アズリールになったので自分に正直に生きます   作:ミレニア

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話し合い

翌日エルキア王城にて空、白、ステフ、ジブリール、アズリールの五人がエルキア大使館に行くために集まる。

 

「それじゃ、行くか」

 

「れっつ、ごー」

 

「もうどうにでもなれですわー」

 

「アズ、ちゃんと摑まっていてくださいね」

 

「既に摑まってるにゃ」

 

皆が腰の布に摑まってる中一人だけ後ろから抱きついて。

 

「アズ…まぁ、いいですか。

それでは参ります、しっかりとお摑まりくださいませ。

目的地──エルキア大使館へ」

 

そう言い残して五人は消える。

 

 

 

 

───エルキア大使館前───

 

空虚から現れる五人。

それを待っていたであろう獣人種が扉から出てきてお辞儀をし。

 

「お初にお目にかかります。

エルキア国王空殿、女王白殿。

東部連合・在エルキア次席大使の初瀬いのです。

在エルキア東部連合大使、初瀬いづなに用があるのですね」

 

思考を読めると言わんばかりに。

だが、そんなのは空には通じず、全く気にすることなどなく。

 

「お、話が早くて助かるな。

さっさと案内してくれ」

 

「どうぞこちらへ」

 

左手で示した先の扉が開き、いのを先頭に五人は入ってゆく。

大使館の中は思ってたより和風でいてその雰囲気にアズリールは癒されていた。

ジブリールとステフは見たことない技術にキョロキョロとして。

空と白にとっては別に変わったものでもない為二人より落ち着いて歩く。

いのの先導の下、表面上はお辞儀をしてくる獣人種を横目に流しエレベーターへと乗る。

床が動いたと驚くステフとジブリールの肩に頭を置いて半分寝かけているアズリールを無視してただ待つだけ。

 

「…なぁ、なんでアズリールは昨日来たんだ?」

 

「…先の件以来エルキアに良い感情を持つものが少ないので…恐らくその者達が原因で、そちらが出していた書簡を勝手に処理されてましてな、そこの…アズリール殿でしたか、その事と御二方が来ることを伝えに来ましてな」

 

「…先の件ってなんだ?」

 

特に情報が出ないと判断した空は気になった事を口に出す。

アズリールの頭を撫でながらジブリールが答える。

 

「人類種が城を奪われたあと大使館が王城より立派なのが国の威厳に関わると新たな城に増築を重ね、それに対し東部連合も増築、そこからは…ただの意地の張り合いで御座いますね。

結局力も技術でも勝る東部連合により、現在に至るという事でございます」

 

「…めんどくさ」

 

その言葉をわざわざ拾い。

 

「ただでさえ獣人種は人類種を過剰に見下しますので。

あぁ、そういえばアズから教えて貰った言葉にありましたね。

目くそ鼻くそを笑う、と」

 

「はっはっは、全く同感ですな。

それも六位殿に言われるといやはや耳が痛い。

ならば人類種如きにふよふよとついて行くだけの欠陥兵器はさしずめ耳くそですかな?」

 

お互いに笑みを崩さず。

 

「うふふふ」「はっはっは」

 

…そこからの展開は語るまでもないであろう。

いのとジブリールの二人がお互いの種族を罵りあいそれはエレベーターが着くまで続いた。

いやなんでアズリールは起きねぇんだよ。

 

そしていのがピンポイントにアズリールを貶し、その事に完全にキレたジブリールは今すぐにいのにゲームを挑み殺そうとする。

それを止めた頃には獣人種とのゲームを終えたあとより疲れていたであろう。

 

とてつもなく長く感じて、やっと着いたエレベーターから降りる。

 

「それでは、初瀬いづなを連れてきますので少々お待ちを」

 

一礼してまた乗り込むいの。

 

「しかし、技術の差を感じされられますわ…」

 

大理石などの資源を使った部屋。

ふかふかそうなソファやら金持ちが使ってそうな椅子やら。

そして、巨大な画面。

 

「やっぱりか」

 

「でかいにゃー」

 

「…アズ、リール、知って、るの?」

 

初めて見るはずなのに特に気になってなさそうだし、知ってそうなもの言いから。

つい口から出てしまった事に焦り。

 

「いやいや、ただ大きいなって思っただけにゃ!」

 

二人の事だから気づかれたかもと思い。

 

「…そ、う」

 

特に気になった訳でも無さそうに。

 

(よかったぁ、マジ焦った…。

あれ、というかなんで隠す必要があるんだ?

