ベルナデッタ可愛い。
めんどくさいからさっさと抜けてきたアズリールとそれについて行くジブリール。
図書館に転移して。
「あー、シリアス的な話は無理にゃ」
「シリアス、という割には途中ふざけていた気がしますが…」
何のことでしょうと言わんばかりに目をそらす。
「ところで、何故抜けてきたのでしょう?」
「ふっふっふー、取り敢えずこちらへどうぞー」
椅子にジブリールを座らせアズリールはキッチンへと向かう。
「お待たせ致しました、こちら日本の朝飯でございます」
テーブルに鮭とご飯、味噌汁とその他を置いて。
「…今昼ですけど」
「ごめん、許してください、壊滅級に下手くそなうちが結構頑張って作れたのがこれなの。
言い訳してよろしいのなら片手だけは辛いの」
見た目は普通な料理。
正直あのアズリールから見た目だけでも普通の料理がでてきた事に驚きである。
「いただきます」
手を合わせ食べ始める。
静かに食べていき、何も言わぬジブリールにアズリールはただただ不安になるしか無かった。
(だ、大丈夫かな…不味かったかな…がっかりしたかな…やっぱり無理だって言えばよかったかも知れないにゃ…あわわ)
そんなアズリールをよそに着々と食べ始めて十五分後。
「ごちそうさまでした」
それだけ言って席を立ち皿を片す。
この時点で絶対不味かったと落ち込んでるアズリール。
キッチンから戻りにこりと笑ってジブリールが一言。
「…美味しかったですよ」
「…えっ」
割と本気で聞き間違えじゃないか確かめる。
「確かに他と比べたら美味しくないのかも知れません」
「ぅぎっ」
「それでも、アズが私の為に頑張って作ってくれたと思えばとても美味しかったです」
「ジ、ジブちゃん…!」
天使…いや、女神がここに現れた。
そうだ、今すぐジブリール教を作らなければ。
そして信者を増やそう。
そんな女神を拝んでいると何かを思い出したように。
「あっ、ジブちゃんジブちゃん。
そういえば前に言ったプレゼントを用意したんだにゃ」
「ほ、本当ですか!」
その食いつきっぷりに少し驚く。
まぁ、無理もない。
あまりアズリールからプレゼントを貰ったことが無いのだ。
別にその事に不満がある訳でも無い。
そして、申し訳なさそうにアズリールは。
「その、確かに前の事はうちが悪かったと思ってるよ。
でも、なんというか、うちもプレゼント欲しい」
「…つまり、プレゼント交換したい、と」
「お願いしますっ!」
あまりアズリールからお願いをされる事なんて少ない為、アズリールのお願いにジブリールはめっぽう弱い。
「し、仕方ないですね…。
でしたら、今から探して来ますので待っていてください。
…時間は掛かりますよ?」
「ありがとにゃあああ!」
本当、ジブちゃんの優しさには頭が上がりません。
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場所は変わってエルキアの大広場。
がやがやと人が賑わう中、一人の少女に多くの視線が集まる。
だが、その少女は特に気にしてなさそうに。
「そろそろ私もアズに日頃のお礼を含め、何かプレゼントしたかったので丁度いいですね♪
ですが、問題は何にいたしましょうか…」
(正直、何を渡しても喜んでくれます。
でも、そんな適当な事は絶対にしませんし、したくありません。
はて、どうしたものでしょう…。
無難に花…でしょうか。
それとも、アズの欲しいもの…といっても基本アズは無欲ですから無さそうです。
…おや、これは?)
