アズリールになったので自分に正直に生きます   作:ミレニア

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ジブリールの不安

(馬鹿なっ!!確実にジブリールは仕留めていた。

ジブリールを助け出せた時間なんてどこにも…!)

 

ふと、いのは思い出した。

最後にジブリールをスクリーンで見た光景。

ジブリールがアズリールを仕留めるその前に当たらなかった弾。

 

(まさかっ!)

 

「にゃふふ、そっのとーり」

 

てくてくと歩いてくるアズリール。

 

「うちはわざと当てなかったのにゃ。

うちがやられた後に弾が跳弾してジブちゃんに当たるようににゃー。

うちがやられたっていう情報は手に入ってもジブちゃんが元に戻ったっていう情報は見れなかったよにゃぁ?」

 

「ぐっ」

 

だが、何故見られていると分かったのだ。

どのタイミングまで見られどこから見られていないかなど分かる術が。

 

「因みに何故見られてないか分かったのはビルでいづにゃんにジブちゃんを取られちゃった時にゃ。

ジブちゃんがやられた時すぐ見られてるって感覚が無くなったのにゃ。

天翼種ってそういうのにも敏感に感じ取れちゃうからにゃ〜♪

だから、君は確実に倒してるっていう情報だけ手に入れて空達の居場所を突き止めに行ってたのは分かったにゃ。そんなわけでその癖を利用させてもらったのにゃ」

 

「ならば、何故心音に変化が無かったのだ!」

 

「簡単な話にゃ、ゲームが始まる前にジブちゃんに『ゲームが終わるまで心音を大きくたてるな』っていうね」

 

「……なるほど、そちらの作戦通りというわけですな…」

 

「要はずっと動かされていたって訳だ。

さてさて、勝者のコールはまだかな、爺さん?」

 

「──勝者、エルキア…」

 

エルキア王国に対し東部連合は…なんて話してるけど全くもって興味はないアズリールは落ち込むいづなに話しかける。

 

「にゃあ、いづにゃん」

 

「……なんだ、です…」

 

「ゲーム、楽しかったね」

 

「っ!…そんな訳、ねぇ、です!

負けたせぇで、みんな苦しみやがる、です。

でも、なんで、なんでこの顔は笑いやがった、ですっ!!」

 

「…いづにゃん、一つ訂正しなきゃいけないにゃ。誰も死なないし、誰も苦しまない」

 

「…え?」

 

「納得行かにゃいなら空にでも詳しく聞くといいにゃー」

 

それだけ言い残してスタスタと歩いてく。

 

(ぶっちゃけ説明するのがめんどくさいだけ何だけどね!)

 

どうしてもがっかり具合が残ってしまう。

ジブリールの元へと近づき話しかける。

 

「ジブちゃんー」

 

「アズ、お疲れ様です」

 

「ごめんにゃー、ジブちゃんを向こうに渡しちゃったの本当にごめんにゃ。

それと、ありがとう、ジブリールのおかげで勝てた」

 

「別に怒ってませんし謝らなくてもいいですよ?それにその作戦を立てたのはアズではありませんか」

 

「いや、うちのわがままでこんな作戦になったのにゃ。空と白には感謝しきれないにゃ」

 

「えぇ、後でマスター達にお礼でも言いに行きましょうか。

あ〜、それとですよ。いくら天翼種でも神視点の視線を感じ取るなんて無理です。アズ位ですよ?そんな事出来るの」

 

「えっ、嘘!?」

 

その後は空といづなで原作でのコイントスの下りをしているなか、こちらではほのぼのと話し合いをしている。

そしてそこから何やかんやとあり風呂場にて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カメラよーし。容量確認よーし。湯気よーし。

 

「よし、確認。健全と判断するに十分な量の湯気と認識する」

 

皆が着替えてる中、先に入り一人こそこそとやっている空。

すると後ろから肩をちょんちょんと触られ、それに反応するように後ろを向くと。

 

タオルで身体を隠しているアズリールがニコニコと笑顔で立っていた。

いや、確かに顔は笑顔だろう。だが、雰囲気は完全にそんな感じではない。

現にその姿を見た空はサァーっと青ざめている。

 

「…エット、マダヨンデマセンガドンナゴヨウデ?」

 

「前は一回目だから許したけどにゃ?二回目はどうなるか分からないにゃ?

