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私たちが住んでいるライヒアラ学園街はライヒアラ騎操士学園を擁する城郭都市(フレメヴィーラ王国は魔獣の襲撃に備える為ある程度の人口を擁する都市は全て城郭都市になっている。)であり、しかし基本的に警戒しているのは城壁外からの魔獣の襲撃であり、城壁内側の常時監視はしていない。
つまり、毎日人が寝静まった夜遅くに高速で屋根づたいに飛び回る怪しい人影があっても、見つかる可能性はほとんどないのである。
「それでは今日の走り込みを始めましょうか。」
準備運動を終えた兄さんはフードをかぶり、
私もまた
私と兄さんとでは魔法の運用が異なっている。
兄さんは高い
自分は
そして、現在行っている走り込みは屋根づたいに移動する長距離跳躍が頻繁に必要なコースである。
よって
そうして走っているとある家の屋根によく似た背格好の恐らく自分達と歳もそう変わらないであろう黒髪の男女が見えた。
昨日ここであった兄妹であった。
「こんばんは。また会いましたね。」
「待ってたんだよ。おまえ達を。」
少年が応える。
どうやら、わざわざ私達を待っていたらしい。
「おまえらすごい速さで走ったり飛び回ったりさ。
あれ、
「ええ。よくわかりましたね。」
「やっぱり。」
「なあ、俺たちに魔法を教えてくれないか?」
この兄妹がなぜ私達を待っていたのか納得した。
フレメヴィーラ王国では魔法は確かに一般的に普及しているが、基本的に
そして、これらの職種の子供でもなければ入学前に
しかし、この兄妹の前に自分達、つまり
この状況で騎士や
「教えると言っても、とても難しい事ですよ。」
「私頑張る。」
「望む所だぜ。」
兄さんは少し悩んだ様だったが、魔法を教えることにしたようだ。
「俺はアーキッド。そしてこいつが双子の妹のアデルトルート。」
「アデルトルートよ。よろしくね。」
「僕はエルネスティと言います。」
「私は兄さんの双子の妹のエヴェリーナ。」
自己紹介をしながら私達はフードを下ろした。
「おまえら、女だったのか。」
「かわいい。」
兄さんは少々憮然としながら訂正する。
「良く間違われますが、僕は男ですよ。」
「私は女だよ。」
「どっちもかわいい。」
何か可愛いもの至上主義のような気配を漂わせるアデルトルートからさりげなく兄さんとアーキッドが盾になる位置に移動しつつ、話を続ける。
「今はもう遅い時間だからまた明日、改めて説明しましょう。兄さんもそれで良い?」
「そうですね。では明日の昼過ぎにここから一番近くの南大門の前に集合としましょう。」
「城壁の外でやるのか?」
「当然です。
「それもそうか。」
「そういえば、二人とも杖はあるの?」
「うん、あるよ。」
明日急いで用意するものは特に無いようだ。
「それじゃあ、また明日。」
そう言って私達は二人と別れ、家路についた。
そして帰宅後、明日、どう言った内容で魔法を教えるか兄妹ですりあわせたのだった。