……まぁいいか!)

 

この切り替えの良さは凄いと思う。

そこにジブリールから魔法によるテレパスで話しかけられ。

 

「(アズ、あれはなんなのでしょうか?)」

 

「(あれはテレビって言って元の世界にもあった技術だよ。

あれでゲームをするんだけどテレビゲームで絶対勝ちたい奴ってこっちが勝てないほどのチートを使ってくるからなー。

しかもこっちはそれを暴く術がない。

だから東部連合は挑まれれば絶対に負けない)」

 

「(なるほど、ですがマスター達は──)」

 

「(──そんな事知った上でやるからねー)」

 

テレパスで話しているとエレベーターが開きそこから出てきた二人の獣人種。

 

「お待たせしました。

東部連合・在エルキア大使館、初瀬いづなでございます」

 

そう紹介され出てきたのは。

 

黒目黒髪のボブヘアーにフェネックのように大きく長い獣耳と尻尾。

大きなリボンを腰につけた和服の、どう見ても年齢一桁の幼女。

 

「か……」

 

立場を忘れ可愛いとステフがこぼすより早く。

 

「「「キング・クリムゾンッ!!!」」」

 

「うふふ獣耳の麗しき幼女よおにいさんと遊びましょうかなぁに怪しい人じゃないですことよ」

 

「……ぷにぷに……ふわふわ…ふふふふふ」

 

「尻尾ぉぉぉぉもふもふぅぅぅ」

 

ジブリールの目を持ってしても認識出来なかった空、白、アズリール。

アズリールもやはり中身は獣耳好きの男子だったようで。

三人が的確に頭と尻尾と耳を撫で回していると、獣人種の少女が、いづなが。

かわいい声で。

 

「なに気安く触ってやがる、です」

 

「………えっ?」

 

「…かわ、いさ…ま、いなす…五十、ポイン」

 

「もふもふ〜♪」

 

いづなの言葉づかいに距離を取る兄妹。

それでも撫で続けるアズリール。

その光景を羨ましく見てる天使がいるとか。

 

「勝手にやめんな、です」

 

「えと……はい?」

 

「はやく続けろや、です」

 

尻尾をアズリールにもふられてる為動けないいづなが首を出して。

 

「あー、えーと、よろしいのデ?」

 

「いきなり触りやがったの、驚いただけだろ、です。

イヤって言ってねぇ、です」

 

言葉と表情の不一致に気づいた空。

 

「…あー、語尾に『です』を付ければ丁寧語になるわけじゃねぇぞ、です?」

 

「…っ!そーなのか、です!?」

 

そういえばこの世界は嫌がることは出来ないこと。

つまり出来た時点で許可がおりていたことに気がついた空。

 

「…お気になさらず、孫はエルキアに来て一年、まだ人類種語が苦手でして、それと」

 

表情が変わり。

 

「おいゴラ、ハゲザル、欠陥品。

こっちが礼儀正しくしてりゃ調子乗りやがって、なに薄汚ぇ手でカワイイ孫を触ってやがんだ死なすゾゴラ──と」

 

再び礼儀正しい笑顔に戻り。

 

「言われるような行動は控えてもらえますでしょうか」

 

「なるほど、じじい、てめぇの問題か」

 

「…この、じじい嫌い、マイナス、千、ポイン」

 

…撫でて欲しそうないづなを撫でて。

 

「でも、いづな、たん、ギャップ萌え…プラス、千、五十、ポイン」

 

怒りを隠す表情のいのが。

 

