BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

42 / 155
BLEACH~41

 

 side 黒崎一護

 

 五分でできた。ちょれぇ~。あの拷問じみた修行に比べたらちょろすぎて欠伸が出るレベルだ。超ちょれぇ~。これは要するにあれだ、空中に立つ時に霊子を固めて足場を作るのと同じような感じでできるな。込める霊力の量を調節するのが難しいが。

 そんなこんなですぐに出発。一応休みは入れたがそこまで疲れてはいないし、腹も減っていない。……あくまでも俺は、なのでちゃんと休憩はするし飯も食うけどな。

 その間、空鶴さんの弟である岩鷲と話をしたりしたが何とも微妙な対応をされた。こう、普段は荒っぽいことをやっている不良が何とか上辺だけでも取り繕って敬語使って対応されているような感じだ。実際そうなんだろうが。

 

 さて、ともかく俺は今の状態に慣れていかないとならない。身体は眠らせつつ頭の中で霊圧の扱いに慣れていく。そうして慣れさせていった霊圧のを身体に馴染ませて、また頭の中で霊圧を扱っていく。周囲にできるだけ漏らさないように抑えてはいるが、この抑え方だと多分問題が出てくると思うんだよな。斬月のおっさんに頼んで滅却師と同じ方法で抑えているし、なんとか普通の死神と同じように霊圧をできるだけ抑え込めるようにならないといけない。

 まずは呼吸だ。呼吸法によって霊圧の魄動を緩やかなものにする。霊圧ってのは基本はイメージで何とかなるそうだが、流石に何の情報も無くそれだけ言われてやってみろと言われてもできるわけがない。基本だけは教えてもらったからそれをやっていこう。

 

 黒だ。死神としての霊力は、基本的にどこまでも黒い。その黒を、俺は常に身に纏っている。心臓の鼓動と共にゆらゆらと揺らぎながら溢れ続け、揺蕩っている。

 その霊力の波に流れを作る。渦を巻くように俺の身体に引きつけ、鼓動と共にできる波紋を引きつけて圧縮しながら身体の中に飲み込んでいく。ただ霊圧を放つのではなく、放った霊圧を捕らえて集め、身体の周りに集束させる。これでちょっとした鎧のように使える……らしい。織斑さんには木刀でぶった切られたから本当に鎧として使えるのかはわからねえが、多分できるんだろう。多分。

 そうやって馴染ませていくと、いつの間にかしっかりと身体に霊圧が馴染んでいる。この場合は身体にと言うより魂魄にと言った方がいいのかもしれねえが、まあ身体でいいだろ。似たようなもんだ。

 ……霊圧に関しては今のところこれでいい。霊力に関してはなんとかなった。実戦経験は織斑さんのおかげで数えきれないほどさせてもらった。斬月の名前を知り、斬月について知り、斬月のもう一つの名を知り、そして斬月が斬月では無い事も知った。虚の俺が中にいることを知り、虚の俺と戦い、虚の俺に俺自身を認めさせ、戦いの本能を目覚めさせた。そしてその二人から虚と滅却師の力の使い方は教わったし、そこそこならできるようにもなっている。しかし死神としての力だけは俺自身が磨かなければならない。そのための教材として、織斑さんは力を貸してくれていた。

 剣を振るうだけが死神ではないが、剣を振るえないよりは振るえた方がいい。そして斬拳走鬼、剣術と体術、歩法、鬼道の四つのうちできないのが一つだけならば残りの三つを鍛え上げることで穴埋めはできる。そう教えられてから鬼道が苦手な俺に剣術と歩法を叩き込み、ついでに力が付いたと思った俺の鼻っ柱を叩き折るために大量のパンジャンドラムを―――いや、パンジャンドラムについては忘れよう。忘れたい。忘れさせてくれ。

 

『ぱんころ~』

「!!?」

 

 ……幻聴か。幻聴でよかった。いきなり起き上がったせいで岩鷲がなんか驚いた顔で俺を見ているが、俺は気にしない。今はとにかくパンジャンドラムが転がってこないことを喜ぼう。

 

「……なんでそんなにしてまで助けに行くんだ? 休む時間も削って妙なことやってよ」

「あ?」

「そんなに大事か?」

「いや別に」

「あ? じゃああれか、助けてやるとかって約束でも」

「してねえ」

「なら金か!」

「ここと俺らの世界じゃ通貨がちげえから貰ったところで使えねえよ」

 

 ……そう、そんなんじゃねえんだ。約束とか金とか大事な奴だからとか、そんなんじゃねえ。ただ、俺はあいつにでかすぎるくらいでかい借りがあって、それを俺に貸したせいで今処刑されそうになっている。そいつを見殺しにするような男になるのは御免だ。ただ、それだけの話だ。

 結局のところ、俺は俺があいつを助けたいから助けに行くと言うだけの話。誰のためでもなく、俺のための行動だ。虚の俺には馬鹿にされたし、斬月のおっさんにはあまり危ない事はしてほしくないと心配そうな顔をされたんだが、これに関してはどうにも譲れねえ。俺がやると決めたんだから、俺はやる。ここまで来て逃げ帰ったんじゃあ何のためにここまで来たんだって話になるしな。

 

 さて、明日のためにそろそろ寝るか。休むことも戦うためには必要だ。

 




Q.なんだかどんどん変わっていってるような……。
A.まあ未来なんてのは過程が変われば結構変わるものですからね。

Q.霊力ってそんななんだってどこかに描いてあったっけ?
A.オリジナルです。ただ、和尚の力の源が黒であり、和尚は死神相手に負ける事は無いと言う話が合ったので死神の霊力は黒、と言う事にしました。ちなみに一夏の霊圧は結構事由に染め変えれる感じです。

夜一の斬魄刀ですがどうしてほしいです?

  • 出さなくていい
  • オリ斬魄刀作っちまえよ
  • ネタ斬魄刀にすれば使わない理由になるよ?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。