私の玩具(マスター)どの♡   作:RedQueen

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ええ、こんにちは。あ、この投稿時間ではこんばんわ、かな。
まあ、どっちでもいいや。
どうも、今回投稿させていただいた者です。
久々に開いた"ハーメルン"、久々に感じた文製作の苦労感、懐かしいあまり指を怪我する羽目になっちゃいました(詳細は語らず)。
まあ何はともあれ、ようやく初投稿を済ませた自分ですが、人生の転換期ともいえる状況の中書きました。
逃げているわけじゃありません、"ハーメルン"は逃げる場じゃなく楽しむ場! 自分の置かれた状況など顧みず、ただひたすらに文構築を果たしました。
のでので、どうか気軽に読んでみてください。地に落ちてる新聞紙並みにどうぞ!(いや、それは自分でも言いすぎか)




私の玩具(マスター)どの♡

仄かに血の香りが漂う薄暗い一室に、鉄格子の窓の隙間から差し込む月明かりに照らされるひとつの影があった。

足元には原形を留めないほどに砕けた肉片が散乱し、それらから滴り落ちるどす黒い血に無数の吸血虫が集っていた。血を吸った身体は半透明から徐々に赤黒く変色していき、極小だった身体も微かにだが一回り大きく変貌したように見える。

「・・・あ・・・あぁ・・・・・・」

生気が感じられない声を上げる影。さらに血を求めようと脚に張り付いてきた虫にも気を留めず、影はただ虚空を見つめていた。

「いつまでそうしているつもりですの、あなた?」

ふと静寂を破る声が室内に響いた。部屋の片隅に閉ざされた鉄製の扉の奥から、一人の少女が覗き込んでいた。まだ幼さが残る可愛らしい声の少女は、部屋の中の有り様を見てどこかしらため息をついたかのような声を洩らす。

「別にあなたがどうこうしようと私には関係ありませんが、その娘はもうーー」

少女がそこまで言いかけた瞬間、それまで何事にも無関心だった影が勢いよく身体を仰け反らせ、

「う、うるさいっ! む、娘は生きている! ここに、ここにいるではないかっ⁉︎」

焦り切った表情で扉へと詰め寄った。さきほどまでの様子からは感じられない怒気をはらんだ顔つきで少女を睨みつける影だったが、対する少女は涼しげな眼差しで影を見つめ、

「哀れを通り越して嫌気がさしますわね。鴇様もこのような雑事ばかり仰られて、忠誠心が揺らいでしまわれるじゃありませんか」

どこか不快感を思わせる言葉を洩らす。しかし次の瞬間には少女は不敵な笑みを浮かべており、何かを感じ取った影は怯えた様子で一歩後ずさる。

「そう怖がらずとも。ただ、娘さんに会わせてあげるだけですわ」

そう言って少女が懐から取り出したのは、レンズにひびが入ったカメラだった。そのカメラを影の足元に散らばる肉片へと向けると、カシャっという音と共に眩い閃光が室内を包み込む。

光に目をくらました影がよろめくと、倒れかけた影を誰かが受け止めたのだ。この場には一人しかいなかったはず、そう感じた影が背後を振り返るとそこには、一人の女の子の姿があった。

「・・・え、エルなのか」

生気を感じさせない眼差しで影を見つめる女の子は、少しやすれた感じが目立つもののまさしく影の大事な娘だった。

「お父さん・・・」

「エル・・・エルっ・・・‼︎」

ようやく会えたとばかりに娘を抱きしめ、瞼を赤くし涙を浮かべる影。エルと呼ばれた女の子も優しげな笑顔を見せーー

「ありがとう、お父さん。じゃあ、いただきます」

感謝を意を示すやいなや、影の首筋に噛み付いた。一瞬悲痛な表情を浮かべる影だったが、気にする素ぶりをまったく見せずただ娘を抱きしめていた。見る見るうちに影の額は青白く変色し、身体も次第に痩せ細っていくのに対し、首筋から離れないエルの身体は徐々にだがどんどんと膨張するように膨らみが増していく。

