ライヒアラ騎操士学園入学を一年後に控えたある日の事、私は兄さんと一緒にテルモネン工房を訪れた。
「こんにちは。バトソンいますか?」
「何だよ、今手伝いがあるから…。」
「今日はお願いがあってきました。図面を引いたので見てもらえますか?」
「イヤ、話聞けよ。」
兄さんはマイペースに話を進め、バトソンが応対する、テルモネン工房にきたときの何時ものやりとりである。
※※※
バトソン・テルモネンと初めて会ったのはキッドとアディを弟子にしてから数ヶ月後の事だった。
ある日、たまたま一人で走り込みをしていたところ、バトソンがブチキレながら1人の男子をボコボコにしている所を見かけた。
割って入り事情を聞いてみた所、
そして
尚、他の窃盗犯はボコられている奴を見捨てて逃げたらしい。
薄情な事である。
取り敢えずバトソンを叩きつけられた三人の内の
尚、不詳の兄と双子は巡回中の幻晶騎士の近くで何やら決意を新たにしている所を捕獲しそのままバトソンに謝らせに行きました。
※※※
「ところで、リーナはこう言うのはないのか?」
どうやら
「身長もまだ伸びるだろうし、この木剣もある。
今作るとまた身長に合わせた剣を買う必要が出るから今はいいかな。
中等部である野外実習に合わせて作って貰う事にするよ。」
「ふぅん。
作る予定はあるんだな。
わかった、その時を期待してるよ。」
実は作って貰いたいモノはいくつかあるのだがどれもガッツリ金属加工品になるので杖みたいに見習いの片手間でとはいかない品だ。
頼めば確実に正規依頼になるだろうから現状では
まあ、これは別に今すぐ必要と言うモノでは無いから追々作って貰えばいいだろう。
「腕輪とかに触媒結晶くっ付けるのが違法じゃなければこの場で頼んだんだけどね。」
「それはもうしょうがないだろう。
「まあ、そうなんだけどね。」
以来、杖は斯様な禁令下での最適化が繰り返され現在の形状に落ち着いている。
「それにしても、杖に剣を付ける発想は確かになかったけど、なんで今まで誰もやらなかったのだろう?
剣と杖をいちいち持ち替えるのは確かに手間だし誰か思い付きそうなものだけど・・・。」
「そりゃあ、唯くっ付けるだけだと使い物にならないからでしょ。
単純に剣と杖をくっ付けるだけだと近接戦の時に触媒結晶が相手の直ぐ近くにある事になるし、打ち合ううちに簡単に壊れそうだしね。
脆弱性さえ解決出来れば少なくない需要も期待出来るだろうしね。」
バトソンがふと発した疑問に自身の考えを応えながら
どうやら仕様を詰め終わったようだし、今はお暇するとしよう。