Fate/Zero ───in Evolution   作:よこちょ

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どうも。お久しぶりのよこちょです。
投稿遅れた原因は大体FGOと滅亡迅雷netのせいなので悪しからず。水着とかで忙しかったんや………
あっそうだ(唐突)。この作品は一応「ハッピーエンド」を目指して書いています。しかし本当にハッピーエンドになるかは私の脳内エボルトの行動次第なので───もしかしたらダメかもしれません。その時は「こいつ脳内エボルトに負けたんや」って思ってください。
では、第4話をどうぞ!


集いし5人ののServant

side雁屋

 

冬木市外れにある倉庫街。

港としての機能も持ち普段は船が行きかい、仕事をする人の多いこの場所では今、普通に生きていれば聞くことのない音が鳴っていた。

それは金属同士がぶつかり、火花を散らす音。つまるところ、「剣戟」と呼ばれるものだ。

場所はおろか時代すら間違えていそうな行為。

その行為を行っているのは、風に包まれた得物を振るう金髪碧眼の美少女「セイバー」と、二本の槍を巧みに扱って得物をいなす黒子が特徴の「ランサー」。

2人は聖杯戦争の参加者であり、この戦争において初めて剣を交えた存在であった。

 

 

「………すごい」

 

 

少し離れたコンテナの裏からその戦いを見ている雁屋の口からは、感嘆の呟きが漏れていた。

苛烈、されど美麗。一切の隙を見せず、小細工無しに真正面から武器をぶつけ合う。そこにいるのは、己の武勇を信じる戦士。

目の前で繰り広げられている戦いは正に騎士道精神を具現化させたようなものであった。

だが、それと同時に畏怖する。

今からこんなやつと戦わねばならないのか、と。

そんな心配を胸に横を見やる。

横にいる石動はいつもと変わらぬ様子で戦いを観察しているようで、時折「ほほぉ」とか「うーむ」とか唸っている。それを見るとさっきまで畏怖していた自分が馬鹿らしく思えてくるのは、石動の人格がなすゆえだろう。

 

そうやって戦いに魅入り、暗闇目が慣れ始めていた時だった。

上空から眩い雷鳴と共に戦車が降りてきたのだ。

このタイミングにこの現象、なによりもそれが持つ圧倒的なまでの魔力量。間違いようがなかった。

 

「あれは…………新しいサーヴァントか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

sideエボルト

 

 

「我が名は征服王イスカンダル。此度の聖杯戦争においては、ライダーのクラスを得て現界した。」

 

「何を考えてやがりますか!この馬鹿はぁあああああ!」

 

突如として現れ、本来秘匿すべき真名を独断で堂々と晒しあげたライダー、「イスカンダル」。

横で騒ぐマスターをデコピンで沈め、先に戦っていた2人へ問うた。「聖杯を譲る気は無いか」、と。

当然のように却下する2人へ更に交渉を持ちかけるも、一蹴されていた。

ちなみに復活して早々ぽかぽかと胸を殴るマスターはガン無視されていた。不憫だねぇ。

そんなマスターへと、拡声魔術によって声がかけられていた。

内容を整理すると、どうやらそのライダーのマスター、「ウェイバー・ベルベット」は講師である「ケイネス・エルメロイ・アーチボルト」の聖遺物をパクり、それを使って聖杯戦争に参加したらしい。それに憤慨したケイネスは魔術師として課外授業をしてやるとか言っていたが、当の召喚されたイスカンダルからすっぱりと拒絶されていた。なんでも、姿を隠しているような輩は自分とは不釣り合いなんだと。相変わらず王ってのは何考え始めるかわかったもんじゃないねぇ。

俺が自分の兄であり、ブラッド族の王であった「キルバス」のことを思い出していると、突如イスカンダルが大声を出した。

 

「おいこら!他にもおるであろうが。闇に紛れて覗き見をしておる連中は!」

 

…………まずいな。

ここで姿を見せなければ、恐らくイスカンダルからの印象は非常に悪くなる。俺は別段構わないのだが、ハナっから敵対心を植え付けておくようなことはしたくない。基本的に好印象な方が利用もしやすいしな。

 

「バーサーカー。」

 

声をかけられてそちらを向くと、マスターが覚悟を決めた顔をしていた。

 

