あのままいちゃついてジブリールとおやすみしてもよかったのだがお風呂に入りたかったので城に戻ってみる。
お風呂に向かってる最中の空達と廊下で出くわして。
「ん、よお、お二人さん。
今から風呂に行くんだがお前らも入るか?」
「(あ、そういえばそんなイベントもありましたね)それじゃ、入らさせてもらうにゃー。
あ、もし、ジブリールを盗撮するならその機械ぶっ壊すか空の目が無くなるかの二択だからにゃ」
「お前本当にジブリールの事になると怖ぇな!」
にゃははと笑い飛ばして風呂へ向かう。
後ろに抵抗する気力もないステフとクラミーがいるけどまぁ、気にしない方向で。
──風呂場──
せっせと服を脱ぐ。
改めて思うけど…やっぱりうちの体って凄いよな。
ジブちゃんに負けず劣らずな気もする。
まぁ、どうでもいいんだけど。
なんて思いながら浴場へ入る。
…ふむ、カメラはなさそうだ。
「あれ?クラミーそんなにスタイル良かったんですの?」
「ふっふーん、着痩せするタイプなのよ」
散々弄られてた割にはモデル並にスタイルがいいクラミーが。
「アズちゃん必殺!お胸破壊魔法!」
右手の人差し指と中指をクラミーに向けるとぱぁん、という音と共に偽装が解けて元のサイズへ戻ってゆく。
取り敢えず合唱しておこう。
片腕しかないけど。
「な、何してくれてんのよ!
というか、手を出してるんじゃないわよっ!」
「ウソ、ヨクナイ、ニャ」
「何故カタコトなのでしょうか」
「やっぱり、バレてたし、裸の付き合いに偽装は失礼だと思うのですよぉ」
ぐぬぬぬと涙目になるクラミー。
そこに空が。
「ところでー、フィールさん?」
「はぁい、なんですかぁ?」
「俺を“女性化“出来ないですかねっ!?」
「そらぁ」
「何だ?」
「死ねばいいと思うにゃ」
「なんでっ!?」
だってうちがそれでなったし、なんて意図は伝わらず。
唐突な暴言に若干動揺するもすぐに元どうり。
「一応、できますよぉ」
「マジですかっ!?」
「ただし、元にもは戻れませんがいいですかー?」
「え?」
…なんか魔力どうのこうの言ってるけど無視して。
「やっぱり、落ち着くにゃー」
「…あの、アズ、一ついいですか。
何故頑なにこちらを見ないのです?」
見れないからである。
別に自分の身体もクラミーやフィー、ステフ、白の身体を見ようが特に何も感じないが。
ジブリールだけは見れないのだ。
「そんなに変でしょうか、私」
「え、にゃ、ち、違うにゃ!
ただ、うちが慣れてないだけにゃ!」
「で〜は、お風呂でもアズと顔を合わせて話したいので慣れて下さい」
無理矢理こちらに向かして。
じーっとアズリールを見て。
「わ、わわわかったにゃ!
少しずつ慣れてくから今は許して!」
徐々に顔が熱くなり耐えきれなくなって反対方向に顔を向ける。
それにジブリールはむぅっと頬を少し膨らまし、アズリールの腕を胸に寄せて。
にゃっ!?と反応して必死に顔を向かないようにしているが更に顔を熱くしている事にジブリールは笑って満足そうにして続ける。
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数日後。
予め東部連合の手紙はアズリールを見て挙動不審になっていた人から貰っておいたので空達に言っておく。
「へい、そらぁ。
とーぶれんごーの手紙、届いてたにゃー」
「おう、やっときたか。
えーっと、白、今何日だっけ」
「二十、五日」
「ふむ、明後日か、それまで暇だな」
「それまでに準備をしたらどうですの?」
「それじゃ二日間いちゃいちゃしてるからにゃー」
「それでは失礼します」
「えっ」
転移で消えて。
「よし、なら寝るか。行くぞー、白」
「ん…」
「あの…」
部屋に戻り。
取り残されたステフは。
「…じ、自由気まますぎますわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
二日後。
「それじゃ、行きますか」
「わかりました。
ではマスター方、アズ、ドラちゃん、私に摑まって下さいませ。
大使館まで跳躍──」
「あ、ジブリールそれ却下。
ステフ、城の正面に馬車を用意させろ。