…言いたいこと、分かるよね〜」

 

その言葉にゾワッと震える。

空の本能が告げる。マジでやばい。

次の瞬間にはパパパッと回収し終わって。

 

「うんうん、いい子だにゃ〜」

 

「本当に!すいませんでした!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にゃはは♪ついついジブちゃんの事になると少しだけ怒っちゃうなー♪

ジブちゃんはうちのだけです。誰にも渡さない。

それはさておき、うちとジブちゃんはみんにゃより少し遠めのとこでのんびりとお風呂IN。

一方うちら以外の子達はというと。

男性陣はギャーギャーと騒いで、女性陣はステフが白を洗って白がいづなを洗う。

主に尻尾だけど。………もふもふ、かぁ、いいなぁ。

 

「…また、あの尻尾に夢中ですか」

 

「んうぇっ!?ち、違うにゃ!い、いや、違わないけど…」

 

何というかいづなの尻尾って凄くもふもふしたくなるというか、顔をうずめたくなるというか、そういう欲求が湧いてきてしまうのであって…。

 

そんな事を考えているとジブリールはぷいっと顔を背ける。

 

「アズは酷いです。私という者がありながらあのような尻尾に夢中になるのですから」

 

「…ジブちゃんってそんなに独占欲つよかったっけ…?」

 

「そんな事ありません。ですが、強いて言うならアズのせいかも知れませんね。

…アズにはずっと私だけ見ていて欲しいですから」

 

「それは…凄く嬉しいにゃあ。あ、でも、少しだけなら…いい?」

 

「まぁ…少しでしたらいいですけど…」

 

会話が途切れ沈黙が訪れる。

少し遠くの方を見れば白といづなが騒いでいるのが見える。

それから5分か10分が経過するとジブリールが沈黙を破る。

 

「あ、あの、アズ?」

 

「うん?どうかしたのにゃ?」

 

「その、私って面倒くさくないですか?」

 

「え、な、何で?」

 

「だって、私だけ見ていて欲しいとかその…自分勝手、と言いますか…」

 

あー、つまりさっきの言葉に少し不安を覚えちゃったって事ね。

 

「安心していいにゃ。その位でめんどう何て思ってすらないにゃ。

それに好きな人が他の女の子に理由はどうあれ気になってたら不安になるのも仕方ないとうちは思うけどにゃ」

 

特にそういう事に気にしない子もいれば、分かっていても心配しちゃう子だっている。

 

「…ありがとうございます。ちょっとアズに言うのは恥ずかしい話ですけど、私はアズが死んでしまった時、凄く、怖かったのです。

いつも隣にいた人がいなくなる恐怖。

今はこうしてまた隣に居てくれてますがもし、アズが私に対して何か嫌な思いを感じ離れてしまったら…」

 

「ジブリール…」

 

「頭では分かっているんです。アズは優しいですから私から離れて行かないって。

でも心の何処かにあるそういう不安がどうしても拭い切れないのです。

私はアズ無しではもう無理なのかも知れませんね。

正直…こう言えば優しいアズは私から居なくならないと思ってしまったりします」

 

ジブリールはうちがいなくなるのをとことん恐れている。

うちとしてはそんな気はさらさら無いけどそう言葉にしてもきっと少しは不安が残ってしまうだろう。

でもそれは仕方のない事なのだ。完璧に不安要素を取り除けるなんて無理だと思う。

それでも、言葉にしなきゃいけない。

うちはそっとジブリールを引き寄せ抱きつく。

 

「大丈夫、うちはいなくならないから。

君がうちを求めるならうちもそれに答えるし、うちも君の事を求める。

だから、安心して欲しい、愛してる」

 

「ア、ズ。アズぅ…」

 

俺の胸元にぽたぽたと雫が落ちてくる。

小さく、俺にだけ聞こえる泣き声が止むまで時間が過ぎるのを待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着いたかにゃ?」

 

「はい、お恥ずかしい所を見せましたね」

 

「うちとしてはようやく少女らしい姿を見れたにゃーって思ってる所にゃ。これで三回目かにゃ?」

 

「うっ、で、でも二回目はアズだって…!」

 

そんなやり取りをしているとステフの声が聞こえてくる。

 

「ジブリールさーん、アズリールさーん。

そろそろ上がりませんことー?」

 

「……のぼ、せた」

 

「…ふろ、きれー、です」

 

「あれだけはしゃげば疲れますわよ…」

 

立ち上がる気力位しか残されてない二人を若干呆れているステフ。

 

「分かったにゃー。今行くにゃー」

 

そう言ってスっと上がって出ていき、そのまま後ろを振り向き。

 

「行こ?ジブちゃん」

 

手を差し出して、それを握り。

 

「えぇ」

 

そう返事をして、戻っていく。

その時のジブリールの顔はとてもにこやかに笑っていたそうな。




一回目はアズリールが死んでしまった時で二回目は大戦終了後。

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