その情景を扉の奥から観察するように眺めていた少女は、頰を赤く染め不気味な笑みを堪えきれずにいる。

「ああ、最っ高ですわ♡ 父娘の感動の再会・・・うふふ」

数刻が経ち、とうとう影は自力で立つことが不可能なほどーー人というより、干からびたミイラと見間違えるほどに痩せ細っていた。

「え、エル・・・エ・・・」

もはや声にならない微かな呟きを放つ影は、最後の力を振り絞って目の前の娘に微笑みかけ、満足げな顔をしたまま動かなくなった。

「ご馳走さま、お父さん」

腕の中で生き絶えた父に感謝の言葉をかけたエルだったが、急に興味をなくした玩具のように父だった死体をその場に放り捨てた。

「お腹空いた。あの、お父さんは?」

「ええ、お父さん(フード)ならまだまだ貯蓄がありますわ。少し小柄だけど透き通った血のお父さん、血は汚らしいけど太く養分たっぷりなお父さん、まだ生まれて間もないちっちゃなお父さんまで数多くのお父さんを取り揃えておりますわ」

「ほ、ほんとですかっ」

少女の返答に満足げに軽く飛び跳ねたエルは、口にこびりついた血には目もくれず次なるお父さんのことを想像して無邪気な笑みを浮かべる。そんな彼女をよそ目に、少女は新たな玩具(エル)を連れて薄暗い通路の奥へと消えていった。

 

 

 

おびただしい数の死体、死体、死体が地を埋め尽くす戦場跡に、少女が一人その場の雰囲気に似合わぬ陽気な口笛を吹きつつ渡り歩いていた。

「ふんふっふふ〜ん♪ 楽っしいな〜、嬉しいな〜」

戦場となった荒野はおびただしい死体とともに木々や草花も面影が感じられないほどに無残な姿となっており、戦場の凄惨さを物語っていた。

「殺しに殺され、蹂躙だ〜♪ 跡形なく踏み潰ーー」

「ーーっ、シエルどの」

ふと少女の口笛を遮るように木々の間から鎧に身を包んだ男が現れた。鎧の各所は剣戟をまともに喰らったかのような傷跡が多く見られ、矢が刺さった腕からは血が滴り落ちていく。

「このようなところにおられたか、闘いが終わるやいなや姿を消されたから焦りましたぞ」

少女を心配するような口調で近づいてくる男に対して、シエルと呼ばれた少女は不満げな表情を浮かべる。

「大げさだよラウル、一人くらい姿を消したくらいで問題ないよ。それにここは戦場、私の遊び場で私がどうこうしようと勝手じゃない」

その一瞬シエルの目つきが変わり、ラウルが怯むように一歩後ずさる。彼女から感じられる気はその場を支配し、ラウルは目の前にいる得体の知らない"なにか"に目を奪われる。

「ハイ、終わりーー」

次の瞬間にはシエルはラウルの背後に回り込んでいた。首筋に冷たいナイフの感覚を感じたラウルはお手上げといった様子でため息をつく。彼の様子を見たシエルは構えたナイフを懐にしまうと、すたすたと軽い足取りで彼から離れた。

「魔王も目を引く力の一端、さすがと言わざるをえないですな。戦闘隊長の位を授かった私とて、貴殿の足元にも及ばないでしょう」

「褒めてもなにもでないよ。ていうか、ラウルがはるばる捜しに来るって何か用があったの?」

彼女の雰囲気に呑まれていたラウルは彼女の言葉で要件を思い出した。一瞬伝えるかどうか躊躇う素ぶりを見せるラウルだったが、意を決したように口を開いた。

「魔王の第一領が《白》の軍勢に包囲されたとの報告がありました。軍勢の中には"鵺"の存在も確認あり、と」

ラウルが語った言葉にそれまで飄々としていたシエルの顔つきが変わる。

「確かなの?」

「ええ、"灰隼"からの伝えで」

「状況は?」

「今のところ双方に動きはなく、城の各地で小競り合いなど牽制の状態が続いているとのこと。おそらく、貴殿やベネーチェ殿、鴇様の不在を狙われたのでしょう。鵺の存在が確かなら現在の城の勢力では抗うのも時間の問題でしょうな」

