アズリールになったので自分に正直に生きます   作:ミレニア

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愚王

空は図書館を取り返したあと、王の寝室から図書館に引きこもっていた。

ステフはお茶いれをさせられ、空と白は獣人種の情報をジブリールから教えて貰いながら。

 

「…なぁ、ジブリール。

何でアズリールはあんなに怪我してんだ?」

 

「…ん、それ、気に、なった」

 

が、本を読みながらつい気になってた事を喋ってしまう、空と白。

その言葉にアズリールは、顔をくもらせ、左腕を抑える。

長い年月が経ち、痛みが出てくる回数は減りはしたが、それでも、激痛が来なくなった訳では無いし、その出来事関連を思い出すだけでも来る。

 

「…いくらマスター達といえど、その質問にはお答えいたしかねます。

それと、これを最後にその質問をしないでください」

 

少しだけ目を細め。

 

「…わりぃ」「ごめ、ん」

 

二人は謝る。

だが、アズリールは。

 

「いや、いいにゃ、二人には話しておくにゃ」

 

「アズ…ですが」

 

「大丈夫にゃ。

…この怪我は大戦時、自身を犠牲にジブちゃんを守った時に出来たにゃ。

まぁ、右翼は無くなって飛べなくなったり、左腕は使えないから何かするのも一苦労。

しかも時々激痛もはしる。

正直ジブちゃん無しじゃほぼ何も出来ない位にゃ。

でも、その程度で済んで守れたなら後悔なんて無いにゃ。

あ、その事とジブちゃんと付き合ってる事は全くの別だからにゃ!」

 

「それは分かってるから。

しかし、まぁなんだ、それは本当に悪い事を聞いたな、すまん」

 

「うん、ごめん、ね」

 

「気にしなくていいにゃ」

 

そして、ステフが帰ってくる。

 

「皆さん、用意が出来ましたわよ……何ですの、この空気」

 

お茶を入れお菓子を作ってきたステフが困惑しているなか。

アズリールは、はっ、と何かを思い出した。

 

「あ、忘れてた!

ドラちゃん!ちょっと来て欲しいにゃ!」

 

「ド、ドラちゃん!?

私にはステファニーという名前が…あと、どこへ連れていかれるんですのー!」

 

二人は空間転移で何処かへ行ってしまい。

取り残された三人は。

 

「…あいつの切り替えの良さは凄いな…」

 

それに頷く二人。

 

-----------------------

 

再びキッチンへ戻らされたステフ。

 

「な、何故またここに…」

 

「ドラちゃんにお願いにゃ!

うちに料理を教えて欲しいにゃ!

このとーり!」

 

手を合わせたいが出来ない為、それっぽいように手を出し頭を下げるアズリール。

それに慌てるステフ。

 

「ちょ、頭を上げてください!

料理位教えてあげますわよ!

でも、何故急に?

天翼種って食事は必要ないじゃないですの」

 

「必要ないけど、うちは最近食べる事にハマってるにゃ。

ジブちゃんに作ってもらったりしてるけど、うちの料理を食べてみたいって言ってたからにゃ!

本を読んだり色々してるにゃ、だけど教えて貰いたいからにゃ。

そこで、ドラちゃんの出番にゃ!」

 

「まぁ、いいですわよ。

それで、何を作りたいんですの?」

 

「簡単なものから作っていきたいにゃ」

 

「分かりましたわ、ではまずこれから──」

 

アズリールの料理特訓は続く。

正直に言おう、下手である。

元の世界でも料理なんてほぼした事ない人間が上手い人に教えて貰ってもすぐに上手くなる訳では無いが、なかなか酷い。

いくら片腕が使えないにしてもである。

 

「にゃはは……もう……無理…」

 

アズリールは自分の下手さに絶望して、真っ白に力尽きて。

 

「あの…まだこれからですわよ…ほら…頑張ってみましょう?」

 

ステフも予想以上の下手さに慰める事しか出来ない。

その後も少し続いたがアズリールが自虐しだしたので一旦料理は終わりにし、戻る。

そして、ドアを開ける前に声が聞こえる。

 

「くそ、どうしろってんだ。

先王、アホだとは思ってたがここまでくるとアル中だったんじゃねぇか?