「行ってこい。だが、あんまり無茶はしないでくれよ?」

 

俺を完全に信頼した目で、出陣を促してきた。まだ一緒に過ごす月日だってそう長くはなかったのにねェ。

…………これだから人間ってのは面白い。

そう考えた俺は懐からトランスチームガンとコブラロストボトルを取り出す。

 

「了解だ。マスター。じゃ、ちょっくら行くとしますかねぇ!」

 

『コブラ!』

 

「蒸血!」

 

『ミストマッチ!!コブラ………コッコブラ……………ファイヤー!!!』

 

煙が俺を包み、姿を変えていく。

煙が晴れた時にそこに居たのは、真紅の蛇だった。

毒々しい紅に蛇の意匠を持ったこの姿──ブラッドスタークになった俺は小さく笑い、肩を回す。

 

「さ、初出陣と行きますかァ!」

 

ちょっくら気合いを入れ直し、まずはコンテナから姿を表すことにした。胸が踊るねぇ!

 

────────────────────────

 

第三者side

 

「どうも御三方、Bonjour!さっきまでは覗き見なんて真似して悪かったな。」

 

暗闇から姿を表したのは、紅い蛇、ブラッドスターク。

スタークはセイバー達の目の前まで歩くとバイザーの縁を撫で、恭しく礼をする。

 

「あんまりにも2人の戦いっぷりが綺麗でよ。思わず見とれちまってたんだ。だから許してくんねぇかな?」

 

なあ頼むよ〜、と人懐っこい笑み(仮面で見えないが)を浮かべるスタークに対して向けられる目線は懐疑的なものが混じっていた。

だが、出てくるよう呼びかけた本人は快活に笑っていた。

 

「うむ。覗き見は褒められた物ではないが、こうして出てくるその心意気や良し!お主もまた聖杯に導かれし英霊だということであろうな。ところで問うておくが、お主は余に聖杯を譲る気は────」

 

「悪いが俺にもマスターがいるんでね。そいつァできない相談だ。すまねぇな。」

 

「うーむ、そうか…………。残念だなぁ。」

 

心底残念そうにするイスカンダル。

横にいるウェイバーは、もう突っ込まないぞと言わんばかりに座り込んでいた。

 

「っと、そういや自己紹介がまだだったな。俺の名はブラッドスターク。バーサーカーのサーヴァントだ。以後、お見知りおきを、ってね。」

 

そしてその自己紹介に、場の全員が驚愕した。

イスカンダルに続き、自らの真名を晒したのだ。

しかも、クラスがバーサーカー。

その理性的な振る舞いから、残りの枠のキャスターかアーチャーだと考えていた一同の度肝を完全に抜いた形になった。

 

「待て………お前が、バーサーカーだと!?」

 

ランサーが動揺し問いを投げるが、サムズアップでにこやかに返される。しばらく何かを言おうと口をパクパクしていたようだが、諦めてしまったようだ。

 

「待て、バーサーカー。貴公のその振る舞い、狂化がかかっていないのか?」

 

「いや、かかってはいるんだがどうも弱くてな。おかげでステータスも中途半端にしか上がってねぇ。とんだ災難だぜ。」

 

後を次ぐ形でセイバーがした質問にも、肩を竦めておどけるながら答える様子に、「情報を与えてしまった」というような焦りはない。それどころかそれでも構わないと言ったような態度からは、その真意は読み取れなかった。

だが、自分と同じように自ら名乗りを上げたものがいた事に気分を良くしたのか、イスカンダルは更に叫ぶ。

 

「うむ。お主の気概やよし!しかし全く情けない。情けないのう!セイバーランサーの剣戟を覗き見し、余とバーサーカーの名乗りを聞いてなお姿を表さぬ小物がいるとは。それでも冬木に集った英霊豪傑か!とんだ腰抜けもいたもんだわい。」

 

「全くだよなぁ!英霊サマが聞いて呆れるぜ!」

 

そしてスタークが便乗し、煽り立てる。

それに益々機嫌を良くしたイスカンダルは声を張り上げ、高らかに叫ぶ。

 

「聖杯に招かれし英霊は、今!ここに集うがいい。なおも顔見せを怖じるような臆病者は、征服王イスカンダルの侮蔑を免れぬものと知れ!」

 

