ナイツ&マジック -緑鶏記-   作:唯乃塵

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魔法を知ろう

 私が転生したと気づいたのは生まれてから三年経ってからだった。

 それ以前は大凡ふつうの赤子と同様だったようだ。

 自我を得た後は目に付く端からあれは何これは何と聞いて回った。

 兄さんは(この時点では)余り活発では無かったので、両親からは内向的な兄と知りたがりな妹と見られていたように思う。

 そうこうしてるうちに二年経ち、私は五歳になった。

 私の名は『エヴェリーナ・エチェバルリア』。

父親譲りの金髪と母親譲りの蒼い瞳が特徴的な幼女である。

 

 

 「エル、リーナ。魔法はね、大気中に漂う『エーテル』を体に取り込んで、触媒を通して魔力(マナ)に変えて、それを現象として発現させるのよ。」

 私は今、エルネスティ兄さんと一緒にセレスティナ母さんに魔法を教えてもらっている。

 「例えば、竜種(ドラゴン)さんみたいな魔獣は体内に触媒を持っているから火を吐くことが出来るし巨大な体躯(からだ)で空を飛ぶ事も出来るの。」

 「体内に触媒がないと魔法は使えないのですか?」

  兄さんが母さんに質問した。

 「そんな事ないわよ。触媒結晶を用意して魔法の仕組みを表した魔法術式(スクリプト)を頭の中にある魔術演算領域(マギウス・サーキット)で用いれば、魔法は使えるわ。少しお外でお手本を見せましょうか。」

 そう言って母さんは外に出て自分たちも後について行った。

 

 

 「これが火の系統の基本魔法、火炎弾丸(ファイアトーチ)よ。」

 そう言いながら母さんは触媒結晶を先端にはめ込んだ杖を十歩程先に吊り下げられている三重丸の書かれた板にむけて拳程の大きさの火球を射出した。

 火球は的のやや右側に着弾し、ごく小規模な爆発を起こして的を少々焦がして後ろへ跳ね上げた。

 「火炎弾丸(ファイアトーチ)魔法術式(スクリプト)は比較的単純な図形や式で出来ているけど、より高度な魔法や大規模な魔法はどんどん複雑になっていくわ。」

 「やってみる?」

 「「はい。」」

 こうして私たちは魔法の練習を始めた。

 

 二時間後、なんとか火炎弾丸(ファイアトーチ)の発動に成功した。

 母さんによれば、初発動には三時間くらいかかるのが普通らしいので、そこそこ早い方なのだろう。

 兄さんは開始十分で発動に成功し、一時間で的の中心に命中させ、やたら張り切って練習して魔力(マナ)を使いすぎて既に休んでいるが。

 たぶん、前世で数学者かプログラマーでもやっていたのだろう。前にロボットがどうの言ってたから前世は地球にいたのは間違いないだろうし。

 ともかく、騎操士(ナイトランナー)に魔法は必須なのだから優秀な兄(エルネスティ兄さん)に置いていかれぬよう、気張ってやるとしよう。

 

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