無謀な突撃に領土を八回も掛けるとか…。

数でおせば運で勝てると思ったのかねぇ?」

 

その声にステフはドアを思い切り開けて声を上げる。

 

「やめなさい…確かに、お祖父様はゲームは弱かったですわ…。

でも、人類種数百万の命を背負って、何も思わないほど頭のネジは飛んでませんでしたわよっ!

空達と違って、常識的人格者だったんですのよ!」

 

「領土半分を無駄に費やすのが常識的人格者なら、俺は異常者で結構」

 

その言葉に、震えて涙目になり、走る。

 

「いい、すぎ」

 

「…あんなん見せられてどうしろってんだ…」

 

-----------------------

 

──エルキア王城─旧王の寝室──

 

元は空達の寝室だったが、別の場所に寝床を作ったのでステフの寝室となった。

ステフ一人にはでかいベッドに埋まって。

 

「お祖父様が正しいって証明してくれるんじゃなかったんですの…嘘つき…」

 

ステフが肌身離さず持っている鍵を握り。

 

『おじいさま、これ、なんの鍵ですの?』

 

『それはワシの大事なものがはいってる鍵じゃ』

 

『聞いた事ありますわー、おじいさまは人に見せられない本を集めてるって』

 

『いやいや、それは別の事じゃ!

…これはな、希望の鍵なんじゃ』

 

『きぼうの…鍵…?』

 

『そうじゃ、いつかステファニーにあげよう』

 

『ほ、ほんとうですのっ!』

 

『ああ、ただしよく聞いとくれ。

いつか、心からエルキアを任せられると信じた者に渡しておくれ』

 

思い出す、数十年前の事。

だけど、お祖父様を侮辱した空には…。

 

「ドラちゃん、ちょっといいかにゃ?」

 

「ひぎゃああああああああああああ」

 

ひょこっと現れたアズリール。

その事に驚き跳ね上がる。

 

「うるさいにゃ。

…ちょっと話をしようにゃ」

 

「…何ですの…」

 

アズリールはステフが横になっているベッドに座る。

 

「確かに空は君の先王を侮辱したにゃ。

ネガティブ思考になってたとはいえ言っちゃいけない事を言ったのは事実にゃ」

 

「そうですわよ…だから、あの男には…」

 

「でも、今、空はそれを訂正しようと頑張ってるにゃ」

 

「えっ…」

 

「よく考えるにゃ、空は不器用で人類種なんてどうでもいい風に見えるけど、実際やってきた事はどうにゃ?」

 

森精種を破り王になり、効率の良い内政を作り出した。

ジブリールを負かし、図書館を取り戻した。

 

「…あっ」

 

「分かったかにゃ?

空には愚王を賢王にする残り1ピースが無いにゃ。

でも、ドラちゃんにはあるにゃ」

 

ステフは手のひらに置かれた鍵を見て。

 

「…あの男を信じろ…って言うんですの?」

 

「知らんにゃ。

そんなのは自分で行ってから考えるにゃ。

それじゃあ、うちは戻ってるにゃー」

 

そう言い残し、アズリールは消える。

 

「………あぁ、もう!行ってやりますわよ!」

 




トーク編

「珍しくうちかっこいいと思わない?」

珍しくいい文書けたと思わない?
最後だけだけど。

「はいはい、二人ともよく出来ました」

「褒めるんだったら撫でてにゃぁぁぁ」

撫でてー。

「先輩はいいですけど、作者は嫌です」

ハハッナミダ。

「( ・´ー・`)ドヤァ」

おお、うざいうざい。

「やっぱり私もやめましょうかな」

「ごめんなさいやめないでくださいうちがわるかったですというかぜんぶさくしゃがわるいんですだからやめないでくださいもっとしてください」

「はぁ、仕方ないですね、ほら、早く来てください」

「ジブ様ぁぁぁ!」

何これ、新手の洗脳?

「あなたにはこれを差し上げます」

WOW、BIGTENGEKI。
って、アホか!久遠第四加護!
あぶねぇな!

「ちっ」

わぁ、素直、そういうとこ嫌いじゃない。
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