そして訪れる静寂。普通の思考回路なら、これ以上絶対にサーヴァントは表れない。そう考えるのが普通のこの状況。

だが、その静寂は一瞬で無へと帰った。

 

「我を差し置いて王を名乗る不埒者が一夜のうちに2匹も涌くとはな」

 

静寂を破ったのは1人のサーヴァントだった。

そのサーヴァントは黄金の甲冑を身に纏い、虚空から出現した。輝く甲冑は闇夜にあってなお煌めき、闇によってより映えていた。

紅く燃える双眸は侮蔑の色に染まっており、眼下の石動達を見下ろしていた。

彼の真名は「ギルガメッシュ」。

世界でも名を知らぬ人は居ないと言っていほどに有名であり、その武勇は数々の物語にも影響を与えている。最も、今この場にいる者は誰もその真名を知らないのだが。

 

「難癖つけられてもなぁ………。イスカンダルたる余は、世に知れ渡る征服王に他ならんのだが。」

 

「たわけ。真の王たる英雄は天上天下に我ただ独り。あとは有象無象に過ぎんわ。」

 

まさに唯我独尊。

自分以外のすべては有象無象だと言い切るその態度は尊大であり、ある意味最も王らしいと言えた。

だがそんな態度は寛容に流したのか、イスカンダルは特に気にした風もなく問いを投げた。

 

「そこまで言うんなら、まずは名乗りをあげたらどうだ?貴様も王ならば、まさか自分の真名を言えんとはいうまい。」

 

「問いを投げるか。たかが雑種風情が。」

 

だが軽く流したイスカンダルとは違い、は激情を露わにする。

理屈を抜きにした感情的な癇癪は理屈を抜きにした威圧感があり、放たれる殺意は他を圧倒していた。

そして殺意に当てられ、両者間の間に不思議な拮抗が生まれる。

正に一触即発。

極度の緊張状態にあってなお、余裕を崩さないスタークは少し不機嫌そうに話しかける。

 

「オイオイ、お前は人を見下さねえと話もできねぇのか?これだから王様ってのはタチが悪ぃんだ。」

 

真っ直ぐに上空のサーヴァントを見つめるバイザーは一切の光を灯さず、黄金の甲冑とは対照的だった。

 

「……………ほう。貴様、何者だ?」

 

黄金のサーヴァントは目から侮蔑の色を消し、訝しげ、そして大いに好奇心を含んだな目線を当てる。

 

「なんだその匂いは。悪性、とも違うか。それに見通せぬ。貴様は本当に『こちら側』の存在か?」

 

鋭い目付きで睨む。悪性、見通せない、『こちら側』。

色々と気になる単語を零す黄金のサーヴァント。

対するスタークは肩を竦め、僅かに低くなった声で話す。

 

「…………さてな。わざわざ自分のことをべらべらと喋る気はないな。それに、今の俺はただのバーサーカーだ。それ以上でもそれ以下でもない。」

 

トントンと肩をスチームブレードで叩きながら返すスターク。その様子は飄々としており、余裕ぶった態度は崩れない。

 

「狂犬風情が我の問いに答えぬか。その不敬、万死に値する!」

 

だが逆にギルガメッシュは激昴。

つい先日遠坂邸で見せた黄金の波紋から武器を覗かせ、スタークへと照準を定めた。

それを見たスタークは肩を竦め、手を上げてため息をつく。

 

「はぁ………。なんでこう王様ってのは自分勝手なんだろうなァ。俺の兄も王だったが、自分勝手過ぎて手に負えなかったんだよなぁ。」

 

余裕ぶったその態度が逆鱗に触れ、顔を憤怒の表情に染め上げるギルガメッシュ。

 

「いいだろう………!貴様のその余裕ぶった態度、どこまで続くか見せてみよ!」

 

そういうが否か、波紋から無数の武器が射出される。

剣、槍、槌、斧、薙刀、刀。

その種類は一定ではなく、時代も出自もバラバラの物だった。だが、共通しているのはそれが全て宝具であること。そしてそれが全てスタークを狙っているということだけだった。

 

(あれは食らったらまずい!避けろ!石動!)

