BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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BLEACH~83

 

 side 黒崎一護

 

 黒い雨が降り、黒い翼を生やしたウルキオラが現れる。死神が斬魄刀を解放すると刀の形が変わったりするが、どうやらこいつらの場合は斬魄刀の形ではなく本人の姿が変わるらしい。

 変わったのは姿だけではない。霊圧が一気に増幅し、恐らく剣圧程度では傷一つ負うことはなくなっているだろう霊圧を感じる。それを理解して俺はもう片方の斬月を抜き、小手調べに小さく振るう。

 先ほどまでの軽い剣圧とは違う、見渡す限りを両断する程度の剣圧が斬月から放たれ、それがウルキオラに躱される。速度も相当上がっているらしく、霊圧を固めて作った槍を振るいながら俺に接近してくる。それを小さい方の斬月を振るって弾き返し、大きい方の斬月で斬り返す。槍に斬月が弾かれ、しかしウルキオラの槍も弾き飛ばされる。

 

 速い。追いきれないことはないが変わりようが凄まじい。俺が卍解したときもこんな感じなんだろうか、などと考えながら槍を受け止め、弾き、受け流し、斬り合う。滅却師の感知能力がなければ速度に追いつけずに斬られてしまっていたかもしれない。

 井上の盾によってこの場所は世界から切り取られているため何をしたとしても知られることはない。だからこそ滅却師の能力である動血装によって加速することができ、今のウルキオラの速度についていくこともできている。それどころか徐々に反撃することまで可能になっていた。

 ただ、斬っても斬ってもあっという間に再生していくのが見える。傷跡も残らないところから見て超速再生だと思うんだが、虚の俺がやったそれと少し違うように見える。俺のは脳は流石に無理だと思うが心臓や肺くらいならどうにかなるだろうが、こいつのは元からある程度再生能力がある部位でなければ再生できないようだ。重要器官は再生できない、と思っていればいいだろう、目は……知らん。

 

 両の斬月に月牙を纏わせて威力を上げる。それによって槍との衝突で俺が吹き飛ばされることはなくなり、状況がこちらに傾き始めた。月牙によって威力を上げていれば今までは僅かにしか斬ることのできなかった皮膚も大きく斬ることができるようになり、超速再生に頼ってこちらに突貫してくると言う手も使わせないようにすることができるようになった。

 やっぱり二刀ってのは便利だ。一撃一撃は軽くなりやすいがそれを補う事さえできれば防御と攻撃を同時にできる。威力については月牙で補える俺にとっては一本の時よりかなり使い勝手がよくなっている。

 

「……なるほど。藍染様がなぜお前を危険視したのかは理解した」

「正直、藍染が相手となると不安が残るんだけどな。多分まだ勝てねえよ」

「当然だ。藍染様が貴様程度に敗北することはあり得ない。しかしお前だけでも俺達十刃(エスパーダ)の大半を討ち取ることはできるだろう」

「……なんだその十刃ってのは?」

「俺達の身体に数字が刻まれているのには気付いているだろう? これは俺達の中の強さの順位だ。十以下に限れば数字が小さくなればなるほど強くなる」

「ほー……それにしちゃああそこにいる十番の奴は全開になったらお前より強そうなんだが?」

「ヤミーは特殊でな。解放状態と非解放状態において数字が変わる唯一の十刃だ」

「つまり……その十刃ってのは一から十じゃなく、零から九ってことか」

「いいや、零から十の十体だ。故に―――ここは一旦引かせてもらう」

 

 即座に月牙を飛ばすが、飛ばした月牙はその場に突如現れた黒い穴に呑み込まれてどこかに消えていった。恐らくだがこれがこいつらの居た場所とここをつなげる方法、死神で言う穿界門なんだろう。

 そしてウルキオラはその穴に飛び込んでいく。もう一人の……ヤミーとか呼ばれてたやつの所にもそれが開き、大男の身体を呑み込んでいくのが見えた。

 

「逃がすかよ」

 

 俺もウルキオラの後を追ってその穴に飛び込む……が、それを読んでいたらしいウルキオラは今まで以上に太い槍を入り口に投げつけてきていた。それだけではなく、今までの白い服が消えてさらに悪魔的な形態になっており、霊圧もさらに強くなっていた。

 思考が加速させられる。この感覚は久し振りだ。織斑さんとの修行で磨かれた、俺の命に届きうる攻撃を向けられた際に起きる意識だけが加速した世界。時間が止まったような白黒の世界の中で、ゆっくりと俺に槍が飛んでくるのが見える。

 卍解、は、名前を呼ぶ暇がない。静血装、は、既に使っているにも拘らず命の危険が十分にある。ならば俺に残された手段は一つだけ。

 

『出番か』

 ああ。あいつを殺すぞ。

 

 仮面を被る。その瞬間に精神の加速は無くなり、命の危機を脱したことを理解する。しかし、虚化によって更なる加速と力を得た俺は放たれた槍を正面から撃ち砕き、驚愕の視線を俺に向けるウルキオラを袈裟に斬る。月牙に使う霊圧を斬りつけながら拡散させ、斬りつけた斬撃痕を内側から爆破することで上半身と下半身、と言うには下半身の割合が随分多いが、上と下に爆散させる。

 そして小刀を残った上半身の胸の中央に突き立て、月牙を撃ち出す。

 

「……くそっ」

 

 最後に、そんな声が聞こえたような気がした。

 




Q.マジかよこっから先どうなんだ……?
A.まあ、普通に考えて第四刃に誰か新しく座ってくる感じですかね?

Q.オリキャラ出る?
A.その予定は現状ありません。
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