苦虫を噛み潰したような顔で情勢を語ったラウルだったが、目の前のシエルを見て動揺を隠せないでいた。

自身の君主が危うき状況を聞かされ焦るどころか、笑っていたのだ。

「あはは、白もやってくれるね。私たちが遠征した機を狙って、かーーいいじゃない、そっちがその気ならーー」

笑いを堪えるように身体を震わせていたシエルだったが、城がある北側へと身体を反転させるとその勢いのまま駆け出していった。

「し、シエルどのっ! 城まで何千里あるとーー」

反応が遅れたラウルが大声で呼び止めようとするが、とうのシエルは風の如き速さで一瞬にして姿を捉えきれないほどに過ぎ去っていった。

一人その場に残されたラウルだったが、気を取り直し自身の軍勢が待機する場へと戻ろうと足を進める。

「まさに"狂犬"か」

ふと彼女が走り去った方角を振り向き、そう言葉を洩らすのだった。

 

 

 

第一領と第四領の狭間にある峡谷は、いつも深い霧が立ち込めていた。脆い足場に加え、霧に視界が遮られたこの場は滅多に人通りがない場として知られていた。それ故密かに領域を横断する者らの道となっており、今日もまた第四領に抜けようとする一団の姿があった。

「もうすぐだ。あと少しでこの峡谷も抜けられる」

「ようやく、ようやく自由が手に入る」

「ああ、追手どももここまでは追ってこられないはずだ。この霧の中ではかの"百鬼団"の連中といえーー」

彼らは反乱を起こしたとして捕らえられた投獄犯だった。第一領の君主の地での勝手の密売を発見され監獄に入れられていたのだが、《白》が陽動として引き起こしたことで監獄の機能が停止し、こうして脱獄を果たした者らが領域を抜けようとしているのだ。

「しかし、あの連中はなんだったんだ。まるで俺たちに興味なんぞ示さず、ただ監獄を襲っていたようにしか見えなかった」

「それは俺も思った。やつらは一体ーー」

「それを知る権利も猶予も貴様らにはない」

ふと男たちの会話に割り込む声。突然の声に団の一人が足を踏み外してしまい崖下に落ちそうになるが、慌てながらも彼を助けるように回りの者らが手を差し伸べた。

「だ、誰だっ⁉︎ どこにいる‼︎」

「そのように声を荒げて、よほど狙われたいらしい」

その言葉とともに一瞬空を切るような音がしたと思いきや、団の一人の頭部に矢が突き刺さる。声を上げる間も無く逝った一人は、霧の海へと落下していく。

「弓だっ、みんな気をつけろ!」

「お、おい押すな!」

「ちょ、ちょっとそっちはーー」

突然の敵襲に混乱を隠せない一団は狭い足場にも関わらずただひたすらに危険を回避しようと走り出す者もいれば、それに押されるように崖へと落ちていく者も見えた。その混乱の最中にも弓が飛来し、その場をより混沌と化していく。

「《白》に一手やられたものの、貴様を逃がす理由とはならない。よってこの場を第二の監獄ーーいや、処刑場とし、貴様らを断罪する」

どこからともなく響く声、その正体は彼らが歩いていた道から少し高い位置にある空洞から弓を引いていた。空洞の中は荒削りだが最低限の生活空間の場が設けられており、入り口付近には空洞を隠すように崖と同化した小細工が成されていた。

「この"灰隼"の名において、逃げの手はないと思え」

一切の慈悲なく弓を放つ灰隼。放たれた弓はまるで生きているかのように不可思議な軌道を描き、来た道へと引き返そうとする一人に突き刺さった。その後も絶えることなく弓が一人、また一人と息の根を確実にとめていき、さきほどまでの騒々しさから一転、元の静寂が訪れた。

灰隼は弓の構えを解くと、空洞の奥に敷き詰められた藁へと一直線に倒れかかる。先ほどまでの厳しげな声音とは一転してか弱そうな声を上げた灰隼は、宙を眺めたままぼそりと呟く。

「隊長、褒めてくれるかな」

淡い期待を寄せる灰隼だが、

「でも、隊長口調のことは秘密っと」

この一点については隠し通そうと思う灰隼だった。




簡単な詳細事項について

一人目の少女
名はベネーチェ・メルトル
ちょっと狂った性格の女の子

二人目の少女
名はシエル・コルテス
天真爛漫で無邪気者、及び狂犬

三人目
名は◯◯◯◯
灰隼の異名を持つ弓の凶手
隊長口調を秘密にする、隊長ファン?


後書きに失礼しますが、今回の初期投稿は本編の一端、キャラクターを簡単に紹介する程度のものであり、決してプロローグのような大それたものではございません。
なぜか、注意書き口調ですみません。
まあ、プロローグは挫けない限り"いつか"投稿されるーーはずです。
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