正門から堂々と出てやる」
「えっ…ぼ、暴動の最中ですわよっ!?」
「だからこそ、さ。
なんの為に暴動を起こさせたと思ってんだ」
──エルキア城前──
罵詈雑言が飛び交う、デモ隊で埋め尽くされたエルキア城前大広場。
その正面の巨大かエルキア城正門が、轟音を立ててゆっくりと開いていく。
誰が姿を現そうが罵倒の限りをぶつけるつもりでいたデモ隊が。
歩み出てきた五つの人影に、水を打ったように静まり返る。
五人の歩みに、静寂に包まれた広場の人だかりが割れて、道を作っていく。
中央を歩くのは、夜のように深く冷たい黒髪黒瞳の『王』、空。
その右に、かつてないほどに妖しく赤い紅玉の瞳の『女王』、白。
その後ろを一歩引いて歩くのは、静かに輝く琥珀の瞳の『従者』、ジブリールと口を吊り上げながら嗤う『王』と『女王』の良き友人、アズリール。
その四人の光る目が湛える、ただならぬ覚悟。
そして、絶対的なまでの"自信"が。
大衆に、言葉を紡ぐのを許さなかった。
………なんて事はなく。
主にジブリールの眼差しと穏やかな微笑が、民衆に語っていた。
『我が耳に届くところで、主に罵倒を浴びせるなら、命と引き換えに』
更に目を鋭くさせ。
『そして、アズに浴びせるなら、死すら喜びに感じる程の苦痛と引き換えにどうぞ』と。
その呼吸すら止めさせる威圧的な空気が、全ての言葉を大衆から奪い、そんな中アズリールはその姿のジブリールも愛おしく思う。
そしてずっと後ろをアクアマリンの瞳のステフがおどおどと小走りで追いかける。
結局、空達の歩みは、ただ一つの罵倒すら許さなかった。
ステフが理由を求めていたがそれは割愛。
──在エルキア・東部連合大使館──
馬車から降りたところを、袴のような服を着た初老の、白い毛並みの獣人種が出迎えた。
東部連合、在エルキア次席大使、初瀬いの。
「お待ちしておりました」
「待たされたのはこっちだっての。
さぁ、はじめようぜ?」
軽口を叩く空を、警戒した様子でいのが言葉少なに対応する。
「…では、こちらへ」
先導されて大使館を歩く空達。
こんな時でもアズリールとジブリールはテレパスで楽しく話し合って気がつけば応接室へ。
「では、ゲーム開始時刻まで今しばらく、ここでお待ちを」
「あいよ。観客もちゃんと通しといてくれよ?」
いのが無言のまま一礼して立ち去る。
空は迷わずソファーに横になり白と共に寝る。
最初の数時間はジブリールと話の続きなり色々としていたが、残り一時間前に空を起こしてどうするかもう一度話し合う。
いのに案内され、一同が通されたのは大使館の中のワンフロア。
巨大なビルの一階を丸ごと使ったのでは、と思わせるほど広大な四角い広間。
壁を埋めるような巨大なスクリーン一枚、それが四面に張られたフロアだ。
そこには、人類の命運を決めるゲームを観戦にきた観客、千人はいるだろうそれは、疑惑の眼差しで舞台に向けている。
正面スクリーン前の舞台には、黒い箱、そして六つの椅子が据えられていた。
「………」
無言で、その椅子の一つに正座して待つのは、対戦相手の少女、初瀬いづな。
目を閉じて精神統一してる様子の少女に、先日のような人懐っこさなどなく。
「皆様、こちらにお座りください」
いのに促され、いづなの隣に座る空。
その隣に右へ白、ジブリール、アズリール、ステフと続く。
始まるまでの少ない残り時間にアズリールは集中する。
いのがなにかを言ってるが関係ない。
ルールは知ってるし空がなんとかしてくれる。
数分の時が流れて。
「…では、同意したとみなし、盟約の宣言を願います」
「「「「「盟約に誓って」」」」」
「盟約に誓って、です」
一息ついてジブリールの方を見る。
その視線に気がつき、こちらを向いて。
「どうかしましたか?」
手を差し出して。
「…手、繋ご?」
珍しくやる気のアズリールに答えるように強く頷き。
「喜んで」
そして、意識が無くなった。
多分次辺りから出すの遅いかもです。
一応どうしよっかなってのは思いついてはいますがそれを撤回してもう一度考えるかもしれませんし、やる気が低下しまくってます。
考えるのは楽しいんですけどねー。