BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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BLEACH~79

 

 side 黒崎一護

 

 一応話を聞いてはみたが、要約すると『俺らと一緒に来い』的な内容だった。スカウトってやつか。まあ俺がわざわざこの町を離れてあいつらの所に行く理由はないわな。だから断ったんだが……それとほぼ同時になんか来た。なんかってのはなんだと聞かれると困るんだが、ともかくなんかだ。

 霊圧の感じからして虚、ただしただの虚ではなく死神にも似た霊圧がある。俺のように死神主体ではなく、虚主体に死神の力が後付けされたような感じだ。

 

 察するに、虚の領域に行った……行ったってか投げ込まれた藍染の手駒だろう。浦原さん曰く、崩玉は死神と虚の境界を崩すもの。織斑さん曰く、崩玉は周囲の存在の意思を読み取ってその願いを叶えるもの。藍染がより強大な力を求め、虚圏で自身の軍を作り上げていったんだとしたら……偵察として数体送り込んでくるのもおかしい事ではない。

 そしてそれが来た場所に向かっているところだが、俺より先にチャドと井上が到着しそうだ。あと、その場にたつきがいるな。運のない奴だな……急がねえと。

 

 

 

 

 

 side 茶渡泰虎

 

 大男と細身の男。どうやらこの状況は大男の方がやったらしい。近くにいる魂魄が凄まじい勢いで大男の口の中に吸い込まれていくのが見えてしまう。

 俺は走る。龍の両脚は水上であろうと空中であろうと大地を踏みしめるのと変わらない速度で俺を走らせてくれる。そして完現術を正しく学んだ俺は、空気の魂を引き出すことでさらに俺の動きを加速させる。織斑さんが見せてくれた虚の高速移動術である響転と完現術の組み合わせは、俺を瞬きの間に目的地にまで運んでくれた。

 

 思い切り大男の腹を打ち上げるように殴りつければ、吸い込まれていった魂の多くが吐き出される。それが全てかどうかはわからないが、身体と繋ぐ鎖に引きずられて引っ張られた魂魄はそれぞれの身体に戻っていった。もしかしたらどこかで混線しているのも居るかもしれないが、流石にそこまでは面倒を見切れない。死神に頼めば一護のように魂を一時的に引っ張り出して入れ替えることもできるだろうが……頑張ってくれ。

 

「て、めえ……!」

「すまない。お前が何を考えてみんなの魂を食おうとしたのかはわからないが、それをされると困るんだ」

 

 蹲ったことで俺の肩の位置まで下がった敵の頭に巨人の一撃を打ち下ろすように叩き込む。打ち付けられた拳によって大地に頭ごとめり込んでいくが、しかし致命傷には程遠い事を拳から伝わる感触が教えてくれる。

 拳を打ち込みはしたが砕けていない。多少の損傷はあるだろう、少なくとも皮膚の一枚程度は破れているはずだ。しかし骨まで砕いた感触はしなかった。これは恐らく立ってくるだろう。

 もう一人の細身の男はどうやら戦いに参加する気は現状無いように思えるが、しかしいつ行動が変わるか分かったものじゃない。この大男が殺されそうになれば恐らく手を出してくるだろう。一気に片を付けたいところだが、この大男の皮膚の硬さから言って一気に決着はまず不可能だ。と言うか、できたとしても多分止められる。

 

 龍の脚で頭を蹴り上げ、左を腹に叩き込む。今の俺にはこれ以上に魂魄を吐き出させる方法は持っていないからここからは普通に戦おう。

 それに……こいつには多分まだまだ上がある。今のままなら負ける気はしないが、しかしこいつが何かしてきた場合に勝ちきれる保証もない。今ですら決して弱いと言う訳ではない。今の一連の流れは相手の油断に上手く付け込むことができたからこその優位だ。もしかしたらこの状況は優位ですらないのかもしれない。

 だからこそできる限り相手の引き出しを使わせるように戦いを進めていく。例え俺がここで負けたとしても、この戦いを見てくれている井上が一護にこいつの事を伝えてくれるだろう。

 

 この拳は守るためのもの。自分自身ではなく、一護を守り抜くためのもの。一護の敵を倒し、俺の友を守るためのもの。……まあ、結構最近倒されたばかりではあるんだが、そのあたりは気にしないでおく。それに今のような霊体ではない生身の戦いならばまだ一護より俺の方が大分強いしな。

 一護が完現術を身に着けることがあればその力関係も逆転することがあるかもしれないが、今の状態で一護が完現術を覚えるとなったらどれだけ時間がかかるかはわからない。一護がいつも身に着けている大切なもの、あるいは思い入れがあったりついついいつも持っているもの、なんて俺には想像もつかないからな。まずはそういうものを作るところから始める必要があると思う。もしかしたらそんなものなしで単純に強化のために完現術を覚える可能性もあると言えばあるが、さて、どうだろうな?

 

 敵の拳を右の盾で受け止める。体格差もあって僅かに身体が弾かれるが抑え込み、こちらも殴り返す。俺の拳は掌で受けられ、思いきり弾いて体勢を崩させる。追撃に行くと見えるように半歩踏み出したところで相手の脚が下から跳ね上がってくるのを察知して盾で受け流し、しかし縦に振られる攻撃は受け流しがしづらく身体が大きく退がらせられる。体勢を崩した状態での蹴りなのになんて威力だ……こいつ、唯者じゃない……!

 




Q.今のチャドでもヤミーと殴り合えんの?
A.まあそのくらいの強化はしてますからね。

Q.井上は?
A.見学?
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