「嫌なら断ってよいのですよ?」

 

「かまわねぇ、です。

ハゲザルとけっかんひんの癖にじーじよりうめぇ、です」

 

その事に凹んだ様子のいの。

 

「じゃあ、そのハゲザルとかやめようか。

俺は空、こっちは白、ずっと尻尾に居るのはアズリールだ」

 

「…よろ、しく…いづなたん」

 

「にゃふぅ、アズリール、にゃ、よろしく、にゃ、いづにゃん」

 

「がってん、です。

よろしくな、です。

空、白、アズリール」

 

「…あのー、そろそろ始めませんこと?」

 

と、唯一置いてかれていたステフ。

アズリールがやっと尻尾から離れ椅子に座った時。

何やらジブリールの様子が。

 

「もふもふだったにゃ〜、にゃ?

ジブちゃんどうしたにゃ?」

 

ジト目でそっぽ向いて。

 

「…なんでもないです」

 

嫉妬である。

何となく頭を撫でてみる。

少し口元が揺らぐ。

 

「…そんな事をしても許しませんよ」

 

「ごめんにゃ、今度何かプレゼントするからにゃー」

 

「…仕方ありませんね」

 

と言ってアズリールとは反対に顔を向ける。

よく見えないが嬉しそうに。

 

 

 

 

横長いテーブルを挟み、空をはじめに、白、アズリール、ジブリール、ステフが座り、向かい合う。

 

「では、そろそろクソザル共のご用件を伺いましょうかな」

 

「孫の扱いで負けたからってキレんなよ爺さん。大人気ねぇ」

 

いのにヒビがどんどんと入っていくなか、一人の天翼種が。

 

「マスター、獣人種のコンプレックスの塊の如き精神はガラス細工並に脆く傷つきやすいので、あまり刺激しないであげて頂けませんか。哀れさに笑みがこぼれてしまいます」

 

笑顔を保つのが限界ないの。

何もかも忘れて今すぐこいつらを叩きだそう、そう決め考え空の目を覗いた瞬間。

不覚にも背筋に悪寒が走るのを、いのは感じた。

そこには、一瞬前までのふざけた、おちゃらけた男などいなく、そこにいたのは自信に満ち溢れ途方もない打算を行っている。

紛れもない──『種族の王』であった。

 

「俺の要求は単純さ、初瀬いの。

お孫さんのパンツをくれ、ステフのやるから」

 

「はぇっ!?なんで私─」

 

「てめぇ、クソザルいい加減にしやがれ!」

 

「えぇ?じゃあ、ジブリールのが─」

 

「そぉらぁくぅん?」

 

「…じょ、冗談だよ」

 

ニコニコとしてはいたが目は笑ってなかった。

 

「あ、白のはダメだぞ、十一歳児のパンツ欲しがるとか爺さん病気だぞ。

それとも、まさか、俺か!俺のがいいってか!?」

 

「てめぇ…本当の要件を話す気ねぇんならマジで帰──」

 

「なぁ、爺さん。

思考を読める振りしてるとこわりぃけど、バレてるよ。

てか、最初から知ってたんだけどな。

仕方ないから本題に入ってやろう」

 

足を組み姿勢をただし。

 

「位階序列十六位人類種が一国、『エルキア王国』全権代理者、空と白の名の下に。

貴国、位階序列十四位獣人種が一国、東部連合が。

我ら世界征服の覇道における名誉ある最初の犠牲者に選ばれた事を祝福する。

当方は貴国に対し『対国家ゲーム』におき、『大陸にあるお前らの全て』を要求する」





トーク編

獣耳っ子の尻尾をモフるのは男子諸君の夢でしょう。
因みにアズリールは獣耳っ子と天使っ子が好きですよ。
作者もだけど(ボソッ

「ジブちゃんなかなかチョロくない?」

原作が空達限定でMになるならここだったらアズリール限定でめちゃめちゃ甘くなるみたいな?

「こっちのジブちゃんは全然なのに」

なんでですかねー。
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