 

スタークの脳内には、雁夜からの警告の念話が届く。

それに反応する隙も与えまとしたのか、一斉に飛んでくる武器の群れ。

その煌めきは流星のように華麗でありながら一発一発が即死級。当たれば一溜りもないことが容易に想像出来た。

そして、一番槍で飛んできた槍がスタークに当たる寸前に、スタークがトランスチームガンにフルボトルを刺した。

 

『ロケット!スチームアタック!』

 

音声が流れでて、銃口が光る。

飛び出したエネルギー弾は不思議な軌道を描き、数本の武器に着弾。大爆発を起こして全ての武器を爆風が飲み込み、軌道をズラした。

 

「ほう。少しはやるようだな。では、その小癪な手癖で何処まで生き延びられるか、見せてみるがいい!」

 

それに怒ったギルガメッシュは更に黄金の波紋を展開。100に達するのではないかと思われるほど多くの波紋から飛び出した武器は更に厚い弾幕となり、死を運ぶ。

 

「これはちょっと不味いかァ」

 

そうつぶやくと、紅いオーラを纏い始める。

そして着弾する瞬間に瞬間移動と見間違うほどの速度で動き、その全てを避ける。それどころか飛んできた武器の数本をキャッチし、それを振るって武器を叩き落とすなんていう芸当までやってのけた。

 

「中々やるではないか狂犬。」

 

見ているセイバー達の口から思わずため息の出る程華麗な立ち回りはギルガメッシュの口角を少し上げることに成功していた。

そして次に現れた黄金の波紋は先程の数を遥かに超え、先端を覗かせる武具の輝きはより一層増していた。

当たれば霊基どころか座の情報すら吹き飛びそうな威圧感を放つそれらに、思わず身構えるスターク。

しかし、それが発射されることは無かった。

 

「………お前如きの忠言で我が引くとでも思っているのか?時臣よ。」

 

ギルガメッシュの脳内に届いたのは、マスターである遠坂時臣の言葉。「この場はどうか撤退して欲しい」という内容の忠言だった。普段なら激昴し、令呪でも使わない限り絶対に引くことは無かっただろう。だが、今回は違った。

 

「フン。まぁ良かろう。今の我は機嫌がいいのでな。おい雑種共、次に我と見える時までに有象無象を間引いておけ。我と矛を交えるのは一級の英霊のみで充分だ。それと、スタークとやら。我に武器を向けたこと、ゆめ忘れるでないぞ。」

 

そう言い残し、黄金の粒子となってその場を去っていった。

 

 

 

 

 

 

「全く。急に現れて掻き乱すだけ掻き乱してどっか行きおったか。まぁ、マスターの度量は小さかったようだし、仕方あるまいか。」

 

一気に空気の重圧感が消え去り、肩から特大の鉛が消え去ったような錯覚を覚えていると、イスカンダルがごちる様に呟いた。

 

「で、今夜はどうする。余はこのまま矛を交えても良いが……?」

 

ニヤリと笑うイスカンダル。しかし、他の陣営はそうでもなかったようだ。

 

「………今夜のところは止めておきましょう。」

 

「そうだな。我々も一旦体制を建て直したいと思っていた所だ。」

 

そういうが否や一礼をし、去っていくランサー──真名を、ディルムッド・オディナ。

後を追うように一礼をし、アイリスフィールを伴って去るセイバー──真名を、アルトリア・ペンドラゴン。

その場に残されたのは、頭をぼりぼりと頭をかくイスカンダルと、スタークのみだった。

 

「俺も帰らせてもらおうかね。流石に今の状況じゃイスカンダル大王を倒すのは厳しそうだ。チャオ!」

 

だが、残り一基まで煙と共にその場を去ってしまった以上、イスカンダルは矛を交える相手がいない。

 

「はぁ〜。ま、今夜のところはしょうがない、か。おい坊主!帰宅するぞ!」

 

そういう訳で、イスカンダルもチャリオットに乗り込み、居候しているマッケンジー宅へと帰還して行った。

あとに残ったのは派手にぶっ壊されたコンテナと布団のようにひっぺがされたアスファルト。そして戦いの余波の残る熱を帯びた風だけだった。




というわけで既に原作から逸れ始めています。
主だった点としては、やはり令呪でしょう。この場で本来ならケイネスもトッキーも令呪使ってますが、本作ではどちらも使っていません。
はてさてこれがどう影響してくるのか………?
では、次回の投稿まで!
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