悟を持って戦うことを覚えさせられた。

 元々浦原さんに教えては貰っていたんだ。恐怖ではなく、覚悟を持って戦う。そうして戦っているうちに、俺は織斑さんの剣から色々な物を教えてもらった。

 

 織斑さんが、俺を殺さないようにするために手加減に手加減を重ねていたこと。殺してしまうことがないように、例え即死一歩手前の傷を負わせたとしても即座に回復させられる準備をしていたこと。そして、修業が一旦終わった今も、俺は織斑さんの本気を一度も引きだせてすらいないと言う事。

 卍解をした。虚化もした。滅却師の力も使った。それでもなお織斑さんには届かない。卍解に虚化を重ねて動血装でさらに速度と力を上げても、織斑さんの動きについていく事はできそうになかった。少なくとも、織斑さんは卍解も虚化も滅却師の力も俺との試合で使う事は無かった。ただの一度も、だ。

 ……いや、本当のことを言おう。俺に対して使った武器は、攻撃能力を持つ織斑さんの始解の中で最も攻撃に向いていない木刀だった。そして俺は、その木刀一本に全力で向かっていったにも拘らず木刀を斬るどころか折ることも、傷をつけることもできないままぼろ負けした。何度も回復してもらって時間一杯戦って、結局傷一つつけるどころかそもそも剣を触れさせることすらできなかった。

 

 ……夜一さんの言うことがよく分かった。これが隊長格。俺達よりずっと長く生きてきて、その時間の多くを己を鍛えるために使い続けた戦闘部隊を率いる存在。正直、俺がどれだけ強くなってもその遥か先に居るのがわかる。織斑さん自身から『俺に勝てる死神は相性の問題で死神相手なら完全に封殺できる王族特務の和尚しかいないから安心していいぞ』とか言われていなかったら正直折れていたかもしれない。

 ついでに今の俺と戦いができるか俺を封殺できる奴について教えてもらった。一番隊の隊長である山本の爺さんこと、山本元柳斎重國。同じく一番隊副隊長、ただしこっちは卍解を使わない制限を設けているらしく、卍解無しなら割と余裕で勝てるだろうと。二番隊の隊長である砕蜂は同じ位置に二度攻撃を受けると問答無用で死ぬ技を使ってくるらしい。霊圧でその技を引っぺがすことができるならそこまで強くないらしいが、そんな霊圧を持っている奴はそういないし俺でも少し難しいらしい。それと四番隊では隊長だけが凄まじく強いらしく、剣技において右にでる者はいないとか。五番隊の隊長である藍染惣右介は割と策士で気が付いたらすべて終わっているような状況にしてくるから注意しなければならないと言うのと、十一番隊の隊長である更木剣八は純粋な戦闘能力だけで言えば死神と言う存在ではトップクラス、十二番隊の隊長である涅マユリは時間を与えれば与えるほど厄介になってくるタイプの研究者らしく、こいつにだけは本当に滅却師の能力を見せてはいけないらしい。

 注意されたのはこれだけだが、逆に言えばこれだけ今の俺でも勝てるかどうかわからない奴がいると言う事。死神としての力だけでも十分戦えると言う話はされたが、限界まで追い詰められたとしても滅却師の能力ではなく虚の方の能力を出せと言われているが……理由はわからない。多分死神が滅却師と敵対関係にあったことが原因なんだろうが、そこまで気を付けなければいけない事なのかは俺にはわからない。

 わからないが……従っておこうと思う。織斑さんの言う事だし、何か理由があるんだろう。面倒臭いとか俺と相性が悪いとか俺と性格的な相性が悪いとか色々。何の理由もないのにそう言うことは言わないだろうしな。ただ、まだまだ経験が足りないから何人か戦いになる相手と戦っておいた方がいいと言われているから適当に出会った相手に挑んで……いや、一番隊の隊長と四番隊の隊長だけはやめておけって言われてた。じゃあその二人以外で適当に何人か選んで戦ってみようか……一番戦って身になる相手は更木剣八だって話だが、凄まじく厄介だからしっかり覚悟をした上で戦いに挑むように言われている。そう言うと言う事は相当強いんだろうが……多分、織斑さんよりは強くない。じゃなかったら薦めたりしないだろうし。

 

 ……つまり、隊長格の中にも強い奴と弱い奴がいる、ってことか? それも実力差が結構ある感じで。それがどの程度かはわからないが、多分戦闘を専門とする隊長とそれ以外の隊長で結構違ったりするんだろう。

 いや、それより今は霊力の操作を何とかしねえと。このままだとまた暴発しそうになるだろうし、そもそもあの大砲の中に入れない。

 




Q.と言う事は他の隊長格ならコンスタントに勝てると?
A.まあ、一応は。ただし浮竹(NOT病弱)と京楽には経験の差でかなり苦戦すると思われます。

Q.白哉相手なら?
A.原作でもあった「あの時、剣を止められていなければ……」が実現しますので勝てます。

夜一の斬魄刀ですがどうしてほしいです?

  • 出さなくていい
  • オリ斬魄刀作っちまえよ
  • ネタ斬魄刀にすれば使わない理由になるよ?

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