考え事をしながら歩いているとそこにあったのは小さな宝石店。
そこに何となく立ち寄って見る。
「お、いらっしゃい…って天翼種!?」
「はい?何ですか?」
「い、いや、気を悪くしないでくれ。
ただ、天翼種の人もこんな石に興味あるとは思わなくてな」
「えぇ、まぁ、ちょっと…」
大切な人へのプレゼント、なんて言おうにも少し恥ずかしい。
数は多いというわけではないがずらっと並べられた宝石の数々。
ゆっくり一個一個見てると、ふと、一個の宝石に目が止まる。
それはほぼ透明で、中心が少し青い。
(…綺麗)
「何だ?それが気になるかい?」
「はい、これはなんと言う石なのですか?」
「…実は俺もあんまよく分かんねぇんだ。
ただ、この目を信じて美しいと思った石を取ってきただけさ」
「…それでお金を取るのはなかなかのぼったくりな気もしますが…」
「いいんだよ、客は満足してくれてるし。
それに天翼種の人もそれ、綺麗って思ったんだろ?
ならいいじゃねぇか」
「そうですが…まぁ、いいです」
そう言って、その石に視線を戻す。
何故かは分からないが、これを渡したい。
「…これ頂けますか?」
「あぁ、いいぜ。
何なら首にかけれるようにも出来るが」
「お願いします」
店主がその宝石を奥へ持っていき、数分が過ぎて戻ってくる。
ネックレスのようになっていて、その真ん中に宝石がはめ込まれている。
「あの、いくらですか」
「ん?あぁ、金ならいらねぇ。
俺は目がいいんだ、大切な人とかのプレゼントだろ?
遠慮なく持っていきな」
「っ!…ありがとうございます」
バレてた事に少々驚き店をでる。
多少恥ずかしい思いをしながら、ネックレスを見ながら歩き、図書館へと戻って行く。
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「ただいま戻りました」
「おっかえりにゃー♪」
アズリールがこちらを向き座りながらにこりと笑い、テーブルの上には箱。
「よーし、それじゃ、プレゼント交換にゃー!
まずはうちからこれ!」
渡された箱を、開けていいか聞いてから開く。
そこに入っていたのは本数冊。
だが、そこに書かれる文字は日本語。
「こ、これはまさか、アズの元いた世界の本ですか!?」
「そーにゃ、驚いたぁ?」
「えぇ、すごく。
でも、ありがとうございます!
とても大切に使います。
あぁ、早く読みたい…うぇへへ…えへへ」
涎を垂らし読みたい欲を出して。
だが、はっと思い出し、涎を拭いて。
「次は私の番ですね。その…これです」
ジブリールが小さな箱を渡し、それを開ける。
「これは…ネックレス?」
内心、不安になるジブリール。
「…ありがとう!
すっごく嬉しい!」
だが、それもその言葉によりホッとする。
(喜んでくれてよかったです…!
そして、嬉しい。
アズから本を貰って、しかもプレゼントを喜ばれた事が凄く嬉しい)
それはアズリールも同様である。
だが、アズリールはある事に気づく。
(あれ?この宝石…どこかで見たことが…あっ)
ジブリールが選んだ宝石は元の世界でもある。
『ブルームーンストーン』
その石の効果の一つにこんなものが。
『大切な人との変わらぬ愛を願う』
(確か…そんなのだったかな…。
…ジブちゃんは気づいて無さそう)
それでも、ジブリールが選んだことには変わりなく、本人はそんな効果を知らず選んだとしても、きっと運命が選んでくれた。
そんな事を思いながら。
「ふふっ」
「?どうしましたか?」
「いや、何でもないにゃ。
こんな、とても素敵なプレゼントをくれたお礼をしなきゃね」
「えっ、でもお礼でしたらこの本だけでもじゅうぶ──」
最後まで言わせずに、アズリールはジブリールの唇を長く、長く奪って。
「……ありがと♪ジブちゃん♪」
左側だけ口を吊り上げて。
だが、それでも顔がほんの少し赤く。
「──んぅ、ど、どういたしましてぇ…」
顔が真っ赤になり、へたりと椅子に座り込んで。
二人がキスに慣れるまであとどのくらいなのでしょうかね。
宝石はネットで適当に調べただけなので間違っていても許してください。
てか間違ってたら台無しもいいとこ過ぎてやばい。